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【国立大】wisteriaのすすめる英語学習ルート2024【英検準一級】

地方在住、英検1級の塾講師wisteriaのおすすめする英語学習ルート2024を紹介します!「ルート」というのは武田塾さんのそれを拝借させて頂いているわけですが(笑)、道筋はかなり違うものとなっていると思うので、参考になる部分がありましたなら幸いです。

想定する主な対象者としては、私が普段教えることの多い、地方公立進学校の高校生で国立大学、特に医学部を志望するような学生です。「4技能」(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)に対応しているので英検準1級の取得も狙えると思います。基礎的な英語力をつける根幹となる部分は、その他の志望校、社会人の学び直しにも共通するところが多いはず。もし私が現代の地方高校生に転生したら、この英語道を歩みたい!そんなルートになっています。

それではさっそくはじめましょう。
Let's hit the road!

まず高校1年生ですべきこと、それは「論表」の授業で配られる『総合英語』とその付属の教材を真剣に取り組むことです!例えば、私が教えている生徒の高校だと『Ultimate』『Factbook』『Bird's-eye』『Skyward』などを採用しているのですが、授業ではそれに対応する薄い演習用冊子を使っていることが多いと思います。これらはどれも複数の英語識者が制作に関わって出来ているとても質の高いものです。しかも最近の教材はQRコードを使った音声読み上げ・動画解説なども充実しています。これを活用しない手はない。

その際に目標にしてほしいこと。
各文法テーマ・単元に対する基本例文がどの本にもあると思います。最近学校ではあまり文法解説をしないと聞くので、そこは自分で、該当事項の説明をよく読み込みましょう。その上で、基本例文については「英語→日本語」、そして国立大学志望であれば「日本語→英語」までできるようにしておくこと。多くの進学校ではその見出し文から定期試験の問題も出ると思うので、テスト対策にもなります。

とにかく強調したいのは、学校の授業や教材をなるべく活かしていく姿勢です。冷静に考えてもみてください。ほぼ毎日1時間以上ある高校の英語の授業を無駄にするのもったいなくないですか?週に何時間、年に何時間?もちろん、どうしてもこの先生とは相性が合わない、といったことはあると思うので、そんなときは話半分に授業は聞き流しつつ、対応する単元の総合英語の解説でも読んでおきましょう。とっても詳しくかつ分かりやすいです。学校が教えてくれない英語と巷で言われているもののほとんどは、実際には総合英語にはるかにわかりやすく書いてあることなのです!

またどうしても総合英語の解説が理解しづらい場合は、『大岩いちばんはじめの英文法【超基礎編】』のような解説の薄いものよりむしろ、薬袋善郎先生の『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』(黄リー教)に取り組むことを強くおすすめします。

このルートに行く場合は一旦総合英語を停止する覚悟でこちらに一定期間没頭する時間を作る必要があります。文法用語の混同を防ぐためです。そしてここで「品詞・働き・活用」の重要性と意味を得心すれば、その後、総合英語や問題集の文法解説がどのような意図で組み立てられているかを理解しやすくなるでしょう。

そしてそういった文法の理解が進むのと並行してぜひやってみてほしいのが『英語のハノン』シリーズの習慣化です!これが私の提唱するルートの根幹と言っても過言ではありません。

この教材の目的は、音声レベルでの文法の体得です。ハノンは、単元別に文法を頭で理解し、なんなら書けるレベルになったものを口頭で自在に使いこなせるようにするトレーニングです。言語の本質は音声です。音声レベルで文法をじっくり身体に染み込ませる。やってみるとわかりますが、知っているはずのことが口から出てこず、出てきても舌がまわらず驚くことと思います。

この根幹トレーニングを1日15分-30分くらいで1ドリルずつ進めていきます。最初はテキストを見て理解しながら練習し、次にテキストを閉じ音声だけで指示通り出来るまで繰り返す。そして身についたら次のドリルへ。こういうゆったりしたペースで良いので毎日の習慣としていきましょう。1ドリルが数日にまたがることもままあると思います。それで全然良いので、'slow and steady'「ゆっくり着実に」を心がけましょう。復習も入れつつ高校3年かけて上級まで進められていたら英語は最強の得意科目となっているはず。個人的にはハノンのフレーズ編、イギリス英語版も大好きなのですが、それは大学に入ってからでも良いかもしれません。

もっとも音楽のハノンがそうであるように、決して楽な道というわけではありませんが(それにしても「ハノン」というのは秀逸なネーミングだと思う。。)

したがってこれをやるなら受験までに時間的余裕のある高校1年生からを強くお勧めします。決して◯時間で速習できるようなものではないので、習慣化しないと効果は不十分となってしまい、受験期に始めても焦るばかりだと思いますから。

