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【CS準優勝】黒単デスザーク解説【オリジナル】

こんにちは、しゃいせと申します。
9月29日のTSUTAYA BOOKSTORE小杉町CSにて、黒単t青赤白デスザークを使用し準優勝という結果を残すことができました。超天篇以降、いわゆるデスザークが環境落ちした時期から数えて3度目の入賞となります。
X(旧Twitter)にてその旨と構築をポストしたところ、たくさんのいいねやリポスト、コメントなどをいただきました。本当にありがとうございます!

リリースからとうとう6年が経過し、もはやデュエプレでの実装まで見えてきた当デッキですが、愛用しているプレイヤーはまだまだ多いアーキタイプだと思います。この記事ではデスザークについて、構築理念や各カードの解説をしていきます。皆様の魔導具ライフの一助となれば幸いです。


※今回の記事では基礎的なデッキの動きや各カードの役割についての記述を省いています。初心者の方は過去記事に目を通してから読んでいただけるとうれしいです。




1.はじめに

以下は当日使用した構築と戦績になります。


誤解のないよう、まずはじめに断っておきたいことは、このデッキはインフレから完全に取り残され、現在のトップTierと渡り合う強さを持たないということです。
戦績を見る限り、ファイアーバードやアナカラーマルルに対して高い勝率を見せており、やもすれば「デッキパワーは低いが環境での通りが良い」立ち位置のデッキにも見えますが、上手いファイアーバードには逆立ちしても勝てません。マルル対面は4ターン目までにモモミーズ+ドルスザクorヴォゲンム要求です(ガイアッシュを握られていた場合それも通りません)。白状するとCS開始直前、黒単アビスのスリーブ交換を忘れていたことに気づきやむなくこちらを握りました。
デュエマフェスや非公認であればともかく、CSに持ち込みしかも勝利を狙うという行為が正当化されるとすれば、それはその使い手にかけられた一種の呪いという他ないと思います。
よって、ここから先の項目については、「競技シーンでの勝利を追究するにあたって、デスザークがよい選択肢とはなり得ない」ということと、これは「そんなデスザークにDM人生を破壊された同志の方へ向けた記事」であることを念頭に置いてご覧いただきたく思います。




2.構築理念について


お盆のCSで使用したリストはこんな感じ(3-3でした)
ヴォーミラの枠はモモミーズ2枚目のほうが良さそう



僕は現在の構築を考えるうえで対戦相手の認識やプレイを歪ませることを強く意識しました。
先述した通り、このデッキは正攻法でファイアーバードやCOMPLEXに打ち勝つことができません。初見殺しのギミックやプレイで勝ちを拐いにいく必要があります。現状においては卍夜+モモミーズ、ドゥンブレ+秩序の組み合わせが読まれにくく、またそれに付随したプレイング(後述します)をこちら側が熟知しておくことで、デッキパワーの差や有利不利をある程度克服できると考えています。




3.各カードの解説と採用理由




《堕魔 ドゥリンリ》 ×4

言わずと知れたデスザークの初動ですが、近年では継続的にリソースを補充するアタッカーという側面も強いです。
3ターン目にドゥリンリ1点→4ターン目卍夜からモモミーズを出し盾0まで詰めるというプレイが強力なため(COMPLEXやアナカラー系統、ファイアーバード対面でしばしば狙います)、最速でキャストできれば勝ち筋を増やしてくれるカードと言えます。



《堕魔 ドゥポイズ》 ×4

ラビリピト+ドルスザク、次ターンにドゥポイズという往年の動きを狙えるのは3〜4試合に1回くらいといった認識です。現環境においてはファイアーバードやドリームメイトなどの初動を焼き、相手の要求を上げる使い方がメインになります。
その用途だけを取り上げるならばドゥシーザのほうが強いのですが(こちらの盤面にクリーチャーが残るため)、パワーを問わず除去が出来たり5000VTのロック下でも使えたりと、カードとしての性能はこちらに軍配が上がります。
メタ読み、あるいは個々人の好みにより1枠減らしドゥシーザを4投でも問題ないと思います。



《堕魔 ドゥシーザ》 ×3

先ほど紹介したとおり、ファイアーバードやドリームメイト、ジョーカーズなどの初動を咎めつつ盤面が残る唯一の魔導具として採用しています。
ドゥポイズと違い腐る対面も少なくないため、個人的なバランス感覚で3投としています。



《堕魔 ドゥンブレ》 ×3

ドゥリンリの5枚目以降かつ、能動的に秩序を踏み倒せるカードとして採用しました。ただし手札消費が激しいため、基本的には後手でのみ行うものと考えています。
またこのデッキの上振れ要素として、早期のモモミーズ着地+ターン終了時4コスト魔導具キャストという宇宙ムーブがあるのですが、その要求値を下げてくれるカードでもあります。卍夜を初手に引き込んだ試合ではドゥリンリよりも優先する場合が多いです。



