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スイカ連続攻撃
水曜は介護狂詩曲。今回は介護保険の見直し調査から思った事…に関連した話を。
見直し調査の時、調査をしている方が困っていたのです。「整合しない…」と。それと言うのも、母の会話能力と生活能力が整合しないと受け止めたからなのです。
会話能力に関して言うと、以前の記事にも書いた通り、母の会話能力は相当に低いと言わざるを得ません。耳が遠い上に、自分に都合の良い事しか聞いてない上、自分の中で勝手に結び付けたり判断したりするからです。会話にならない事が頻繁にあり、イライラしない様にするのが大変でした(…と記事に書いた覚えがあります)。
しかし、生活能力で言えば問題はありません。料理も洗濯出来ますし、買い物も問題なく行う事が出来ます。もっと言えば、年金を引き出したり、振り込みをしたりする事も出来ます。
これが、調査をしている方には「整合しない」と受け止められた訳です。会話が成立しないと言う事は、記憶力が低下したり、論理的思考力が低下したりしているはず。なのに、何故、買い物どころか振り込みまで出来るのか。それらが出来るなら、記憶力も論理的思考力も問題ないはずだ…と考えた様です。
でも、コレ、母の中では整合しているのです。自分に都合の良い事しか覚えていないし、自分の中で勝手に結び付けたり判断したりしていますから、母の中では何の問題もなく片付けられる事なのです。
ただし、母以外の人が関連してくるとなると、色々と問題が発生します。その一つが、令和6年8月に発生した「スイカ連続攻撃」事件です。
まず8月の初日頃、実家に行くと見事なスイカが出てきました。見れば、「でんすけスイカ」と書かれた素晴らしい箱があります。「でんすけスイカ」と言えば札幌では高級スイカで、我が家では滅多に食べる事が出来ません。「どうしたの、コレ?」と聞こうとした時、母が言いました。
「ところで、▽▽や△△は、いつ帰ってくるんだい?」
▽や△には孫の名前が入ります。…そう、母は孫たちに食べさせるつもりで買ってきたらしいのです。
でも、孫たちは8月の末にならないと帰省してきません…って話、先週、一緒に御飯を食べた時に言ったよね?
これ、母の中では整合性があるのです。
1.お店で素敵なスイカを見た。
2.孫たちに食べさせてあげたい。
3.よし、買って帰ろう。
4.あれ、孫たちがいない。
5.孫たちは、いつ帰ってくるの?
第三者的には笑える状況ですが、母の気持ちを考えると、とっても切なくなる出来事でした…が、これだけでは終わりません。
8月10日頃、今度は大きいスイカと小さいスイカの2個が、箱に入った状態で玄関に置かれていました。どうやら、生協さんの宅配便で買ったようです。しかも、何故か毎週届くらしいのです。
母の気持ち的には切ないですが、取り敢えずスイカを片付けなくてはなりません。何せ、孫たちが帰省するまで2週間ほどありますから。覚悟を決め、五十代の夫婦2人でスイカを半分食べるしかないでしょう。
いや、第三者的にはメッチャ笑える状況です。泣きと笑いの塩梅も良くて、正に「日本の喜劇」って感じですよね。はぁ~。