生理貧困を救う │ Ladybird
”貧困”と聞くと何を想像しますか?生活貧困、子どもの貧困などを思い浮かべるでしょう。
”生理貧困”を聞いたことはありますか?男性の皆さんは特に聞いたことないかもしれません。
今回は生理貧困に対して活動を行っているLadybirdから女性メンバーの當眞さん、外間さん。男性メンバーの山本さん、池原さんにお話をお聞きしました。
生理貧困が何なのか。また、女性だから、男性だからこそのお話も頂きました。是非、最後までご覧ください。
↓LadybirdさんのInstagram
【経歴】
Ladybird(レディーバード)
今年活動を開始。沖縄キリスト教学院大学4年生5人活動を行っている。
クラウドファンディングを行い、生理用品の無料配布を目的としている
生理貧困を救う
ーーLadybirdの皆さん。本日はありがとうございます!早速ですが活動について詳しくお聞きしても良いですか?
池原さん:「沖縄の生理貧困を救おう」というテーマで活動しています。具体的な活動は、主に生理貧困の⽅に無償で⽣理⽤品を配ることで、そのために現在クラウドファンディングを⾏っています。
他にもオープンキャンパスに来た高校生に出前授業を行ったりしていますね。
ーーなるほど。ちなみにどういう状況を生理貧困と呼んでいるのですか?
池原さん:経済的に生理用品を買うことができない方と生理に対して理解がない世の中、この2つを私たちは生理貧困と呼んでいます。
ーーありがとうございます。様々な”貧困”がある中で”生理貧困”に着目した理由ってあるんですか?
當眞さん:NPO・NGOの講義がきっかけですね。「社会問題を解決するために何かアクションを起こそう」という内容だったんですけど、その中で生理貧困が私たち女性にとって一番身近な問題なので活動を始めました。
ーーちなみにいつから始めたんですか?
當眞さん:授業自体が今年の前期だったので、4月ごろから活動を始めました。授業自体は前期で終わってしまうけど、続行していこうと思っています。
ーー男性のメンバーの方にお話をお聞きしたいのですが、なぜ、この活動に賛同しようと思ったのか。きっかけはありますか?
山本さん:高校生までは男女比率が同じくらいだったんですけど、大学に来て女性の割合がかなり多いので、女性と会話する機会が増えたことがきっかけですね。
会話の中で生理の話になったことがあったんですよ。女性は生理用品を買うにもお金が掛かるし、ホルモンバランスが乱れてイライラしてしまう人、情緒が不安定になる人が身近にいたんですよね。
女性だけではなく男性の理解も必要だと思いました。女性に対して優しく接することだったり、生理用品を買うにもお金が掛かることだったり色々考えていかないといけないと感じたので参加しました。
池原さん:私は正直、生理貧困の事を全く知らなかったんですよね。メンバーに「一緒に活動しない?」と誘われたことをきっかけに、生理貧困について考えるようになりました。
男性が理解していないから、起きている問題だと思うんですよね。分からないなりに、チャレンジしていくことで自分自身も成長できるし、分からない人からの目線で語れることって大事だと思ったので参加ししましたね。
ーーそうなんですね。池原さんは元々関心がなかった中で、活動を通してどのような変化がありましたか?
池原さん:そうですね。生理貧困は経済的生理用品が買えないことが問題視されているんですけど、精神的にも負担が掛かっているんだなと思いましたね。
日常生活をしていく中で、洋服を汚さないように気にするとか、座る位置とか、アルバイト先で生理であることを中々言えなかったり、不安要素が連鎖していくので、買えないことにフォーカスしていてもダメだなと知りましたね。
それが1番活動をしていく中でビックリしたことです。
ーーLadybirdの活動の情報を受け取る人にどう考えてほしいですか?
外間さん:アンケートで「男性に対して言いづらい」とか「父子家庭で話すことができない」「実際に買う時に店員さんが男性で買いにくい」とかあったんですよ。
私自身はあまり気にしない人なんですけど、このような悩みがなることを知って、ジェンダーの垣根に関係なく、自由に話せる環境ができれば良いなと思っています。
ーーそんな悩みもあるんですね・・・
當眞さん:私たちは、生理に対する一般的な知識不足や教育が不十分であることが問題だと考えているんですよね。中高生同士は思春期なので、話しにくいところもあると思うんですけど、生理の話をもっとオープンに話していけるようになればと思います。
知らないからこそ理解する
ーー先ほど高校生に対する授業も行っているとありましたが、反応はどうでしたか?
山本さん:実際に生理用品に触れてもらったり、どれだけ水を吸うことができるのか実験のような感じで授業をしたんですけど、高校生は恥ずかしいような反応でしたね。
「僕が説明する方が恥ずかしいことだから」と言うと壁も徐々に無くなっていったのかなと思います。
當眞さん:生理の話をするってなると、シーンとした雰囲気になるんですよね。でも感想には、「生理貧困について知らなかった」「知ることができて良かった」とかプラスの意見をたくさんもらうことができました。
ーー女性のお二人にお聞きしたいんですけど、生理の話を性別関係なく話せるようにしたいと思うようになったきっかけはありますか?
