記憶の不思議 『男達のメロディー』
先日、首の血管を手術しなければいけなくなったという知人と話す機会があった。その知人は過去に軽い脳梗塞を起こしたことがあり定期的に検査しており、それにもかかわらず今回の状態になってしまったことに納得がいっていない感じだった。で、いろいろ話しているうちに「怖さ」を感じていることが伝わってきた。「怖さ」を感じ、現状を直視したくないので検査の不備などに当たっていると思えてきた。
確かに手術とかって「怖い」だろう。特に首なんて人間の急所でもあるし出来れば手術なんてしたくないよな~と思っていると、不意に
♪運が悪けりゃ死ぬだけさ、死ぬだけさ~♪
というフレーズがメロディとともに頭に浮かんできた。
えーと、確かこれはドラマの主題歌だったよな…なんて思いながら、知人を励まして別れたあと検索してみた。
『俺たちは天使だ!』という古いドラマの主題歌『男達のメロディー』という曲だった。
そうそう、これこれ!と懐かしさを覚えながらも何十年も思い出さなかったのに不意に浮かんできた記憶の不思議さを感じた。
私は「ツイてる」と少々楽天的な性格なのだが、それはこういうところから由来してるのかもしれないと思えた。
♪運が悪けりゃ死ぬだけさ♪
↓
今生きてる
↓
運が良いってことやん!ラッキーラッキー感謝感謝
私の死生観の源流はこの歌だったのか、こんな素敵な歌詞を書いたのは誰だ!?調べてみると、なんと喜多條忠ではありませんか!喜多條忠といえば私のようなアラカン世代にとっては懐かしい昭和の四畳半フォークの産みの親と言っても過言ではない。あの名曲『神田川』の作詞家なのだから。うーん、私の青春時代に一世を風靡したキャンディーズに吉田拓郎と組んで提供した『やさしい悪魔』や『アン・ドゥ・トロワ』などは知っていたが『男達のメロディー』も作詞されていたとは…。
改めて聴いてみると印象的なフレーズがあった。
♪男だったら流れ弾の
ひとつやふたつ
胸にいつでもささってる♪
男に限らず女でも知らぬ間に被弾しているってことはあると思う。私の死生観に限れば、例えば、オフコースの『老人のつぶやき』とか『思い出を盗んで』なども流れ弾として被弾したものと思える。『思い出を盗んで』などは失恋の歌かと思って聴いていると最後のフレーズでその様相をガラッと変えられてしまうインパクトが私にはあった。ライブ音源を聴くと鈴木さんの素晴らしいコーラスで最後は小田さんと鈴木さんの掛け合いで締めくくられており、もう一度歌ってほしいと願うばかりである。
『俺たちは天使だ!』に戻ると、主役は今は亡き沖雅也。『太陽にほえろ』のクールなスコッチ刑事とは異なりコミカルな探偵を演じており似合っていた。
沖雅也って若い頃歌を歌っていた記憶が蘇ってきた。何かのドラマでロシア民謡のポーリュシカポーレを歌っていたはず。さっそく検索したら、これがなんと全くの別人だった。仲雅美という沖雅也によく似た俳優さんだった。今の今までずっと沖雅也が歌っていたと思っていた…
ホント人間の記憶って不思議なものと思わざるえない。
で、『男達のメロディー』を検索していると素敵なお姉様が格好良く歌っている動画に巡り会えた。こんなん惚れてまうやろ~