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千切った形から・前編

 月・火曜は学校教育話。今回は図工での成功と失敗を語ります。
 札幌の1年生の図工で「ちぎった かたちから」と言う教材があります。色画用紙を千切らせ、その形から発想を広げて何かに見立て、台紙に貼らせてクレヨンで描き足して絵にする…と言う教材です。
 コレ、普通に千切らせると、ただ細長く千切ったり、四角に千切ったりして終わりです。見立てるって言っても…いくら何でも、これでは大人でも難しいでしょう。
 かと言って、千切り方を指導しすぎると、子供たちは自分の作りたい形に千切ろうとします。これなら、見立てる必要なんかありません。
 だから、千切らせ方は非常に難しいです。そこで、今回は作戦を立てました。以下の様に進めると言う作戦です。

1.適当な部分から中心前後まで千切って切り込みを入れさせる。
  その後、切り込み先から外側まで千切らせる。
   ※これにより、三角っぽい形で切り取る事が出来ます。
2.別な部分で「1」と同じ事を行わせる。
   ※これにより、2ヶ所を千切り取る事になります。
3.後は、好きな所を好きな様に千切らせる。
  ただし、多くても3回まで。
4.千切った切れ端は全部残しておく。
5.最も大きな切れ端を見立てに使う。
  他の残った切れ端の内、あと1つだけ付け足しても良い事とする。
  
 この指導では千切り方の見本を見せながら指導しますから、教師と似た形になりやすいと言う弱点があります。それでも、何も指導しないで千切らせたり、千切り方を指導し過ぎたりするよりは、多様な形の生まれる可能性が高くなります。
 実際、やってみると予想以上に多様な形が生まれました。過去1番の出来映えです。これなら、これまでの実践より面白い作品が出来上がりそうな予感がします。
 問題は、この後に2つありました…が、少々長くなりました。続きは次回とさせていただきます。

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