実はいろいろtake care of〜! ━『パルプ・フィクション』と『大学入試 飛躍のフレーズ IDIOMATIC 300』より
今話題の新刊学習参考書『大学入試 飛躍のフレーズ IDIOMATIC 300』を読み進めているのですが、
その中の072の課題文でtake care of Xが取り上げられていました。昔の話で恐縮ですが、私が田舎の公立中学校ではじめて「熟語」(「イディオム」といっていたかも)なるものを知ったのがこのtake care of 〜「〜を世話する」でした。今でもそうなのかな?
ただ、その日本語訳に固執していると、もっと広く使われているこのフレーズのニュアンスをつかみそこねてしまう。実際、本書では次のような文脈の課題文で紹介されていました。
これを「世話をする」では伝わらない。そこで以下のような解説がなされています。
ここで私が想起したのが、このtake care of Xの複数のニュアンスが印象的に使われている映画『パルプ・フィクション』(1994)。つい先日までNetflixでも配信されていましたね。
以下は、Vincent(ジョン・トラボルタ)とJules(サミュエル・L・ジャクソン)が、取引で不正を働いた若者たちの部屋にカチコミをかける直前に与太話をしているいかにもタランティーノ的な場面から。
take care of Xの「面倒をみる」と「始末する」のニュアンスのすれ違いが対話の中に織り込まれていて、Julesの銃の仕草なんかもあり印象に残ります。
また本作では、ボクシングの試合で約束の八百長をすっぽかし逃亡したButch(ブルース・ウィリス)の処遇を巡ってMarsellusとPaulの間でかわされる会話の最後にもtake care of Xが出てきます。
こちらもタランティーノ作品らしいスラング満載のMarsellusの節回しが最高ですが、それを受けてPaulの"I will take care of it."は「世話」どころかずいぶんと物騒な文脈に収まってますね。
またPaulの台詞には、take care of Xを「ビジネスをする」といった意味で使っているシーンもあります。
ここではtakin'と分詞構文の形で文末についています。
『パルプ・フィクション』(1994)はタランティーノ監督の代表作の一つで映画として最高に面白いだけでなく、英語表現としても学びの宝庫。スクリーンプレイ出版の脚本は現在は古本でしか手に入らないようですが(?)、メルカリを覗いてみてもけっこう良いお値段がついていますね。当時の定価は1200円でしたから。。
また、『IDIOMATIC 300』の方も頁をめくるたびに気付きと学びのある凄い本ですが、こちらについては、後日、全部読み終えた上で改めてブックレビューとしてnote投稿したいと思っています!
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