多摩川の生き物とヒト その253 水系 多摩川自然観察会 永田から 羽村まで ‘24/11/17
朝方、降っていた雨がやみ、寒くなる予感がし、コートを羽織り、手袋を用意したが。福生駅に集合。参加者6名。
街中を抜けていくが、「あの店は外出中!と書いてあるが、どうみても閉店している。」など、町の様子も見ていく。玉川上水に出る。用水の中央に魚達がいて、「正の走行性を示している。」との声。確かに頭はきれいに上流へ向かっている。途中から、雪を抱いた富士山が見える。
永田橋の手前に空き地があり、カワラノギクが生えている。昨年と比べ、数は少ないが、ヨモギやメドハギなどの他の草が生えている中、頑張っていると思う。
サイクリング道路脇の手すりにはスイカズラの黒い実が生っている。これがスイカズラの実かと思う。でも、昨年も同じことを言っていたようだ。進歩がない。コンクリートブロックで根元を締め付けられている大きなケヤキにはサシガメやキマダラカメムシがいた。知らない内に植物と同じように変わったムシが入って来ている。
橋から山が見える。雨上がりで空が澄んでいるせいか、右の斜面が切り落とされている武甲山などの奥武蔵の山々がよく見えているようだ。
白い実が目立つシンジュや外来種のチョウセンアミガサハゴロモが着いているクワノキがあった。このハゴロモはよく家の中に入って来るハゴロモと同じか。
路地に入り、迂回して堤防へ向かう。途中の家では自宅に生えているツルウメモドキを使い、採ってきたカラスウリで飾ったリースを作っている方がいた。
芽が出て来たハリエンジュの丸太などを使い、立派な通路が出来た小川を渡り、永田のカワラノギク保護区へ。ちょうど、良く咲いていて、雲のようにはいかないが、きれい。オギ原を抜け、B工区へ。B工区は前年(2023年)、たくさんの花が咲いていたが、今年はチラホラ。土が肥え、他の草が生えてくると競争に負けてしまうようだ。
B工区の先からオギ原をNPOの方が切り開いてくれた道を進む。土を掘った跡がある。ひづめが二つに割れている。どうやら、イノシシのよう。進むと、スズメウリ、オニドコロ、ヤマノイモなどの実があり、白くてかわいい形があるなど、面白い。ニシキギの実も赤くなっていて美しい。
堤防に上がり、刈り残してある保護区を見る。ナンテンハギや恐らくレンリソウみたいのはあったが、スズサイコは見当たらず。
小さな祠に収められた水神社を見つつ、堤防を羽村方面に進む。
シマヘビもいたが、目撃だけ。惜しかった。ビワやサザンカなどの冬の花が咲きだしている。あきる野市のグラウンドで昼食。暑くなり、汗ばみ、コートなどを脱ぐ。
グラウンド脇から小道に進む。ヤブランが黒く実り、フユノハナワラビが胞子を着けていた。ハチクなどが増え、昔あったカワラノギクの自生地への入り口はわからず。マユミの実も美しく、今年もたくさんの実を着けている。
羽村大橋下の湿地には何やら青色のシソ科の得体の知らない草が。おそらくハーブ系だと思う。
レクレーション広場に出るまでコシオガマやカラスノゴマを探したが、見つからず。広場越しから対岸の工事現場が見える。
羽村堰下橋を渡っていくと、下流に白っぽい鳥が浮かんでいる。のぞくとカンムリカイツブリで、潜ると水中に30秒ぐらい入っている。近くにはオオバンとカイツブリもいて、カイツブリが縄張りを侵されたのか、キ~と鳴き、オオバンを追い払っていた。
エサとなる魚も多くいて、体を翻すたびに水面がキラッと光っている。大きなコイもいて、水量が少ないのか、窮屈そうに泳いでいる。
帰り、山田屋さんと言うお菓子屋さんで美味しい菓子を選び、地元の銘菓を買えられるのも、小回りの利く観察会ならでは。
禅林寺を右に曲がり、お寺坂を上がる。途中の馬の水飲み場跡ではヒカリモがあった。水面を漂っているちょっと汚く見える黄色の藻について、光っているかどうかや大切さをわかってもらう必要がある。
観光案内所にはいざと言う時に蒔いておいたというカワラノギクで満開だった。
カワラノギクはやはり温暖化なのか、開花時期が遅くなっているようだ。翌日、寒くなったので、温かい一日を過ごせた。