カブトムシ≫ゴキブリ
■カブトムシもゴキブリも苦手
先日、知り合いから
「子供の飼うカブトムシが苦手で仕方ない。」
と相談を受けた。
まもなく小学生になる知り合いの子供が、ついに昆虫に目覚めたという成長のエピソードと共に母親であるその知り合いがカブトムシ自体を子供と一緒に世話できないという切実な悩みだった。
僕は彼女にこう答えた。
「僕も苦手だよ。」
と。
僕は、カブトムシもゴキブリも気持ち悪いと感じてしまう。本当に生理的に無理だ。
ちなみに今回の記事の表紙画像も本物のカブトムシの写真は避けた。見ただけで拒絶反応が出てしまう。
ただ、不思議で仕方ないが、我々の生活においてはカブトムシに関して、昆虫類の中でもかなり高いグレードに位置している。実際、自分も幼少時代にカブトムシやクワガタを飼育したが、あの時はそれらを採集することに没頭していたものだ。なんか、宝探しをしているかのような気分になる。カブトムシやクワガタをゲットすると周りの友人たちに自慢出来るのし、本当に楽しくて仕方なかった。
■昆虫に対する我々の対応の違い
以下にいくつか昆虫やその他身近に潜む生物とそれに対する一般的な対応を挙げてみよう。
・ゴキブリ→殺虫剤か新聞を丸めて退治、殺す
・カマキリ→子供が欲しがれば飼う、そうじゃなければ逃がす
・ヘビ→咬まれたら危険なので逃げる
・カエル→可愛がる。その後逃がす
・カブトムシ→男の子がいるなら飼う
・ヘラクレスオオカブト→子供に飼いたいと言われても、売りに行く
とまあこんな対応が一般的ではなかろうか?
同じ昆虫でもゴキブリとヘラクレスオオカブトにはあまりにも対応が違いすぎるわけだ。レア度からすればはるかにヘラクレスオオカブトに軍配が上がるわけで、ゴキブリには申し訳ないがこういう運命を辿ってもらうしかないのだ。ただ、昆虫目線からしたらあまりに理不尽な対応に思える。別にゴキブリは、我々に有害な生き物ではないにも関わらず。
■知らないうちにビジネスに巻き込まれる
カブトムシ≫ゴキブリ
の考えが我々は幼少期に植え付けられてしまっている。
ムシキングみたいな「アニメ」やイオンなどのスーパーやホームセンターでの「カブトムシ特集」など、はっきり言って
ビジネス
だ。
子供のうちに
カブトムシ=価値あるもの
という考えを植え付け、その子が大人になって子供がいたらまた買わせるというビジネスだ。
価値の無さそうなものを価値のあるものと見なすことは様々な場面で見受けられる。有名な某メーカーの車は、その「L」のマークのために100万以上他のメーカーの車より高くなる。飛行機のビジネスクラスだって、エコノミークラスよりも少し寝心地の良いシートに美味しい食事、幅広いドリンクメニューとさほど価値を感じにくいが、エコノミークラスの倍近い値段設定がされている。
価値のあるものを所有し他人に対して「優位」に立ちたい気持ちにさせるビジネスに過ぎない。だから、実際はなぜか分からないけどお金を払ってしまうのだ。
■命の重さに差があることを先生や大人が無意識に教えている
カブトムシに関しては、カブトムシビジネスで生活されている方には申し訳ないが、子供がわざわざカブトムシを飼う必要って無いし、なによりカブトムシ自体がかわいそうだ。
しかも、子供時代に昆虫という題材で
命の重さに差があることを教育される。
ゴキブリは殺せ、カブトムシは大事にしろっていう意味のわからないルールが存在することを知ってしまう。
「命を大切に!」
とか
「『死ね!』とか言ってはいけません。」
って子供たちに教育する学校の先生という立場にいながら、学校の教室や廊下で
必死でゴキブリを殺しにいく
のだから、冷静にみたら狂気の沙汰だ笑。
僕はちなみに子供のころに自分が飼育したいが為にたくさんの昆虫や金魚の命をぞんざいに扱ってしまったので、今はまず蚊を含めて昆虫が家に入って来たら
逃がす
という選択肢を優先する。
ただ、夜中に蚊に起こされた時は、
「申し訳ない!蚊さん!」
と思いながら、殺虫剤をかけたり、叩いたりしている。
僕は、自分の子供がまだいないけど、将来もしもこういう状況に遭遇したら、
なんとしてでも飼育しない方向にもっていけないか先の心配をしている。