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「あいつ」(伊勢正三が描く情景)その1

風のファーストアルバムに収録されている「あいつ」という曲があります。

この曲は伊勢正三作詞作曲で、その内容は冬山で遭難死した親友の事を歌っている作品です。

年の瀬も押し迫った慌ただしい季節に親友である(あいつ)の遭難の一報が飛び込んできたのでしょう。そして一縷の望みも虚しく親友の死が伝えられました。

あいつ

春が訪れ、雪がとける季節が巡ってきました。主人公は親友である(あいつ)の彼女らとともに献花をするため遭難の地である山へでかけます。彼女と親友(あいつ)は付き合い始めたばかりの感じです。

「あいつがたとえ思い出一つ何も残さなかったのは、あいつにすれば精一杯の愛だったんだね」

花束を投げて彼(あいつ)の名前を叫んだ彼女。その声は木霊となって響き渡るが虚しく雪解け水の音に消されていく。こんな情景の歌です。

私は敢えて「主人公は親友(あいつ)の彼女らと」と記述したのですが、山へ献花しにいったのは主人公とあいつの彼女だけではなく、その他にも行った人々の存在の可能性があると思っています。それは、この「あいつ」の後日譚とも解釈出来ると噂されている曲があるからです。



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