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【中学生向け】wisteriaのすすめる英語学習ルート2024

先日、高校生向けの英語学習ルート2024を紹介し、私のnoteとしてはスキやビュー数も多くいただきました!ありがとうございます。また合わせて英検1級マガジンもご購入いただいたりして、大変励みになっています。今後のnote継続に向けての書籍購入など有効に使わせていただきます。

この投稿では、そのさらに前段階の中学生向けの英語学習ルートについて質問を受けたので、私なりの考えを紹介したいと思います。

想定する主な対象者としては私が普段教えることの多い中学1年生から本格的に英語をはじめる生徒です。現在小学生英語があるといっても、多くの場合お楽しみ英語の延長線上で中途半端なものとなってしまっていることは周知の通り。むしろその暢気なノリのまま中学英語に突入し、現在の常軌を逸するカオスな中1英語に打ちのめされ英語嫌いを量産してしまっている現実があります。以下のYouTube動画などはその有様をつぶさに伝えてくれるものです。

こういった一般的な学生が主な対象者なので、帰国子女であったり「おうち英語」「キッズ英会話」ですでに高いレベルにある方は基本的に想定していません。

ただし、これは私が身近に相談を受けるケースなのですが、中1の段階(13歳)で英検4級-準2級くらいをとってはいるものの、その後驚くほど伸び悩むことも少なくないのです。何度受験しても2級が受からない。またはなんとか2級には通ったけど準1級には学生の間に受かる気がしない。その子たちの英検取得の内実を見ると、相対的に得意のリスニングで大きく得点を稼ぎ、他はリーディングを複数回受験による運ゲー+ライティングのテンプレ暗記でぎりぎり乗り切ってしまっているだけで、実質的な内容は極めて雑にしか理解できていなかったりします。こういった学生の場合、中学英語スタート地点のわずかばかりのアドバンテージに慢心し(最初の数回の定期試験くらいならそれなりにできたりするので)、知らぬ間に堅実に成長する中学スタート組に追いつかれ追い越されてしまうのです。冷静に考えて、若いといっても13才は言語習得のいわゆる「臨界期」(一般に12才までとされる仮説)は過ぎています。母語獲得的なアプローチはすでに有効ではなくなっているのです。その時点で形だけの英検3級をもっているくらいでは、吹けば飛ぶような優位にすぎず、下手すればそのプライドがかえって足枷にすらなりかねません。

このようなケース、またはそうなりかねない不安があるのであれば、私の提案も参考になる部分があるかもしれません。

前置きが長くなってしまいましたが、それだけ現在の日本の小-中学生英語は難しい状況にあるのです。これは現場で平均的な中学英語の現状を見たことのある方ならご賛同いただけるのではないでしょうか?

以上のような問題意識をもって、それでははじめましょう!

まず、先に述べた通り、現在の中1英語のスタートは昔を知るものからすると信じられないほど要求が高く、多いです。なにしろLesson1-2くらいで、語彙も多いし、文法もbe動詞、一般動詞、助動詞canが一斉に出てくるのですから!be動詞と一般動詞の区別は従来なら中1が夏休みに乗り越える最初のハードルなのに、はじめて受ける中間テストの範囲に入ってくるくらいで、これでは公式が混乱を推奨しているようなものです。しかも中学校では明示的な文法指導はほとんどされていないにも関わらず(しかしテストには出る!)。

この困難に立ち向かうには、とにかくスタートが肝心。ここで乗り遅れると学校の英語の授業がただただ苦痛な時間になってしまいます。そうなってしまった後に塾に駆け込んできて苦労を共にする経験を山ほどしてきましたから。

したがって、遅くとも中学受験が終わり学校の授業が本格的に始まる前の2-4月中文法の先取りをしておくことが肝要だと思います。具体的にはbe動詞、一般動詞、助動詞canの肯定文・否定文・疑問文、名詞・代名詞の複数形、そしてできれば3単元のsくらいまで。ここで乗り遅れて、高校生になってもずっとあやふやな生徒をどれほど見てきたか。

では、どのようにしてそれを身につけるか。

私のおすすめはしっかり演習量も豊富な以下のような文法問題集を活用することです。

この新中問発展シリーズは基本的には学習塾向けの教材なのですが、今はAmazonなどで家庭学習用にも購入できるようですね。最新の改訂の入った教材なので当然音声QRコードもついていますし、現在の学校指導要領に沿った文法項目とその並びになっています。

