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#14 振り返ればミスだった


「今日は何の日なんですか?」
祝日にオンラインレッスンを受けると、よく先生に聞かれる。

文化の日が分からず、適当に
Culture day
と答えたら、何となく通じて、いい気になって会話を続けていく。

いつもより話せている気がして楽しい。


自分の中で経験したことのないスムーズな会話。
普段こだまにしか乗らない人が、ある時偶然のぞみに乗ったようなスピード感だった。

先生が、
「日本は祝日が多くていいですね」
という。

これ、よく外国の先生に言われる祝日あるあるだ。

個人的な意見だけれど、日本人は祝日を多くしないと休めないのではないだろうか。
なぜか私はそれを英語で伝えてみたくなった。

これは肯定文で

休みがあれば仕事に行かない

と言ったほうが良いか、それとも否定文で

休みがなければ休まない

というべきか…

文を頭の中で考えながら、どっちつかずの見切り発車で話し始めた。

「If Japanese people  were given a day off, they would go to work」
(日本人は休日を与えられても仕事にいくだろう)

そう言うと先生は、
「Oh, ok! Are you a workaholic?」
と返してきたので、NOと答えた。


でもなんとなく頭の中にモヤモヤが残る。

翌朝、家事をしながらレッスンの録音を聴く。

後半を否定文にし忘れたおかげで、まるでリゲインのキャッチコピーのような説明になっていたことに気付いた。

「そりゃワーカーホリックか?って聞くわな…」

ため息まじりに納得する。

言いたいこととは違うのに、誤解のまま会話は進んでいたらしい。
私の会話の新幹線は、品川を出た後、新横浜で乗客を乗せ忘れてそのまま突っ走っていったようだ。

あの時言おうとしていたのは、

If Japanese people were given a day off, they wouldn't go to work
(日本人に休日が与えられたなら、彼らは仕事に行かないだろう)


だった。

でも本来の意図を伝えるなら

If Japanese people weren't given a day off , they wouldn't take a day off.
(日本人は休日を与えられなければ休まない)

の方が良かったと思う。

頭の中で浮かんだ日本語を英語に訳す時、言えない単語や表現があると、つい自分が言える表現の中でなんとか伝えようとしてしまうクセがある。
そしてそういう時はかなりの高確率で間違える。

こだまレベルの会話力をのぞみと勘違いして暴走してしまった。


そんな祝日のレッスンだった。


ここまで読んでいただきありがとうございました。























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