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オフコース 「We are」その11 きかせて

いよいよオフコースのアルバム「We are」も残すところ1曲となりました。小田作品「きかせて」です。

オフコースの曲で好きなものは、それこそたくさんあるのですが、この「きかせて」は私にとっては別格です。

というのも、私は幸運にもこのアルバムに連動した「OFF COURSE Concert "We are"」に行っているのです。確か、「きかせて」は本編の最後に演奏されたのですが、その圧倒的なコーラスワークに痺れました。彼らが舞台から去ったあとも頭がボーッとしたままで、アンコールもあまり覚えてないくらいだったのです。帰る途中、一緒に行った彼女と会話もしたはずですが、その内容もあまり覚えてないです。覚えているのは、喫茶店でコーヒーを飲んだことくらいでしょうか。彼らのコーラスに魂を持っていかれたって感じでした。

オフコースは、軟弱ではなく、暗くもなく、確固とした音楽性を持ったロックバンドということを認識した次第です。

「時に愛は」では、バンドとしてのオフコースサウンドを見せつけてくれました。

この「きかせて」では、オフコースの別の魅力を見せてくれました。それは、二人時代、いや、それ以前のアマチュア時代から彼らが大切にしてきたでろうコーラスです。そんな彼らの最高到達点が「きかせて」だったと言えるかもしれません。

さて、歌の内容ですが、極めてシンプルです。

舞台はニューヨークのアパートメント。窓からは摩天楼の夜景が見える。連絡のとれなかった彼女が久しぶりに彼の部屋を訪れた。彼は一瞬頭に血が上ったが冷静になろうと窓を開けた。

窓は開けたままで
話しをきかせて 
手紙もくれなかったね

そのひとといれば
すなおになれるの
きっとやさしいひとなんだね
きかせて どうして 
あなたはあの時たしかに僕を

「…優しさが足りなかったのかな?」
首を振る彼女。

「その人といると素直になれるの?」
「ごめんなさい」

「じゃあ、どうしてあの時僕を…」
「…」

あの頃と同じだね
こうしていると
でも それは
特別なことでなく

「あの時、この部屋で僕を受け入れたくれたよね。
「…」
「いつもこうして二人で夜景を見てた」
「…」

はやい方がいい... 
帰るなら... 
はやい方 がいいね
きかせて どうしてあなたは
あの時たしかに僕を

黙ってないで
みじかい夜だから
涙を拭 いて

「泣いてばかりいないで」
「…ごめんなさい」
「涙をふいて。謝らなくていいから」

... こんなに 
みじかい夜だから
きかせて どうしてあなたは

「…きかせて…最後に、別れの言葉を…きかせて」

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こういう別れの情景が浮かんでくる曲ですね。別れる直前の情景を切り取ったかのようなシーンです。コンサートでもニューヨークの夜景の映像が使われていましたね。


小田さんの心境としては、鈴木さんの気持ちをきかせて欲しかったのでしょうね。

「<We are> を作るころからマジョ(マネージャーの上野氏のこと:筆者注)が意識的におれを中心にプロモートし始めた。一人一人、個性を出していこうという方針をたてたわけだよね。その一番バッターがおれだったんだけど......」
(山際淳司著「give up」より)

あの時、確かにヤスも同意してくれたよね。きかせて、今はどういう気持ち?って

きかせて どうしてあなたは♪

5人のオフコースの最高峰と言っても過言ではないでしょう。私にとっても忘れられない名曲です。


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