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『ティッシュ字』沼は深くて広い

全ての始まりは昨年7月にno+eに書いた、こんなアホな文章だった。



あなたはティッシュに字を書いてみたことはあるだろうか。

ティッシュが破れない適度な筆圧と、何より根気が要求される。
名前一つ書くだけでも一苦労だ。
ここまで苦労するのだから、好きなあの子へのラブレターをティッシュに書いたらさぞ喜ばれるのではないか。

「まぁ、彼ったら、こんなに手をかけて私への想いを綴ってくれたのね……すき」

とならないだろうか。

それとも、

「字が滲んで、なんて書いてあるのか読めないわ」と丸めてポイだろうか。
捨てる際には、手紙と違って罪悪感がなくていいかもしれない。

あるいは下駄箱に入れたラブティッシュは、風が吹けば容易に違う子の所に飛ばされるかもしれない。

風で飛ばされたラブティッシュが、いつも仏頂面の先生の顔に張り付いて、教室の空気が一気に和むかもしれない。



ティッシュに上手に字を書くにはどうするか?

ティッシュ字講座なんてものが出てきて、プロのティッシュ書家も現れるかもしれない。

いつしかティッシュ字を綺麗に書く資格が生まれるかもしれない。

「おれさぁ、昨日ティッシュ字検定一級、取ったんだよ。」

「まじで?すげーじゃん!どこでも就職し放題じゃん!」

「おぉ、生まれて初めて親に褒められたわ。」

なんてアホな会話が生まれるかもしれない。



文具メーカーもこぞってティッシュ専用のペンなど売り出すかもしれない。

ティッシュへのストレスフリーな書き心地の秘密 “クリネックシステム” とは
① 安定したペン先:ペン先の中芯に最先端のクリネック構造(特許取得済)を採用し、ティッシュの動きに合わせて先端が最適な角度を安定して保持します。
② 滲まないジェルインク : 通常のインクよりも粘性を高め、それでいてスムーズにペン先から流れるインクにより、かすむことも滲むこともありません。


さらに調子に乗った文具メーカーが、通常よりも書きやすいティッシュを出すかもしれない。
というか、それはもはや普通の紙だ。

書く専用のティッシュで鼻を噛むと、肌が荒れるので注意が必要かもしれない。

皆がティッシュに文字を上手に書けるようになったら、どうして自分はティッシュに字をかけないのか悩む人たちも生まれるかもしれない。

「大丈夫。ティッシュに字を書けなくったって、あなたの人生は輝ける」

なんて勇気の出るワードも生まれるかもしれない。


その中から、

「私、ティッシュに字を書くのを辞めました!今日から普通の紙に字を書きます!」

なんて宣言する人が現れて、一周回ってかっこいい!ってなるかもしれない。

PRESIDENT誌あたりに『ティッシュではなく紙に字を書く若者たち』なんてタイトルの特集が組まれるかもしれない。


やっぱりティッシュは字を書くための物じゃなかったかもしれない。

「ティッシュ字検定」 えむのマイトン


ここから半年経って、突如として本当にティッシュに字を書く人たちが現れ始めた。

そしてこれまでに、実に80を超える作品が生み出された。

さまざまなメーカーのティッシュが使われ、ペンもボールペン、万年筆、筆ペンと、これまたバリエーション豊かだ。

是非、『ティッシュ字』でインターネット検索してみてほしい。
皆さんの作品が、まるでギャラリーのように並んでいる。



いい年した大人たちが、どうしてこうまでして、ティッシュに字を書くのに夢中なのか。改めて考察してみた。



ティッシュ字のいいところ

① ほどよい達成感

やってみたら分かるが、ティッシュに字を書くのは決して不可能ではない。
力の入れ具合で紙が破れるし、書きにくいのは確かだが、慣れると意外と書ける。

渾身のびゃーーーん

こんな字も、書けたときの達成感がちょうどいい。

② 紙とペンの相性を探すのが面白い

同じペンでも紙によって、書きやすさや字の仕上がりが全く違う。
保湿ティッシュはボールペンだと書けないが、筆ペンは相性がいい。
これ、テスト(ティッシュ字検定)に出るから覚えておいた方がいい。


③ 集中していると無心になれる

写経とか、切り絵とか、きっとそういうのと同じだと思う。
ティッシュと向き合うとき、ひとのこころは丸裸になれる。
……知らんけど。


④ くだらないことが楽しい

きっと、この理由が一番だと考えている。
日頃、仕事で難しい顔をしているひとも、ひとたびティッシュとペンを持てば、童心にかえって楽しめる。それがティッシュ字だ。


⑤    インディーズ感が楽しい

メジャーな遊びじゃないけど、no+eの隅っこで密かにブームとなっている。
それが、参加する皆さんのこころをコチョコチョするのだろう。


⑥    遊んだ後も無駄がない

字を書いたティッシュも、当然鼻はかめる。水分も拭き取れる。
もったいなくない!
コンプライアンス的にもOK!!


ティッシュ字の広がり


先日、ティッシュ字の盛り上がりを記事にまとめたら、SmartNewsさんに載せていただいた。


ええんか、スマニューさん?


さらに、ティッシュ字のゲームを開発する猛者まで現れ、そちらを記事にまとめたら、再びSmartNewsさんに載せていただいた。


スマニューさんに、ティッシュ字ファンがいるのかな?


もはや、世間に広まる1歩手前。
バズる前から私知ってたよ、と言いたがりなあなた。ティッシュ字を始めるなら今だ!!


ティッシュ字検定公式キャラクター


ここまで来たら作るしかない。


何をって?そりゃ公式キャラクターだ。

その名も『てぃしゅじん』

考え始めてから1分で誕生した『てぃしゅじん』を早速どうぞ!!






名前  『てぃしゅじん』
種族   ボックス属
性格   ウェッティ
特徴   鼻水でてる
口癖  「濡れて力が出ないよぅ」


え?もっといいのあったやろって?
あなたも考えて、いいんですよ?


『ティッシュ字』沼を考える


まったく何もないところから生まれたティッシュ字は、気が付けば多くの人が楽しむ遊びになっている。

ゲームが生まれ、勝手にキャラクターだって作ることができる。

今後、実際にティッシュ字検定試験をやっても面白い。

動画でティッシュ字を書こうが、ティッシュ字のテーマソングを作ろうが、何をやったって自由なのだ。

世の中、様々な推しや沼があるが、こうやって自分で作り出したものが沼になる可能性があることを、今回初めて知った。

そう考えると、沼って本当に面白い。





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えむのマイトン@路地裏で遊ぼう
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