ふぉ〜ゆ〜史上最高の舞台 SHOW BOY
以前から何度か紹介させてもらってるジャニーズの「ふぉ〜ゆ〜」という4人グループ。
CDデビューしていない。
全員30代で、ジャニーズJr.でもない。
でもそれぞれが休みなく、次々と舞台で主演を務める実力派アイドルで、売れなかった時代を経てすっかり多忙な売れっ子になりました。
そんな彼らが東宝さんからも多大なるバックアップを受け、4人揃って上演中なのが……
2年ぶりの再演となったSHOW BOY!
舞台は巨大な豪華客船「SHOW BOAT」。
最大の見せものは、キャバレー・キットカットクラブで開幕するショータイム!
ショータイムが始まる1時間前。
支配人(中川翔子)やその弟の裏方(福田悠太)、カジノにやってくるギャンブラー(越岡裕貴)、拳銃取引をする中国人マフィア(松崎祐介)、師匠マジシャンの元で修行する見習い(辰巳雄大)などなど個性あふれるキャラクターたちがあちこちでドタバタ!
バラバラだったそれぞれの物語が少しずつ絡み合っていき、最後にはすばらしいショーが開幕する最高のエンタテインメント作品。
「SHOWBOYはふぉ〜ゆ〜史上最高の舞台だった」
2年前のわたしはそう綴ってました。再演お願いします!とも。まさかその夢が叶うとは…言ってみるものですね。
当時、史上最高だった舞台はやっぱり今回も史上最高で…観劇された方にも、されてない方にも、ふぉ〜ゆ〜を知ってる方にも、知らない方にも、どうしてもこの素晴らしさを伝えたくて自分なりにあらためての感想を、綴らせていただきます…!(以降ネタバレ注意)
◻️パフェのような何階層もの魅力
今回いちばん感じたのは、「魅力が何層にも何層にも重なってる」ということ。その深さに驚きました。
SHOWBOY をパフェに例えると、華やかなパフォーマンスやおしゃれな演出、コミカルな笑いは上のいちごやアイス。それだけで十分おいしく満足できる。
でも下に進むほど、人生の切なさや哀愁が出てきて、さらにはふぉ〜ゆ〜 自身の人生が見えてくる。
全部味わい尽くしたときには、涙がこぼれてる。
演出を務められたウォーリー木下さんも
「それぞれ異なるタイプの影がある」とおっしゃっていて。「その影が俳優としての彼らの深みに随分と貢献していると思う。カレー料理にわざといれる珈琲やチョコレートのような役割。」とも。
その影が、自分が感じた深さだったんだなあと気づいて、ウォーリーさんがおっしゃることをちゃんと感じ取れていたことに嬉しくなりました。
◻️今のふぉ〜ゆ〜が演じるからこその魅力
2年前に比べ、4人からより一層の自信と覚悟を感じた気がしました。
言い方に語弊があるかもしれないですが…
初演が25×4人で100点だとしたら、あまりにも一人ひとりがバージョンアップしすぎていて100×4人で400点、なんなら400点以上の感動があったなあと。
パンフレットでウォーリーさんが「うまくいってない男たちの話を、もううまくいってる人たちがやることになっちゃったなってかんじ」とはおっしゃってましたが…
ふぉ〜ゆ〜も自信と覚悟を本格的に持ち始めたタイミングで、過渡期というか。だからこそのなんとも言えない今だけの輝きを放ってるのかなあと…
辰巳さんの「いつまでも自虐ばっかりしてないで(笑)演劇界でちゃんとやっていく覚悟をそろそろ持ったほうがいいのかなと最近思う」という言葉に表れてますよね。
◻️全員主役
最近は気をつけるようにしてますし、大人になるにつれて観劇の仕方も変わってきたけれど…ジャニーズファンの観劇スタイルって、ついついお目当ての人に双眼鏡をロックオンして全体を見失いがち。でもこの作品はもう目が足りないし、福田くんファンのわたしだって他全員気にせずにはいられませんでした。
好きな人を見たい欲より、俯瞰して全体を見たい。「作品を楽しみたい欲」が勝つ。これってジャニーズファンにとっては実は、すごいことだなと。
カンパニーの雰囲気の良さが伝わってくるし
全員表情がほんとうにイキイキしてて…
最後終わったあとに、それぞれの関係がどんな結末を迎えたのか?がそれとなくわかるような演出もたまりませんでした。一つひとつ、どの関係性も魅力的で。
◻️あまりにも良すぎる曲たち
えっと…サントラ出しませんか?
