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〈Brush-UP〉支援者のためのメンタルケア

みなさん、こんにちは。
「メンタルケア」ときくと、どのような方を対象にしているとイメージされますか?
多くの方は「心が疲れやすい方」「精神的に辛い方」などのイメージを持たれているかもしれません。
しかし、メンタルケアは自分を守るために、支援者にも大切にしていただきたいものです。

今回のnoteでは、2024年1月22日に「支援者のためのメンタルケア」のテーマで開催しました、License says Brush-UPセミナーをチラ見せしたいと思います。
講師を務めていただいたのは大阪府済生会中津病院精神神経科の江村和世先生です。

1.支援者の心を守るには

「支援する側も傷つく」ということを知ることが最初のステップです。

江村先生が提示した七つの例のうち、病棟で働いていた頃の私には心当たりがあるものばかりでした…。

  1. 患者さんのことを考えて眠れない

  2. 私がやらなくてはと頑なに思う

  3. 自分は役に立っていないと感じる

  4. 他者から疎遠であると感じる

  5. 些細なことで怒りを爆発させたり、イライラしてしまう

  6. 仕事仲間が信頼できない

  7. 助産師という仕事が好きではなくなった

みなさんはいかがでしょうか?

1)実はバーンアウトは3つある?

先程ご紹介した例は「バーンアウト」という状態です。
みなさんの中には、「あれ?知っているバーンアウトと違うぞ」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実は、バーンアウトには3つの種類があるそうです。

①情緒的消耗感
仕事によって、感情的に消耗させられていると感じること
②脱人格化
職業上期待されるサポーティブな感情が消失し、無関心やとげとげしい態度になること
③個人的達成感の減少
やってもやってもできていないように感じること

大なり小なり、新人助産師・新人看護師は「個人的達成感の減少」の感情を持つ方が多いのではないでしょうか?

もしかすると、”病棟にひとりはいる”ようなタイプの先輩も、「脱人格化」に苛まれていたのかもしれませんね。

2)共感疲労について知ろう

傷ついた人たちの話を共感的に聞くことによって生じる二次的外傷性ストレスのことです。

トラウマ体験などに共感的に寄り添うことは支援する人に強い影響をもたらします。

医療者はそうでない方に比べて、共感力を持って会話することが多いと思います。
そのため、自分と他人との境界線が曖昧だと、相手の感情に左右されてしまうこともあります。

みなさんの中には、患者さんの思いを聞いていたら、自分まで辛くなってしまったり、疲れてしまったりした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そういうときは、しっかりと共感できていることを認識しつつ、心理的に距離が近づきすぎていると自覚することで、適切な距離感を保てるようになっていきますので心配しないでください。

3)トラウマ

トラウマという言葉はよく聞かれますが、ご存じの通り「心の傷」や「心的外傷」などの意味があります。

生きていると、心に傷を負うというのは避けられないのですが、傷を深くしてしまうと「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」になってしまいます。

小中学生のいじめや親子関係が妊娠出産の経験の中でフラッシュバックが起きることもあるとのことです。
対人関係障害がこじれた状態で、妊婦として医療者と関わることも出てきます。
感情制御困難な方の対応に困ることもあると思いますが、精神症状なので、アセスメントしていくことが大切とのこと。

相手が感情を爆発させたときに、「私の説明が悪かったのかも」と自分を必要以上にせめるのではなく、相手の状況をアセスメントできる知識をもっていれば、自分を守ることにも繋がります。

ここで、江村先生はとても重要な内容についてお話しされました。

支援者は心的外傷後成長(Posttraumatic Growth)を促進するのが、治療の根幹です。
人間は年老いても成長していく存在。
パーソナリティ全体の成長・成熟によって、心的外傷を生じるほどの体験から人は回復を遂げることができます。

その人の人生においてほんの一時の関わりに過ぎないとしても、トラウマに心を寄せる支援者であれば、相手は安心で安全な感覚をちゃんと受け取ることができます。「こんな短い期間しか関わっていないから、あまりお役には立てなかったかもしれない」と思うかもしれませんが
、メンタルヘルスに関しては種を蒔いてから芽が出るまでにとても時間がかかるものなので、支援者が知らないところで必ず芽が出ていると信じて関わっていくことが大切とのことでした。

では、どのように関わるのがよいのでしょうか?

2.トラウマの知識を身に付けて、ケアするとは

トラウマを持つ方への関わり方のことを「トラウマインフォームドケア」といいます。

トラウマに対する知識と対応方法を習得し、支援している対象者にはトラウマがあるのではないかという認識を持ちながら支援すると、自分を守ることにもなります。

「TICは治療や介入ではなく、原則に基づいて支援をめぐる文化を変えるプロセス」とも言われているそうです。

トラウマインフォームドケアの4Rについても学びました。

そのほかにも、小児期逆境体験について健康や寿命に及ぼす影響も踏まえて学びました。
小児期逆境体験の要因は虐待以外にも、意外と身近なものもあり、驚きの連続でした。

また、対象者の主体性の獲得に繋がるM.マーラーの「3つの誕生」、トラウマインフォームドなアプローチの原則についても学びました。
トラウマとセンシティブなことへの関わりになるからこそ、アプローチする際には原則を守ることが、自分を守ることにも繋がります。

3.メンタルケアはボディケアから

みなさん、寝ていますか?

江村先生の言葉にドキリとした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
睡眠と休憩、食事、遊びについて、支援者側のメンタルケアに大切なポイントについて、振り返ることが出来たのではないかと思います。

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いかがだったでしょうか?
心の傷を抱えている方へのケアだけではなく、支援者としての自分がどのように心を守りながら従事するかについて、振り返ることが出来たと思います。

自分で勉強するにしても、専門外のことは適切な情報収集に困ってしまうものです。
江村先生の講義はHAVEに参加していただくと受講できます。
支援者としてどのようなケアがよいか悩まれている方、職場環境に困っている方は是非License saysに参加してみてください。
考えもしなかった解決策が見出せるかもしれません。

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License saysでの学びは、あなたの助産師キャリアの幅を広げる大切なものになるはずです。
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