西院駅とカツと私
私は中学高校の6年間、通学に阪急電車を利用した。知る人ぞ知る濃い紫と茶色の間みたいな何とも言えないカラーの阪急電車。
阪急電車は風が強かろうが雨が降ろうがめったなことでは止まらない。
それこそ頻繁に止まったりダイヤが乱れる都会のJRとは根性が違う。(絶対精神論ではない)
私の記憶では阪急が止まったのは中学1年生の冬、例の阪神淡路大震災の日くらいだったのではないか。
あの日は京都の南西に位置する私の実家も食器棚が倒れる被害にはあったが、幸い大したことはなく 私はいつもの習慣で駅まで行ったのだ。
いつもと違って何故か止まって動かない阪急電車。
家に電話しようと緑の公衆電話に向かうも繋がらない。
中1の私はどうしたらいいのか分からずしばらく車中で途方に暮れていた。
すると、たまたま最寄駅が同じだった学校の保健の先生が見えて 一旦帰宅するよう指示をくれたのだ。
帰宅してテレビのニュースを見て愕然とした記憶がある。
当時は携帯もなく、簡便な連絡手段もない中で学校中の生徒の安否をどう確認したのだろう?
🟰🟰🟰
それはさておき、私が利用していたのは西院駅。ホームが地下にあり外から強烈な風が吹き込む。
ビル風や地下鉄の風って個人的にはすごく嫌いだ。
日々を気持ちよく過ごすのに相当マイナスに働いていると思っている。
世の中でいらないものベスト3。
蚊。ビル風。勧誘(断れないからやめてくれ)
雨の日に傘が折れるのが怖くて濡れるしかないのはビル風のせいだし、ズラのおじさんやスカートのお姉さんもビル風には相当悩まされているはずだ。
いっそのこと、たんぽぽの綿毛のようなシステムを開発して風に乗って目的地までひとっ飛びできたら楽しいのに。
なんのはなしです風?
ゴールを決めない日は必ずなんのはなしか分からなくなりますね。
🟰🟰🟰
そう、西院駅。話を戻そう。
確か高校1年の時だったと思う。
部活も終わって家に帰る道中。
私は西院駅のトイレにいた。
確か立って用を足すタイプの便器が5つくらい横に並んでいたと思う。
全部空いている時あなたはどこにピットインするだろうか?
私は迷わず端に行く。
一つでも隣は壁がいい。
それは近くに人の気配を感じるとおしっこできない繊細なところがあるからだ。
その日も私は1番右端の便器の前に立ち、ズボンのチャックを下ろした。
すると左に高校生らしき人影がやってくる。
私は自分のおちんちんに集中しているので 隣はよく見えない。
ところがすぐ後ろにも人の気配を感じる。
え、他にも空いてるのになんでおれの後ろに並ぶ?
と思っていると左の人影がこちらに近づいて来る。
私はおちんちん丸出しのままようやく目線を上げて周りを見回す。
気付けば高校生4人に囲まれていた。
とりあえずトイレ待ちではなさそうだ。
繊細な私の尿意は一瞬で消えてとりあえず出していたおちんちんをしまう。
4人の高校生はどう贔屓目に見てもガラがよろしくない。
私の人生とは交差してこなかった世界の方々。
するとその1人がニヤニヤしながら話しかけてくる。
「にいちゃん、金貸してや」
はいきた!人生初のカツアゲ。
やばいよやばいよ。
大きい声を出せば誰か気付くか。
ただ例の風の音と電車の音で駅の構内は相当うるさい。多少の声ではトイレの外まで届かないだろう。
何よりあれだ。初めてのこのシチュエーションに完全にビビって声を出せる状態ではない。
ほんとは全方向におしっこを放水してヤツらがひるんでいる隙に逃げれたらよかったのだ。
どうする?金を出すしかないのか?
2秒ほど固まっているとまた1人彼らのオトモダチがやってきた。
「にいちゃん、はよしてやーおれらこれからゲーセンいくねん」
一際声のデカいリーダー格の男。
観念してその男の顔を見た時、私はアッと驚いた。
「まさしくん!」
「なんやマイトンやんけ、久しぶり」
そこに現れたのは小学校の同級生 まさしだった。
🟰🟰🟰🟰
今日もカオラさんのこちらに参加してみました。
2日連続で書いてみたものの、それやったんかい!ってツッコミを使ったこと自体は意外とないかもしれません。
結構難しいですね。
一応トップ絵ではカツを揚げてみたので、そっちのカツアゲやったんかい!という構造にもしてみました。
あと初めてnoteでおちんちんって書きました。
今もドキドキしています。
これくらいだと記事消されないですよね??
最後まで読んでくださりありがとうございました!
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皆さんの1日が笑顔と安心で満たされますように。
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