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《現代詩》自然に還る

都会という文明に疲れ
逃げ出したくなった
何かに期待する度に
失望・絶望に苛まれ

満身創痍で
働きずくめ
全身の痛みが激しい
休むという選択が
探しても見つからない

ふいに束の間の自由を得て
郊外の緑の中を歩いてみた
木々が風に揺れていた
眩しい程の陽の光
反射する池の水面を眺めている
時間を忘れてしまえたらいい

夕べの雨で濡れた
柔らかい土の感触
散歩する犬
どこからか迷いこんだ猫
小鳥のさえずり
行き交う人

人間だって自然の一部
やがて行き着くところは
決まっている
時は流れても
何も変わらない


すべては
自然に還る


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