(初演のときも言ってた)
あまりにも曲が良すぎます。
Welcome to the SHOW BOATとWelcome to the SHOWBOYというオープニング&エンディングのナンバーはその華やかさに圧倒され、わたしいま最高のエンタテインメントを見せられてる〜〜〜!!!!って感じすぎて気付けば涙止まらず。笑 あれはなんの涙だったのか、いまだに自分でも説明ができないです。多幸感?感慨深さ?理屈抜きの感動?そのすべて?
忘れられない時間でした。
そして今回特に曲の良さと歌詞の良さとハーモニーの美しさにうっとり…だったのは
「ペーパームーン」と
「ノーバディーズパーフェクト」の2曲。
ペーパームーンではギャンブラーと少女(桐島十和子)がハモリつつ、ギャンブラーはピアノを弾くのですが…ときめきすぎて軽率に恋しました。
ノーバディーズパーフェクトではマフィアがディーヴァとして女装し、支配人とハモるのですがこれもまた素敵で…女性とハモると、ふぉ〜ゆ〜の歌がいつも以上に上手に聴こえるんですよね…ふしぎ…(すみません)
話それますが、マフィアが支配人にやさしくしていたり、裏方がお姉ちゃんを毎回こまやかにエスコートしていたり、男性から女性へのさりげない気遣いが微笑ましかったです。
男性・女性という言葉を使いつつも、初演時はあまり意識してませんでしたが
マフィアがディーヴァに変装したり、見習いが裏方に恋したり、LGBTQ要素も今の時代にあっててよいなあと…
いろんな価値観があっていいよね、って押し付けがましくないかんじでさらっと伝えてるのがいいですよね。
ちなみに、いちばん泣かされた歌詞は初演に引き続きこちら…
「ねぇ誰が言ったんだ
始めるには遅すぎるって
30代のアイドル
このまま消えて行くって
人生はもう変わらないって」
見習いが「もう34。今年35なんだよ!」(だからこのままじゃまずいんだよ)って言う台詞があるのですが。
ちょっとだけ、ふぉ〜ゆ〜自身のことを思い出させられるし同年代(ちょっと下だけど)としてはとても考えさせられる台詞で。20代最後も焦ってたけど、30代前半って独特の焦りがあるんですよね。35までに何か成し遂げなきゃ、軸をつくらなきゃ、みたいな。(同世代のみなさんどうでしょう…?)そんなすぐに変われないし、成し遂げられないんだけど、福田くんがパンフでも言ってるとおり
「ちょっとだけ成功した一瞬に光をあてるようなお話」だから勇気をもらえるというか。
小さな成功に、ちゃんと喜びを感じることの大切さを教えてくれて…
ふぉ〜ゆ〜にそれをやられるともう、あまりにもこちらに伝わりすぎます。
◻️ウォーリー木下さんの演出
ウォーリーさん演出の舞台はなぜすべておしゃれなのでしょうか?センスの塊とはこのことか、と…
シーン転換の人物紹介映像がおしゃれすぎて好きすぎて、本人たちそっちのけで見入ってしまうほど。
音楽も映像も…フォントひとつとっても本当にたまらなく好きです。
あとはなんといっても、時系列の見せ方!
違和感なく、見てるこちらも時間を行ったり来たりできる秀逸さ。
繰り返しをあまりにも自然に演じるキャストの演技力の高さもあいまって…すばらしかったです。
あと、華やかなショービジネスの世界から
ふっと哀愁ただよう現実へ…という緩急がたまらないんですよね。
影があるから表が際立つんだよなあと、気付かされます。
カーテンコールでグータッチする4人が泣けるなあとか、
裏方の生着替えやソロダンスたまらないなあとか、
4人のアカペラのときのたたずまいがたまらなく好きだなあとか、
ギャンブラーのおもしろさがパワーアップしすぎてるなあとか、
見習いのマジックがシンプルにすごいなあとか、裏方への愛がたまらなく愛しいなあとか、
ディーヴァなマフィアやっぱりさいこう!とか、
しょこたんの日替わりアドリブのクオリティえげつないですよね!?
とかとか…ほんとに魅力を語りだしたらキリないです。
観劇の機会がもしあればぜひ騙されたと思って一度観てみていただきたいです本当に…
観劇された方々はみなさん口を揃えて「全人類見て」とおっしゃってますが、本当にそのとおりです。人生にとって必ずプラスになると自信を持って言える作品。
7/27までシアタークリエで東京公演、
7/30〜8/1は大阪、8/7は名古屋とまだまだ公演は続きます!ミルシカナイネ!!!