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刃金土(はがねど)が足りない~土質試験員の悩みと挑戦~
はい、ひさびさの47本目の投稿です。よろしくお願いいたします。
ここ最近、土質試験が多忙でnoteも、つぶやきでしのいだ時もありました。でも、今日はちょっと長めの投稿で、最近私を悩ませている問題について話したいと思います。
それは、さておき今回のテーマ
「刃金土(はがねど)」って聞いたことありますか?
土質試験員(兼商品開発部→1人ですが)の私が
最近頭を悩ませているのが、この刃金土なんです。
現在扱っている土は地元の三重県の土だったり、
滋賀・奈良方面の土だったり。
明日も滋賀県豊郷町まで90分ドライブで土をサンプリングしてきます。
そんな中、奈良県内のため池改修工事に使う
「刃金土」が足りなくて大変らしいんです。
既存の堤防を解体する時に刃金土だけを取り出して再利用するとか…。
そんなキレイに分けられるのかしら?
まず、刃金土について簡単に説明させてください。
刃金土とは:
粘土質で水を通しにくい土
ため池の堤防や、水を貯める施設の防水層に使用
「刃金」という名前の由来は、その硬さから来ているそう
ため池の周辺に土を盛って水が漏れないようにする施工方法があるんですが、そこで重要な役割を果たすのがこの刃金土。でも、これがなかなか手に入らないんです。
なぜ足りないのか?
自然の土だから、簡単に増やせない
刃金土は特殊な粘土質の土。人工的に作るのは難しいんです。需要が増えている
ため池の改修工事が増えているため、刃金土の需要も増加。採掘場所が限られている
良質な刃金土が取れる場所は限られているんです。環境保護の観点
むやみに山を掘ることはできないので、採掘量に制限がある。運搬コストの問題
良質な刃金土が取れる場所が遠いと、運搬コストが高くなる。
この状況で、私たち土質試験員は頭を悩ませています。
例えば
代替材料の検討
他の粘土質の土で代用できないか試験を重ねています。配合の工夫
刃金土と他の土を混ぜて、必要な性質を出せないか研究中。
失敗続きで一旦ストップしてます(- -;リサイクル土の活用
他の工事で出た粘土質の土を再利用できないか検討中。
これらの取り組みは、単に「刃金土が足りない」問題を解決するだけでなく、環境保護や資源の有効活用にもつながる可能性があります。
また、この問題を通じて、改めて自然の土の大切さや、
土木工事と環境のバランスについて考えさせられます。
まとめ
刃金土不足は、一見マイナーな問題に見えるかもしれません。
でも、これは土木工事、環境保護、資源管理など、様々な問題が絡み合った現代社会の縮図とも言えるんです。
私たち土質試験員は、この問題に日々向き合いながら、
より良い解決策を探っています。
時には「土」という自然の恵みに感謝しつつ、
どうすれば持続可能な形で工事を進められるか、
日々試行錯誤の毎日です。
土木の世界は、自然と人間の知恵の融合です。
刃金土のような自然の恵みを大切にしながら、
新しい技術や方法を探求し続けること。
それが、未来の土木を支える力になるんです。