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ベビーカー恐怖症の克服

3ヶ月の娘を持つ新米ママとして、日々さまざまな戦いがあるけれど……その一つがベビーカー。

出産するまで、駅や街で目にするベビーカーはただの景色だった。一つひとつ目に留めることもなく、ただそこを走っているものとして特に意識することもなくて。

それが、当事者になると途端に見え方が変わるのだから驚きだ。ベビーカーを見ると、それを押す人までセットで注目し、仲間を見つけた安心感と、憧れの人を見つけた喜びが混ざってついまじまじと見てしまう。

ベビーカーを何食わぬ顔で押すお母さん・お父さんたちがこんなに眩しく、かっこよかったなんて……


私の恥ずかしい戦いの様子については、過去2回ほどお届けしてきた。

なぜベビーカーには初心者マークがないのか?と絶望しかけた1回目はこちら

あまりのたどたどしさに、夫にはじめてのおつかいのBGMを歌われ、ナレーションのモノマネまでされた2回目はこちら


「私はベビーカー恐怖症です」という人は世の中にいないのか?と仲間を探したくなるほど、すっかり恐れが定着してしまった私。それでも、「こなれた感じで押すお母さん」を目指して、あれからさらに2回ほど戦いに挑んだ。今度は夫の手助けなしで、一人で。

おかげで克服への道のりが見えてきたので、自分なりのポイントを書き残しておきたい。


結論から言うと、克服するためには数をこなして慣れるしかない。これはもう、紛れもない事実だと思う。

数をこなせば道の選び方も、エレベーターの見つけ方も、押し方のコツも、荷物の積み方も、なんとなくわかってくる。

では数をこなすにはどうすればいいのか。そう、出かけるしかない。これまた当たり前の話。

それなのに、そもそも娘とのおでかけに慣れていない私。ついつい億劫になり、「今日は寒いし、急いで買わなきゃいけないものもないし、まあいっかー!」と、ひきこもってしまう。

こんなんじゃベビーカーどころか抱っこ紐さえ使わなくなるよ?と自分を奮い立たせ、どうしても出かけなければならない用事をつくることにした。


1.人に会う用事をつくる

まずは区の赤ちゃん会で出会った同世代の方とお茶する約束をとりつけ、出かけることに。

区のイベントで友達をつくることなんてできるの?と半信半疑な気持ちだったが、これが奇跡的にできた……というか奇跡的に声をかけてもらえたのだからありがたい話で。(詳細は以下に)

彼女が行きつけだという、隣駅の古民家カフェでお茶することになった。

ちょうど、彼女の家が我が家とカフェの間ということで、私が20分ほどベビーカーで歩いたところで彼女もまた、ベビーカーで合流した。

彼女が合流した瞬間、それまで一人で感じていた孤独感が一気に消え去ったことに驚いた。

ベビーカーが2台並ぶと場所をとってしまうが、広めの道を選んだり縦に並んだりすれば問題ないし、楽しく話しながら散歩ができるので心に余裕ができる。

これは大きな発見だった。

もちろん、目的地に直接集合でもいいけれど、一緒にベビーカーを押して道中を楽しむというのは母親ならではの新たな体験だ。ママ友たちが仲良さげに並んでおしゃべりしている姿を街で見かけて、なんとなく憧れていたけれど。その当事者になれた気がして、ベビーカーへの恐怖はすっかり消え去っていた。

目的地のカフェがこれまたアットホームなおしゃれ絵本カフェで、完全予約制ということもありほぼ貸切状態。赤ちゃんものびのびごろごろさせてもらえて、最高に贅沢な時間を過ごさせてもらった。

しっかり道中を楽しむこと。あたたかく受け入れてくれそうな目的地を探すこと。この2点はポイントと言えるはず。


2.おみやげが持ち帰れる用事をつくる

また別の日には、数駅隣のショッピングモール内の撮影スタジオが主催している「足形ワークショップ」に参加することにした。

親のアシストで子どもが足形をとる様子をプロカメラマンが撮影してくれて、足形&写真データを持ち帰れるというものだ。

わざわざ電車に乗って、数駅先まで行くなんてベビーカー恐怖症の私にはハードルが高い話。

でも、有料とはいえ足形&写真データという楽しみすぎるものが持ち帰れるなんて……おでかけのモチベーションが上がるし、達成感も得られるはず。

少しためらいつつも、えいやー!とインスタのDMで予約をして、当日を迎えた。

娘とのスタジオ撮影は初体験だったため緊張したが、お店の方に誘導されるがままに娘の足をスタンプ台に乗せてから紙に押しつけ、たまに笑顔をカメラに向けて、あっという間に終了。

終わってみれば自分たちとは思えないような、とんでもないクオリティの写真たちが出来上がっていた。

1枚選べば500円。全8カット買うなら3000円。遊園地や観光地でよくある商法で、これまで幾度となく断ってきたが……まんまと買った。全8カット、買った。

それほど、ベビーカーでここまでたどり着いた喜びと達成感でいっぱいだったのだ。これがベビーカーハイというものか(多分違う)

さらに大事なのは、イベント参加が終わってからすぐにオムツ交換&授乳ができるスペースがあるかどうか。「家に帰るまでが遠足」というように、「娘の機嫌を損ねないように帰宅するまで」が、イベントだ。電車でギャン泣きされたら困ってしまう。

今回はファミリー向けのショッピングモール、かつファミリー向けスタジオがあるフロアだったのですぐにトイレに駆け込みオムツを替え、授乳室にこもることができた。

ハードルの高さを乗り越えるほど楽しみになる、おみやげ付きの用事がつくれるか?オムツ&おっぱいの環境は整っているか?これもベビーカー旅のポイントと言えるだろう。


細かいテクニック的な話をすれば、ベビーカー恐怖症の克服方法はもっともっとあるはずだけれど……数をこなすこと。数をこなすための楽しみな予定をつくること。今の私にはとにかくこれだ、という結論に辿り着いた。

36歳にして、一から何かを学び、成長を感じられることなんてそうそうない。恐怖症を克服しかけている自分が嬉しくて仕方ないし、もっともっと場慣れしてやる!と燃えてもいる。

いつか、何年も先の自分が振り返ったときに「あんな時代もあったよね〜」と、笑えることを願いつつ。克服できるその日まで、次なるお出かけの予定をわくわくと立てたいと思う。

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