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新谷のり子 - フランシーヌの場合 - 1960

新谷のり子さんです。淡谷のり子さんじゃないですよww
淡谷さんだと大御所になってしまいます…って言っても、
最近の人は淡谷さんのこと、知らないだろーなあっっ
コロッケの物まねくらいか。それも解らんか。

「別れのブルース」1937

話がそれた。

さて、淡谷さんでなくて新谷さん。
「あらや」ではなく「しんたに」さんと読みます。

っていうかー 本当は「あらや」さんだけど、
上記の大御所さんと名前の読みが似ているということで、
芸名として「しんたに」さんとした…というイキサツが。

幼少期は童謡歌手として、
NHKの児童合唱団に在籍されてたとのこと。

んでもって、
銀座のクラブで歌う傍ら、なんと学生運動に身を投じ、
三里塚闘争に加わるなどの活動などされていたようです。

私は千葉出身なので、子供の頃には三里塚闘争は慣れ親しんでいたことというか、わりと身近な日常風景でした。
抗議活動をしている人たちを駅前でよく見かけたし、成田の方に行くとバリケードに籠って見張りをしている、サングラスにヘルメットにマスク姿の胡散臭い過激派たちには良く遭遇したし…電車にも彼らはよく乗っていたし…リアルで管制塔占拠事件も中継見てますし。

成田空港管制塔占拠事件 1978


そんな経緯で、当然反戦歌(プロテストソング)を歌うようになったということでして。

そして、この「フランシーヌの場合」なんですけど…

当時30歳のフランス人女性・フランシーヌ・ルコントが、
1969年3月30日にパリで起こした、政治的抗議のための焼身自殺…を題材に作られた曲だったりします。

1969年3月30日の日曜日、パリの路上でフランシーヌ・ルコント(当時30歳の女性)が、ビアフラの飢餓に抗議して焼身自殺した。

【闇の歴史】ナイジェリアで起きた飢餓地獄!
「ビアフラ戦争」

【ゆっくり解説】独立宣言の悲劇・・ビアフラ戦争の真実

東大の学生・樺美智子さんが安保闘争で亡くなられた日で、安保の日たる1960年6月15日に発売されて大ヒット。

60年安保闘争 - 1960

映画『きみが死んだあとで』予告編 2021

全共闘 東大安田講堂事件 - 1969

平成生まれ以降にはとくに解んないよね。学生運動のあの爛れた空気感。東大の安田講堂も新宿駅も学生たちの手によって燃えたのよ。知人実家が東大の目の前なので、幼稚園がその日、急遽お休みになったとのこと。私もリアルでテレビ中継見てました。後に東大に仕事で行った時、修復された現場を見た時、なんか感動しました。「これ、燃えてるの、テレビで見たー」って。


さてさて、動画が見つからないので聞いたことないのですが…(と思ってたら、誰かがアップしてくれてたー)

「さよならの総括」1969

この「さよならの総括」という歌をその後に出されたものの。。。

何しろ「総括」という言葉についてしまった、
ヒジョーによろしくないイメージがあるので、
(内ゲバとかあさま山荘事件とか総括事件など)
この曲はまったく売れなかったとのこと

そんな感じで…
他のベトナムに対する反戦運動とか、他の愛と平和運動から生まれた、プロテストソングの流れとは、まったく違った政治的抗議運動の流れであったのもあり、いつの間にか表舞台からは消えてしまわれました。

かといって、歌を止められたということはなく、クラブ歌手に戻られたり、ご自分なりの活動をされているようです。

「フランシーヌの場合」1960

てなわけで、
プロテスト・ソングの中でもちょっと異色な反戦歌。
政治的抗議の歌の中でも異彩を放つ作品であります。

加藤登紀子さんも、当初はそのような傾向がありましたけども。っていうか~旦那さんがそっち方面だったってだけか。

トワ・エ・モア カバー

日本では、反戦テーマを織り込むくらいならいいけど、
政治的思想を表明したり、歌や音楽活動に取り入れるのが、
タブーとされてるとこありますよね。
そういうのを嫌う傾向にあるっていうのかな…

宗教に対しても、厳しいというか、そうなんだけど。

難しいですね。

新谷さんが歌手として、自分が作りたい歌、歌いたい歌を、
なかなか世の中に受け入れてもらえず、表舞台で創作活動をすることが困難であったっていうか…歌う機会を得られなかった現実が、そのことを物語っているような気がします。

ベイルート1982年〜七まがり恋唄〜鳩よ舞いあがれ

「明日も逢おうよ」1972

「サルビアの花」1976

「愛の旅人」1973

「別れのサンバ」1969

「戦争は終わったけれど」1973


F2blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2021/01/27 掲載記事より転載


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