結んで切れて絡まり繋がる | CONSOLIDATE
The most I can do for my friend is simply to be his friend.
友人のために私がしてあげられる一番のこと、
それは、ただ友人でいてあげること。
(Henry David Thoreau)
こんばんは。wisteriaです。
続編です。
よろしければ、最後まで、読んで下さい。
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私が学生課に相談しに行った、2年前の中秋から、数週間後。
私とAちゃんとCくん、そして、2人の先輩、1人教員と国際学会へ参加するため、ヨーロッパのある国に降り立っていた。
作り話ではないか、と私自身思うくらいの偶然なのだが、
同期の中でも、私たち3人が、その国際学会へ参加することになっていた。
これは、1番初めの記事 (CROSS) よりも前に決まっていたことであった。本当は、そこから始まっていたのかもしれない。
以前の話 (CHAFE) は、国際会議へ参加するための準備の最中に起こったことだった。
だから、私は、Aちゃんの喘息の症状が、気になって仕方なかったが、出発当日、彼女の元気そうな姿を見て、一安心したのを覚えている。
国際学会が開催される国への道のりにも、色々なハプニングがあった。
途中で乗り継ぎ(トランジット)があったのだが、その時間が非常に短かったのだ。
そんな急いでいる時に限って起こることだが、
手荷物検査で、ポスターケース(長い円筒)がX線検査され、時間ロス。
そして、審査で、前に並んでいた中国系の方が、審査で引っかかって、こちらが時間ロス。
さらに、乗り継ぎのゲートが遠かった。
そのため、乗り継ぎの空港の端から端まで、日本人6人で爆走した。
あの時は、本気で、死ぬかと思った。(ただの運動不足)
そして、なんとかトランジットに成功して、目的地に着いた時には、夕方。
そこから、タクシーに揺られて、宿泊先のホテルまで向かう。
移動中、全員が沈黙するレベルで疲れていた。
私もAちゃんもCくんも、初海外だったので、
すごく疲れて、その日は、すぐに寝た。
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翌日から約3日間。学会へ参加した。
英語に大苦戦しつつ、なんとか全員が発表を終えた。
学会何日目か忘れたが、とりあえず、全員発表が終わってから、
私とAちゃんとCくんは、(本当はダメだが)先輩と教員には内緒で、
学会会場から抜け出し、街でショッピングを楽しんでいた。
あの時は、雨が降る中だったけど、なんだか、楽しかった。
言葉が上手く伝わらない地で、
何かするのにも色々苦労したにもかかわらず、
日本での出来事を忘れて、ほんのひと時でも忘れて、
ああだ、こうだ、3人で助け合って、たくさん笑って。
ただ買い物してただけだが、美しい時間だった。
この時間がずっと続けば、と思う程に。
導かれたような偶然ではあるが、
この2人とここに来れてよかった。
心からそう思った。
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翌日、6人全員で観光に行った。
その時間も私にとっては、すごく楽しかったが、
色々あったので、やっぱり、3人だけの時の方が、心地よかった。
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滞在最終日、日本へ帰る日。
滞在した街の美しさ、外国の雰囲気、
そして、ここで過ごした時間を胸に丁寧にしまって、帰路についた。
帰路では、トランジット時間は、お土産を買える程、十分にあった。
私は、中島美嘉の「雪の華」をずっとリピート再生しながら、
到着までの時間を、思い出に浸りながら、
どこか悲しい気持ちで、帰路の飛行機内を過ごした。
無事に帰国した時、日本は、太陽が輝く朝だった。
この数か月後、コロナ禍が来ると知らずに、
全員が帰路につき、それぞれの日常に戻った。
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不器用な結び目がついた、
複雑に絡まり、
擦り切れ始めた3本の糸が、
導かれるように、自然と、お互いを補い、結びつきを強固にした。