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思いついてはみたものの

明菜と聖子なら聖子、
青椒肉絲と回鍋肉なら回鍋肉
コントと漫才ならコントである。

何の話かといえば、こういった具合に、なんとなく似たようなポジションの2つを比べて、どっちが好きかを書き連ねたら、普段意識しないわたしという人間の本質が浮かび上がってくるのではないか、というふんわりとした思いつきをしたのである。

実際やってみると無限に出てくる。

ユーミンとみゆきならみゆき、
春樹と龍なら春樹、
サッカーと野球ならサッカー。

出てくるのだが、それでわたしの人間性の深淵に迫れるかといえば、どうもピンとこない。
そんなに簡単な話ではないようだ。
早速の企画倒れである。

これは、二つの比較だと、どうしても相対的な話になって、それでは本当の意味での好き嫌いにならないからではないか。

例えば、明菜と聖子なら聖子なのだが、聖子のことが大好きかといえばそれほどでもないし、青椒肉絲と回鍋肉なら回鍋肉だけれど、青椒肉絲もかなり好きだ。

ここはもう少し角度を鋭く、見るのも嫌なくらい拒絶するものを探った方が、人となりには迫れるのかもしれない。
なぜ「好き」ではなくて「嫌い」の方なのかといえば、実際やってみると、我を忘れるほど「好き」なものは滅多に無いのに、「嫌い」なものはわりといくらでも出てくるからだ。

例えばお笑い芸人なら                

というわけで、書きはじめたらあっという間に20人くらい出てきてしまった。

しかもその気になればまだまだ書けそうに思うし、これはこれでなんだかまずい。
20人分の悪口を書き連ねる還暦男なんて、普通に考えて、まず自分を省みろよと言われるのがオチだ。
いや、まぁ自分を省みようという趣旨で始めた文章だから、それでいいのかもしれないが、私の好感度の下がるような文章をわざわざ人様に読ませることはないだろう。

とにかく出てきた20人には明らかな共通性があるわけだが、まぁこれは自分でわかっていればいいや。

徹頭徹尾、企画倒れなお話であった。



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