詩 「嫌なことから逃れられない」

 嫌なことから 嫌な場所から 逃れられない時がある
そこは僕の故郷だから
それは僕の呼吸だから

人から見れば そんな愛なんて
人から見れば 醜い花
ずっと水やりをしている いつか咲いてくれないかと

僕は捨てられない その花も愛も 僕にそっくりだから
彼らは僕を見捨てられない 水やりをしている 泥水でも汚水でも
僕は綺麗に咲こうとする そんなものでも綺麗に咲こうとする

 この街を飲み尽くすほどの花になれ
いつか巨大な 一等醜い花となれ

 本当は 僕が君らを根深く侵食していたのかもしれないね
土くれの中 顔を出した時に
 僕はもうこの故郷から逃れられなかった

空しさ 咲く
虚しさ 咲く

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黒宮海夢@小説
執筆の肥やしにします。よろしくお願いします。