チューリップ「娘が嫁ぐ朝」について巡る想い その3「君の名は?」
2回に渡って、チューリップの「娘が嫁ぐ朝」と財津和夫さんの「Wake up」について考察してみました。
「娘が嫁ぐ朝」は妻に先立たれた主人公が娘の結婚にあたって娘と共に亡き妻のお墓参りをした時の情景を描いた作品です。
「Wake up」も娘が結婚する時の娘の旅立ちを描いたものですが、あくまでも男親の観点からの情景であり母親の気配がしないという印象を私は抱きました。つまり、この主人公も妻に先立たれた雰囲気が濃厚に漂っていると思います。
この2曲を見てみると、財津和夫というミュージシャンには妻に先立たれた男の情景が心象風景として心の何処かにあるのかなって思ったりもします。
その事の裏付けになるのではないかと思える作品があります。
それはチューリップの「ぼくがつくった愛のうた〜いとしのEmily〜」です。
この作品も古く、チューリップの7枚目のシングルとして1974年10月5日に発売されました。作詞作曲は財津さんです。
この作品が財津さんの中に「妻に先立たれた男の情景」があるという根拠になるのは、次の歌詞があるからです。
♪
もしも もしも ぼくよりも
君が先に死んでも
君のために歌うだろう
ぼくがつくった愛のうた
♪
この74年の段階で妻に先立たれると想定された情景が歌われていたのです。
このDNAが76年の「娘が嫁ぐ朝」へと継承され、79年の「Wake up」へ繋がっていったのではないかと思えます。
としたら、これら2つの作品の妻の名前はエミリさんかもしれません。
漢字だと、絵美里、英美里、恵美里、笑美里、瑛美里あたりでしょうか?
もしかしたら絵美さんとか恵美さんの愛称かもしれませんね。
「娘が嫁ぐ朝」と「Wake up」こそが「ぼくがつくった愛のうた」そのものなのかもしれません。
娘が嫁いだ後、主人公は亡き妻の思い出と共に余生を過ごしたのでしょう。「娘が嫁ぐ朝」や「Wake up」そして「ぼくがつくった愛のうた」を口ずさみながら。