當眞さん:私は生理用品を買う時に店員さんが男性の方だから買いづらいと思うようなことはありませんでした。
でも、1回すごい生理痛がきつくて辛いことがあって、アルバイト先の店長に言いづらくて。こんなこともみんなが生理について理解があれば、言いやすかったり、環境も変わっていくのかなと思ったりしました。
外間さん:自分は相手が男性だからということはあまり気にしたことが無いんですよね。父親にも生理で体調が悪いことを言えたりしていたので困ることは無かったです。
でも、実際に生理貧困の問題に取り組んでいくと、言いづらいという問題があることを知ったんですよ。男性に言うことができない、誰からもサポートしてもらえない状況を想像したときにすごく辛いなと思ったので、無くなって欲しいと思いましたね。
ーー確かに、知らないからこそ男性の理解が必要ですよね。
ーー生理用品を買うと中身が見えないようなレジ袋をもらうことに対して、「生理が恥ずかしいこと」みたいな印象があると思います。
當眞さん:黒とか銀色のサニタリー袋が当たり前になっているので、心のどこかで”隠さないといけないこと”みたいな感覚が自然とあると思います。
そんなところも変化していければ良いと思いますね。
池原さん:生理は毎月来るものだけど、話しづらいじゃないですか。生理が来るたびに何かしらの問題があるのに、解決できていないことは女性がすごい生きづらい世の中だと思います。
男性が理解することで、女性の生きやすい世の中になるのかなと思います。だからこそ、性別関係なく話せるようにしたいという感じですね。
ーー活動をしていく中で周囲の反応はどうでしたか?
外間さん:そうですね。この活動をしていること親に言うと、「しっかり、大きな活動しているんだね」「頑張っているね」みたいなことを言われました。
當眞さん:仲の良い友達からは、「学生がこんな活動しているのはすごいと思う、頑張ってね」と応援してもらったりしました。
でも、中には「なんで、このグループに男性がいるの?」と聞かれることもありましたね。
山本さん:高校生向けに授業を行う前に、池原さんとコントをしたんですよ。でも、それが全然ウケなくて。
そのコントをインスタグラムに投稿しているんですけど、それを見た友人から「お前何してるの?」「なんでいるの?」みたいなことは言われましたね。笑
僕はこうして生理貧困について関わることができたけど、関わってきてない友達からは、理解が少ない感じはしました。
でも、自分自身が逆の立場だったらそう思うかもしれないなと思いました。
ーー生理貧困が無くならない理由って何だと思いますか?
池原さん:女性にしかないので、男性の当事者意識が無いからだと思いますね。災害が起きた時も支援物資のリストの中に入っていなかったりすることもあるらしいんですよ。それから、女性の政治家が少ないことも問題だと思います。女性政治家が多かったら、意見が出て改善されるかもしれないですね。
トップの段階でその案が出ないから、解決されないところはあると思います。
理解する第一歩に
ーーありがとうございます。女性の方にお聞きしたいのですが、男性の方にどのように理解してほしいですか?
當眞さん:生理の体調は人それぞれだと思うので、「これを絶対にして!」とは言えないですね。
行動しなくても、生理の事を知ってもらうことだけでもありがたいと思います。
外間さん:生理の事を全く知らない人とか、一瞬で終わるとか思っている人が中にはいると思います。だから、月に1回1週間来る事だけでも本当に基礎的な事でも知ってもらうことだけでも嬉しいです。
あとは生理は楽な事じゃないということですね。みんなが軽いわけではなくて、きつくて全く動けない人や救急車で運ばれたりする人もいたりするんですよ。”生理だからって休むな”みたいなことにはならないで欲しいなと思います。
ーーなるほど、勉強になります。男性の方にお聞きしたいのですが、男性だからこそ伝えられることってありますか?
池原さん:難しいですね。自分が経験してないことを寄り添って考えることができれば、もっと生きやすいのかなと感じます。
あと、無知が女性を苦しめているのかなと思うので、「一緒に理解していきましょう」って伝えたいですね。
山本さん:女性だけの問題ではないってことは最低限に知ってほしいです。理解が少ないってことは学校で習ってきていないからだと思うんですよ。実際に振り返ってみても生理について学ぶ機会は無かったので。
小さい頃からしっかり生理に対する知識を学ぶ場を与えることが大事になってくると思います。
ーーLadybirdの皆さん4年次と言うことですが、この活動は引き継ぐ予定ですか?
池原さん:引き継ぎたいんですけど、メンバーがいないですね・・・
當眞さん:募集中です!笑
ーーそうなんですね。笑 引き継いでくれる方がいると嬉しいですね。
ーー団体を通して今後どのようになっていきたいか、目標はありますか?
山本さん:この活動を通して、女性に生理があって、お金が掛かったり、精神的に参ってしまったりすることがあるのでその大変さを伝えることができればなと想っています。
外間さん:生理の事を隠している人や戸惑っている人に、生理って声を大にして言っても良いんだよってことを発信していきたいですね。
池原さん:団体としては生理貧困の事を多くの人に認識してもらうことが1番良いのかなと思います。考えるきっかけの第一歩にしてほしいです。
當眞さん:自分たちの活動がもっと広まってもらえれば、「生理の話ってタブーな感じがあったけど、オープンに話して良いんだ!」みたいな感じで伝わってくれると嬉しいですね。男女関係なくオープンに話せることができれば良いと思います。
ーー少しでも理解ができるように僕も勉強します!Ladybirdの皆さん本日はありがとうございました!
↓Ladybirdのクラウドファンディングはコチラから
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございます。
生理貧困という言葉を初めて聞いた私にとっては新しいことの発見ばかりで勉強になりました。
男性が生理の辛さ、生理用品にいくら掛かるのか。あるいは妊娠、出産の痛みを体感することはできません。だからといって”女性の問題”で片付けてしまうことはやってはいけないことだと思います。
この記事を読んで、改めて「生理について考えてみよう」「女性に優しく接しよう」と考えてくれる方が増えると嬉しいです。
偉そうなことを言っていますが、僕も知らないことばかりです。一緒に学んで少しでも優しくなれるよう頑張りましょう。
with OKINAWAは、沖縄の為に活動されている方や沖縄で活躍されている方へのインタビューを通して、沖縄の学生たちがもっと沖縄を好きになってもらえるように活動しています。
ライター:かずき
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