読書記録#6「赤と青とエスキース」
「赤と青とエスキース」青山美智子
人の心は複雑。
行動や言動と、そこに隠された想いが一致していないことなんてざらにある。
そんな、簡単で当たり前でわかりきっていることを、どうしてつい忘れてしまうのだろう。
私は、人の思いを、心の揺らぎを、どれほど見逃してきたんだろう。
この本を読んでいる途中、ある人のことがずっと頭の中にあった。
大好きな人。
大好きだった人。
伏せてしまった目や、何かを言い淀んでできたわずかな空白。
全部、確かに感じたはずなのに、どうして見過ごすことを選択してしまったのだろう。
お互いに、隠してしまった想いをひとつずつさらけ出したら、いくつかは一致したかもしれないのに。