平和な休日
久々に終日家で過ごす。
たまに休むと、なんとなく手持ち無沙汰になるもので、ちょっと花壇の手入れでもしようかという気になった。
端的に言って貧乏性である。
実は我が家の「猫の額」花壇、春までチューリップを植えていたのだが、これがなんというか徒長してしまって、どうもうまい具合に育たなかった。
それで花が終わってから球根を育てるのはやめにして、別のものに植え替えようと思いながら、この夏の暑さに負けて、結局何もしないで放っておいたのである。
とりあえず忙しいし、季節ごとの花の世話も面倒なので、今度は植えっぱなしの植木にでもしようかと漠然と考えていたわけだが、時々ホームセンターでつつじなどを物色してみても、今ひとつピンとこなかった。
ところが先日、アトリエに行くと共用スペースに大きな鉢植えの木がたくさんおいてあるではないか。
「おぉ。これはどうしたのですか」と聞くと、アトリエを作業場にしている大工さんが、現場からもらってきたのだという。
この大工さんは、リフォームや解体の現場から、のべつ幕なし色々な物をもらってくる癖がある。
その関係でうちのアトリエには、かつて某国大使館で使われていたガラス入りの高級扉が使われていたり、南洋風の彫刻のある謎の欄間が転がっていたりするのだが、いよいよ建具ですらない物にも食指を伸ばしたらしい。
もらってくる割には、その辺に置きっぱなしにするのが常なので、これ幸いとお伺いを立てると、好きなだけ持っていってくれという。
こういうのを渡りに船というわけだ。
ところでこれは何の木なのだろうか?
聞けば、もらった相手が中国の人で、尋ねたがなんだかよくわからなかったというのだ。
鉢は7つほどあって、一つは素人目にも薔薇だったのだが、これはちょっと育てるのが難しそうな気がしてパス。
あとはどれもよく正体が分からず、大きさだの見た目だのを考慮して、3鉢を選んだ。
葉を煎じると何やら漢方の原料になるという、役に立ちそうだが、試してみるわけにもいかない木が一つ。
柑橘系の実が成るらしいという、ちょっと楽しみなのが一つ。
あとは小さな花がついている、全く情報のない鉢が一つ。
とりあえず頑張って植え替えた。
さてどう育つ(あるいは育たない)のやら、もし何の木かわかる方がいたら教えていただきたい。