見出し画像

直径30cmで決まる構造物の未来~知られざる平板載荷試験の世界~

はい、記念すべき30本目の投稿です。よろしくお願いします!
よくもまぁ、30本も投稿できたものです。

そしてタイトルにも「30」が絡むという奇跡!
 
それでは本題。

みなさん、「平板載荷試験(へいばんさいかしけん)」って聞いたことありますか?ないですよね(笑)。実は、この地味~な試験が、私たちの生活を支える重要な建物や道路の未来を左右しているんです。

今日は、私の仕事の一つであるこの試験について、ちょっとお話ししてみたいと思います。

まず、平板載荷試験って何?って感じですよね。簡単に言うと、「地面がどれくらいの重さに耐えられるか」を調べる試験なんです。

直径30cmの鉄板(平板)を地面に置いて、その上からどんどん重りを乗せていきます。そして、地面がどれくらい沈むかを測定するんです。

「え?それだけ?」って思うかもしれません。でも、これがめちゃくちゃ大切なんです。

例えば、高層ビルを建てるとします。そのビルの重さに地面が耐えられなかったら...想像つきますよね?ゆっくりと沈んでいく東京タワー、なんて絵面を想像したら怖くなります(笑)。この試験、実は結構大変なんです。

  1. 重機の下に潜り機器をセットする。

  2. 30cm四方の地面を平らに整地する(これが意外と難しい)

  3. ジャッキで荷重を段階的にかけていく(最大で20トンまで測れます!)

  4. 地面の沈み具合を0.01mm単位で測定(昔は目盛りを覗き込んで読み取ってましたが、今ではケーブルを繋いでデジタル表記ができます)

バックホウ(通称:ユンボ)の下に潜ります

 この作業って機器の取付と撤収の時だけ汗だくになり、測定中は約3時間ジーっとモニターを見てるだけ。

夏は灼熱、冬は凍える寒さの中で。でも、この地道な作業が、私たちの安全を守っているんです。平板載荷試験の結果で、例えばこんなことが決まります。

  • ビルの基礎をどれくらい深く作るか

  • 現状の地盤に構造物を立ててもOKか

  • 橋の橋脚をどこに立てるか

つまり、この直径30cmの平板が、巨大な構造物の未来を決めているんです。面白いのは、同じ場所でも、季節や天候で結果が変わること。雨上がりの柔らかい地面と、カラカラに乾いた地面では、全然違う結果が出るんです。だから、雨の日は基本やりません。

この仕事をしていて、よく思うのは「自然って本当に奥が深いな」ということ。同じ場所なのに、毎回違う顔を見せる地面。その気まぐれな地面と向き合いながら、私たちの生活を支える構造物の安全を確保する。そんな大切な仕事に携わっていることを、誇りに思います。

まとめ
平板載荷試験。地味で大変な作業ですが、私たちの安全な生活を支える重要な仕事です。直径30cmの平板が、巨大な構造物の未来を決める。なんだか不思議な感じがしませんか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?