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オフコース 「We are」その1

衝撃のシングル「Yes-No」から約半年後の1980年11月、オフコースはアルバム「We are」をリリースしました。

当時、私はこのタイトルにオフコースの自信を感じました。バンドへと変化していく過程で試行錯誤していった「JUNKTION」「FAIRWAY」「Three and Two」といったオリジナルアルバム。その結果、「これがオフコースだ」という言わば存在証明を示したのが「We are」というアルバムだったような気がします。

「俺たちはいる」「俺たちは存在している」そういう自信や気迫を感じるアルバムタイトルでした。

ただ、この自信や気迫はオフコースというバンドとはこういうものだということを示した小田さんの自信や気迫であり、鈴木さんはオフコースというバンドに対しては後ろ向きのような感じなんですね。

しかし、オフコースに対する小田さんと鈴木さんの方向性の違いが妙な化学反応を起こして、不思議な、魅力のある、輝きを持った化合物となった、そんなアルバムという印象です。

アルバム「We are」ジャケット裏面

「さよなら」以降、小田さんは盟友である鈴木さんの異変を感じていたと思います。それは、このアルバムに収録された小田作品から感じられます。鈴木さんを気遣いながらも、オフコースのリーダーとしてオフコースの方向性をも示した作品群となっています。その小田さんの問いかけに鈴木さんは純粋に自分の気持ちを表現しきった感じです。

このアルバムから受ける自信と気迫と緊張感。当時の私はこのアルバムの不思議な魅力を上手く言語化出来ませんでした。今、改めて自分に説明するとしたら、このような事を感じとっていたのかもしれません。


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