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読書備忘録とロケットサイダーと
「この世界の片隅で」とロケットサイダー
「この世界の片隅で」という新書を読んだ。広島原爆投下の実記。
被爆者から話を聞き、まとめたもの。被爆当時の状況や、終戦後どういう生活が待ち受けていたのかが書かれている。
悲しくなったり腹が立ったり悔しくなったりと、色々な辛い感情の波が押し寄せてくる本だった。
この世界の片隅で……?
ふとロケットサイダーというボカロ曲を思い出して聴き返してみた。
一部では戦争の歌詞だという考察がされている曲。
「終末、ぼくらは月の裏側で傷つけあうのなんて馬鹿らしくて笑いあうだろう」「世界の片隅で「失くしてばっか」なんて、心なんて埋まらなくても」って歌詞がある。
勿論、何事も二元論で片付けられないのは大前提だけど、それでも、傷つけ合うのが馬鹿らしい、と思う人は世界の片隅を生きるような人なのかなと思った。世界の中心で生きるような人は傷つけ合うのが馬鹿らしいとは思わないんじゃないかな、と。
この曲の歌詞にあるみたいに、私もなんだか涙が止まらない。
それなりに古い本なので、当時はまだ解明されていなかったのか今より情報があやふやな箇所がある。その代わり、被爆した人々の鮮明な証言で溢れている。
中国が広島に援助をした、というような記述があったけれどなんのことを指しているんだろう。LT協定...…ではないよな。これ、もう少し詳しく知りたい。
「東京大空襲」
もう一冊、読んだ本を紹介。
早乙女勝元著 「東京大空襲」
歴史の授業で習ったし、たまに新聞で目にする歴史的出来事。
ただ、恥ずかしいことに、実際何がどうなったのかということに関してはほとんど無知。聞かれても、空襲で多くの民間人が犠牲になったんだという浅はかなことしか答えられない。
そんな私は、本当にこの本に出会えて良かった。
これもまた実際に空襲に遭った人への取材をまとめたもの。どうにか生き延びた証言者は皆家族や友人を空襲で亡くしている。
ただの数字的な記録ではなく、どんな生き方をしてきた人たちがどう逃げてどう家族を失ったのかが細かく記されているから読むのが苦しい。
大抵の新書は3時間もあれば読めるのだけど、この本はそうはいかなかった。悲しくて涙が止められない。瞬きして天を仰いで...…電車で軽く読む物ではなかった。
今こうして感想を書くことすら不遜に思えているけれど、少しでも読んでくれるきっかけになればと書いている。どうかこの短慮な備忘録ではなく実際に本を読んでみてほしいなと思っています。
「戦争は残酷だよね!嫌だよね!」という陳腐な平和主義思想を改めたい。現代日本で生まれ育った宿命か、そんな軽薄な価値観を当たり前のように口にしてきたけれど。残酷なんて漢字二文字で片づけられるものではなかった。これ以上、私が言葉にするのは憚られる。