《堕魔 グリギャン》 ×4
《魅力医 ミョウオウ》 ×2


ほぼ全てのプレイヤーが最大枚数採用し、3ターン目の鉄板ムーブとされるこの枠ですが、僕はその認識が勝てる試合を落とす思考の罠だと考えています。
ここでひとつ、強く提起しておきたいことは、この2枚のカードをキャストする適切なタイミングは、「最速で無月の門を開く時」と「ヴォガイガを手札に抱えていてかつ墓地の内容が芳しくない時」であり、そうでないタイミングで他のカードをマナに埋めこのカードをキャストすることが敗着に繋がるかもしれないということです。
具体的な例を挙げると、「アグロするべき状況においてドゥリンリの2枚目を引いているにもかかわらずグリギャンをプレイする」や「ドゥリンリの出目が良くヴォガイガの出力が担保されている状況下に脳死でプレイしてしまう」といったミスです。僕は死ぬほどやりました。
このデッキは序盤のハンドキープが苦しいため、使いきりかつ手札が減るこれらのカードは、明確な目的もなくとりあえずでキャストしてはいけないということを心に留めていただきたいと思います。んなこた知ってるよって方はごめんなさい。

カード解説に話を戻すと、とはいえ最速でのドルスザク着地やダークネスが見えている状況でのリソース拡充など、この2枠でなければできない仕事は多いため計6投としています。
僕の構築においては魔導具でないマフィギャングが多くはなく(5枚)、かつパワーラインの差がメリットになりうる対面も少ないため、墓地肥やし枚数に分があるグリギャンを優先して採用しました。


《堕魔 ヴォガイガ》 ×4

卍夜や秩序を採用したことにより、プレイの幅と選択ミスの余地が更に広がりました。
4ターン目をこのカードのキャストのみで終えたり、リソースを放擲しドルスザクを着地させるとおそらくそのゲームは負けるので、リソース確保+ドルスザク着地の両方を狙います。
回収するカードは2枚目のヴォガイガかダークネス、どちらかをあらかじめキープしている場合は卍夜か秩序が最優先となります。また初動の引きが渋い試合などでは、4ターン目に2コス+2コスでお茶を濁しヴォガイガの着地を5ターン目にずらすなど、ゲームスピードに緩急をつけるケースもあります(このデッキ特有のメソッドというわけではありませんが)。



《堕∞魔 ヴォゲンム》 ×2

最強の魔導具ですが、今回の構築では他の採用カードとの親和性があまりなく2投としています。使用感としては青黒魔導具のそれに近く、出してターンが帰ってこれば概ね勝ちというパワーカードです。
黒単ならではの強い動きとして、ヴォゲンムの着地後は墓地リソースのみでゲームが組み立てられる場合が多いため、手札次第ですが序盤から積極的に動きヴォゲンム着地と同時に無月の門を開くことも可能です。


《追憶人形ラビリピト》 ×2

最近の僕の認識では「必要だと思う枚数より1枚多く入れなければならない」カードです。
4コスト支払って召喚する機会は少ないため、序盤に引いてしまったときは基本マナ埋め要因と考えてもらって差し支えないと思います。
しかしまれに命をかけたババ抜きを挑みに行くことがあります。



《秩序の意思》 ×2

今回の構築での初見殺し要素です。環境における通りの良さはもとより、手打ちが視野に入る除去札かつヴォガイガで使いまわせるため、かねてからデッキの構造単位でも相性がいいカードではあります。そしてドゥンブレと合わせることで必須枠になった印象があります。
数少ないCOMPLEXへの対抗策でもありますが、カレイコの黒像で無効化されてしまうため注意が必要です。


《絶望と反魂と滅殺の決断》 ×2

墓地からも唱えられるうえ、ハンデス効果を使用する機会がそれなりに多いため、アーテルではなくこちらを採用しています。先攻で初手に来てしまった場合、さっさとマナに埋めてしまったほうがうまく行くことが多いです。
システマチックなカードではないためそこまで枠を割きたくないというのが本音ですが、初心者の方は3投すると回しやすいと思います(ただし魔導具の枚数をこれ以上減らすのはおすすめしません)。



《卍 デ・スザーク 卍》 ×2

ファイアーバードやジョーカーズ対面において強烈に刺さりますが、突撃インタビュー+アリスルピア捨てで突破されてしまうため過信はできません。ブロッカー持ちを添えて要求を上げつつ、早急に追加のドルスザクを立てるか殴り勝つのが理想です。
ドゥシーザと合わせてジゴクバンカーや旅路を処理することがしばしばあります。