ただ問題なのは、この手の教材は演習量こそ豊富でも、解説が非常に簡素なんですね。もちろんこれで理解できるなら良いのですが、自力で難しい場合には、文法で根幹となる「品詞・働き・活用」がよく分かっている指導者に教えてもらうことを推奨します。

これは塾講師のポジショントークのように聞こえてしまうかもしれませんが、この段階で日本国内にあって英語学習に課金するとしたら、効果があるのかないのか分からない週に一度の朧なおしゃべり英会話などよりこちらの方がずっとコストパフォーマンスが高いのではないでしょうか?この「品詞・働き・活用」を中心とした文法は、一度理解してしまえば忘れることのない、しかもずっと使える掛け値なし一生物の知識なのですから。

そしてさらに言うと、有為の中学生ならば、この「品詞・働き・活用」のことが一番詳しく正確に書いてある『基本文法から学ぶ 英語リーディング教本』(黄リー教)に挑戦してみても良いでしょう。

ぱっと見では難しいそうな記号が目に入り、敷居が高いと感じるかもしれませんが、頭から順に1ページ1ページ虚心に読みこんでいけば、前提となる知識を一切必要としないので、むしろこれほどわかりやすい本はないと思えるでしょう。

さて、この勘所、中1スタートを先取りした形で進められたら、上の文法理解+演習と学校教科書を並行して進めていくのも随分と楽になると思います。そうなれば少なくともかなりの「英語嫌い」を未然に防げるはず。学校についていけるようになれば、実は現在の中学教科書英語の質はかなり高いことに気づけるし、結局相当の労力を費やすことになる予習-授業-復習-定期試験-テスト直しのサイクルが全て意味のある時間になります。

冒頭では現在の中学英語の問題点を強調しましたが、こと音声面に関して言うと、一昔前とは比較にならないくらい充実しています。学校の宿題にも出るでしょうが、QRコードやアプリを使ってお手軽にネイティブ音源に触れられるので、私のような昭和後期-平成初期の教育を受けたものからすると至れり尽くせりで本当に羨ましい限りです。。

また、これも多くの学校で副教材として採用されているNHKラジオ「基礎英語」レベル1-2のテキスト+音声も最高の教材です。ただ、せっかく素晴らしいものでも、多くの生徒たち聴いてないんですよねー、これが(笑)。しまいには鈴木福(彼が演者に入ってた時期があるんです)が気に入らないから聴かないとか言い出す者も出る始末。。ただこれも最初の「英語嫌い」を予防できていたら違う世界線も開けると思います。ちゃんと聴けばこれほど面白くて身になる教材もそうないですから。

また「単語」、ボキャビルについては大学入試向けのルートで述べたように、この時期に特別な単語帳を使う必要はないというのが私の考えです。教科書、新中学問題集発展、ラジオ基礎英語に出てくる語句を文脈付きの自然な形でその都度身につけていけば十分です。

そして、これも大学入試向けのルートで強調したことですが、言語の本質は音声なので、文法が軌道にのったらいち早く音声重視の学習にしていくのが大切です。

なので、ここもやる気と基礎力のついた学生に限りますが、中学3年くらいから『英語のハノン』シリーズの習慣化をスタートできたら最高で、最強です。著者の中村佐知子先生、横山雅彦先生の御二方によると『はじめての英語のハノン』という中学生向けのものを準備されているとのことで、その刊行が待ち遠しいですね。

以上、中学生向けの私wisteriaの英語学習ルート2024でした。

まとめると(できれば指導者の力も借りつつ)先取り学習によって出鼻を挫かれないように滑りだし、「基本文法-教科書英語-ラジオ基礎英語」を中心にじっくり堅固な地力向上を図る。順調にいくようなら中学生段階から黄リー教ハノンをスタートできると最高、といったルートになります。

英検については、個人的にはこの段階で細かく刻んで各級を受けていく意味をあまり感じないのですが、高校進学に有用なら3級以上から取得を目指すのもありかもしれません。このルートの通り進んでいるなら、準2級くらいまでは過去問を解くくらいで特別な対策なしでも受かるはず。

この先の大学入試向けのルート2024は以下のnoteを、

またその先の英検1級レベルを目指される方はこちらのマガジンをご覧いただけたら嬉しいです。

TO THE HAPPY FEW!

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