チューリップ「娘が嫁ぐ朝」について巡る想い その4「エリナー・リグビー」
前3回に渡ってチューリップの「娘が嫁ぐ朝」を巡る私の個人的な想いを述べてきました。それで私の中では一応の決着がついたと思っていました。正確には思おうとしてきました。
でも、どこかに違和感が残っていたのも否定できませんでした。ちょうど靴の中に入り込んだ小石がある感じと言えばいいのでしょうか。小石の位置によって違和感を感じたり感じなくなったりする様子に似ています。
その私にとっての小石は「娘が嫁ぐ朝」というタイトルの「朝」の部分でした。どうしても娘の結婚式の朝に亡き妻のお墓参りをするというイメージがしっくりこなかったのです。
そういう違和感を抱いたまま過ごしていたある日、ある名曲を聴いて、その違和感を解消することができました。その名曲とはビートルズの「エリナー・リグビー」です。
「エリナー・リグビー」は私も大好きなビートルズナンバーで、その日もスマートフォンに保存している曲をランダムに再生しているうちに流れてきたのです。
懐かしいなと思いながら耳を傾け何気なく歌詞を見ていると「あっ」と思いました。
「そういうことだったのか」
「エリナー・リグビー」という曲の内容は独特の雰囲気を持っており、当時人気絶頂だったロックバンドであったビートルズがこんな孤独感あふれる歌詞をよくぞ思いついたなというものです。
その解釈はとりあえず置いて、気になったのが
①エリナー・リグビーという女性は教会の結婚式の後ライスシャワーのライスを拾い集める
②エリナー・リグビーは教会で亡くなり、マッケンジー神父によって埋葬される
この2点です。私は、これまでキリスト教や教会とは無縁の人生を歩んできたのでイメージできなかったわけですね。
教会で結婚式を挙げる。亡くなれば教会の近くの墓地に埋葬される。これらはキリスト教を信仰されている方にとってはごく自然なことなのでしょう。
ということで、「娘が嫁ぐ朝」は、結婚式の朝に娘と共に教会の墓地へ亡き妻のお墓参りをして、そのまま結婚式を挙げるのは自然な流れですよね。
おそらく主人公と亡き妻が結婚式を挙げたのがこの教会であり、妻が亡くなり、この教会の墓地に埋葬され、そして、娘も同じ教会で結婚式を挙げるということなのでしょう。
だから「娘が嫁ぐ朝」の内容は亡き妻に対する想いで溢れているわけですね。
そのため娘に対する想いは「Wake up」で語られるということになったのでしょう。
結婚式の翌日に、生まれ育った家を出て新居へと旅立つ娘への想いを歌ったのが「Wake up」
ここで歌われた「あの人の写真」とは、やはり亡き妻が微笑んでいる写真でしょうね。
そして、亡き妻の名前は「ぼくがつくった愛のうた」からエミリさんと推定されるという次第です。
以上のように、私の中では遂にスッキリと解決できました。最初からイメージできている方は「コイツは何を疑問に思っているのか?」と思われていたことでしょう。お恥ずかしい限りです。
長年の違和感を解消してくれた「エリナー・リグビー」ありがとう。