《ガル・ラガンザーク》

現環境では天門メタ兼デカいオニカマスといった使用感です。殿堂入りカードですが、卍夜を採用したことで刺さる対面へ当てに行くプレイが行えるようになりました。
このカードで時間を稼ぎラビリピトの全ハンデスを決める動きが天門対面の定石となりますし、バイクやライオネルなどTier2以下に「出たら勝ち」の対面が一定数存在しているため、多色で窮屈だという理由で安易にマナに埋めたりすることはないよう心がけたいです。




《卍月 ガ・リュザーク 卍 / 卍・獄・殺》 ×1

「すべて見えているぞ!」が多色で扱いにくく、かつファイアーバード対面に最後のワンチャンを作ることができるためこちらを採用しています。
5c蒼龍やアナカラー系統のデッキに対し確実にターンを稼げるカードですが、盤面で圧をかけたりハンデスを絡めることで、「対面のマナを必要以上に使わせる」プレイが肝要となります。




《「無月」の頂 $スザーク》



0マナのダークネスにデカいスタッツが付いてるといって差し支えないパワーカードですが、このデッキにおいては何よりも擬似SAのTブレイカーという点が唯一無二かつ強力です。
マルル対面では序盤に小型で刻み、相手ターン終了時にこのカードを宣言しジャスキルを通しに行くという太い勝ち筋が存在します。





《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ'22》 ×1

初見殺し枠かつ、デスザークにとっての無理対面(青黒COMPLEX、青黒魔導具、5c蒼龍やフィオナなど)への明確な勝ち筋として採用しました。SA持ちかつ面を並べられるため、ターンを跨ぎますが呪文をロックしつつ単独でリーサルを組むことが可能です。ヴォガイガやゼニスザーク、ガルラガンあたりを射出することでロングゲームの際にも器用に立ち回ってくれます。
環境によっては秩序を抜き、卍夜とこのカードを増量し前に寄せる構築のほうが勝ちやすいかもしれません。




《卍夜の降凰祭》 ×2

対面によって適切なドルスザクをキャストすることができますが、手札に抱えなければならないため、ドゥンブレを採用するなどして構築を寄せる必要があります。
3投するとヴォガイガでのサルベージがかなり安定するため、環境読みや個々人の裁量にて枚数配分を決めるのが適切だと思います。ただし4投はおすすめしません。
山回復に使うことがしばしばあります。



4.まとめ

ご覧いただきありがとうございました。取り急ぎ作成した記事のため、採用候補カードや各対面への立ち回り(こちらに関しては筆者にあまり知見がありません……)は後日追記できたらと思います。
正直書ききれないこともたくさんあったので、ご意見やご質問がありましたらこちらのコメント、XのDM(@axcellerater)にて聞いてもらえればがんばってお答えします。








5.おまけ

こちらは後日追加分かつ、ほとんど筆者の日記となります。デスザークを握って競技シーンを戦ううえで、構築やプレイとは少し外れた部分において注意が必要なことを残しておきます。個人の主観が多分に含まれているほか、少しダーティーな話題も含むため、閲覧される際は注意願います。


1.初版のガリュザーク、すごい硬い気がする

調整の際にカタナスリーブを用いてこのデッキを回していたのですが、トップで引いたり、あるいは盾に埋まった時に、イラストを見ずともガリュザークと認識できてしまったことがありました。箔押しの施された他のカードより一層硬いような気がします。
言い訳がましいようですが、僕のスリーブ構成は長らくおやつHM+GRATS無地+オーバーガードZという、おそらくスタンダードサイズ界最硬の組み合わせのため現状ケアできているものの、大会などではそもそも初版のガリュザークを避けて使用するのが望ましいかもしれません(積み込みなどのイカサマは論外ですが、あくまでプレイヤー自身が持つ対戦相手へのリスペクトという観点での話です。初版を使用するプレイヤーを貶めるとか、そういう意図は全くないことをご理解ください)。このカードに限らず、新章〜双極篇あたりのマスターレアはその傾向がある気がします。

でもガリュザークの秘3、めっちゃカッコいいですよね……



2.採用カードの絵柄について

黒単に限らず、魔導具を愛用するプレイヤーであれば周知の事実だと思いますが、絵柄を散らすことが大きな情報アドになりうるアーキタイプです。デッキ内の枚数管理や盾落ちカードの識別に有効で、かつ他のデッキに比べ対戦相手がそれを読みにくい(同一イラストの再録が多数ある)ため、絵柄をバラけさせるという行為はほぼやり得といって差し支えないです。

筆者は大会の限られた時間内においてそれが情報過多と感じたこと(要するに練度不足です……)、何より絵柄によって勝ち負けの分水嶺に立つことなど数百試合に一回程度であり、であれば整然としたリストで戦いたいというエゴにより絵柄を統一していますが、それでも流石にダークネスだけは分けておいたほうが良いと考えています。2投であれば20thのAとBで分けるのが視認性の観点からおすすめです。


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