ハノンをやれば英検スピーキングに特別な対策がいらなくなります。直前に過去問+模擬練習をすれば対応できます。

そしてリスニングに関しても、同書の冒頭にある「英音法」にはじまり毎日質の高い音声教材に触れ自分で発音もできるまでやりこむわけだから、当然抜群の効果が期待できます。言える言葉は聞き取れます。ハノン中級まで進めれたら、共通テストのリスニングぐらいならスロー過ぎて逆に聴きづらいわ!というレベルになり楽勝です。

こうしたハノンの習慣化ができてさえいれば、以後はお好みの学習法で吸収し力に変えていけると思いますが、このnoteでは、私からのおすすめルートをさらに紹介していくことにします。

まずはいわゆる「英文解釈」として、先日レビューした『英文解釈のテオリア 英文法で迫る英文読解入門』を推したいと思います。詳しくは以下のnoteをご覧ください。

ただ「英文解釈」については、学校から『英語の構文150』などを渡されることも多いと思います。そちらもやれば力のつく良いものなのでそれでも問題ありません。

さて、ここまで「単語」、ボキャビルについては言及してきませんでしたが、これについて私は「英語上達完全マップ」の森沢洋介先生に近い考えをもっています。すなわちこのぐらいの学習段階までは特別な単語帳は必要なく、「総合英語(黄リー教)-ハノン-テオリア」+学校の授業で出てくる語彙をその都度体得していけば良いと。この根幹トレーニングで身につけた単語の理解度・定着度・瞬発力は単語帳で暗記した朧な知識とはまるで質が違うものなのです。

とはいえ、おそらく学校では『システム英単語』『ターゲット』等が配られて小テストなんかもあると思うから、それはそれで活用していくと良いでしょう。早慶-英検準一級など特別にボキャビルが必要な場合は以下のnoteを参考にしてみてください。

また、いわゆる「英文法」については、本当に必要なものはここまでの根幹トレーニングで身についています。国立大学志望の場合、ネクステ系の4択文法問題は特に要らないと私は考えています。逆に言えば、いくら4択問題を解いても「総合英語(黄リー教)-ハノン-テオリア」が提供する根幹となる文法力は身につかないのです。これは個人の見解ですが、ネクステ流の穴ぼこだらけのクイズ的英文をたくさん読むのはあまりに言語の自然に反しているのではないか?ただ難関私大ではこの手の問題がいまだに出題されるのもまた事実なので、そちらを志望される方には必要な演習となるでしょう。

ただその場合でも、4択をクイズかパズルゲームのように解くのではなく、完成された英文を意味も意識しながら音読するなどの工夫が必要と思います。

では、ここからは大学入試の花形となる「長文読解」になりますが、これもここまでの「総合英語(黄リー教)-ハノン-テオリア」を中心とした根幹トレーニングができていたら、何を使っても良いと思います。難しくても辞書を引けばほぼ理解できるレベルに到達しているので。「コミュ英」の学校教科書や夏休み課題に採用されている『Element』『SKYWARD』対応の長文演習冊子など内容も非常におもしろいし英文も洗練されており、これを授業時間と合わせて活用できれば下手な市販教材よりそれこそ「コスパ・タイパ」が良いでしょう。予習-授業-復習-定期試験対策-テスト直しという少なくない労力を投下する学校時間を上手く活かしていく意識を持つこと。そうすれば内申点もあがるし推薦の道もひらける可能性が高まります。学校を敵ではなく、味方にすること。

ただどうしても高校の授業が合わないと感じている人がいることも重々承知しているので、おすすめの自学しやすい親切設計の長文参考書もいくつかあげておきましょう。

一つは関正生先生の『The Rules』シリーズになります。内容も最新のトピックを反映した面白いものだし、解説も詳しいです。

国立大・医学部志望であれば1-3が適性レベルかと思います。

もう一つ私のお気に入り長文問題集をあげるなら、山添玉基先生の『ぐんぐん読める英語長文』シリーズです。

どこか金ピカ先生の系譜を想起する風貌の先生ですが(笑)、内容はいたって正統的な長文問題と解説なので、根幹トレーニングさえ済んでいれば、やればやるほど力がつくこと請け合いです。長文読解力はとにもかくにも結局は理解できるものの多読が決め手になります。

さて、特に国立大学・医学部+英検準一級を志望するのであればライティング、中でも自由英作文対策はしておきたい。

こちら竹岡広信先生の『基礎英作文問題精講』の良いところは前半の短文レベルからスタートして、日本語→英語の際の注意すべきポイントを学べること。ハノンはコンセプト上、日本語を介さず英語のみで練習しているので、大学入試で和文英訳の出る大学にはこのトレーニングは必須。

そして後半の自由英作文まで同書で進められたら、次に以前私のレビューした『Spark』をおすすめします!

レビュー後、実際に複数の生徒から使用感を得ていますが、国立大学志望+英検準1級対策には最適のものと思います。特に長文を読み解く背景知識のない学生が少なくない昨今。その弱点を長文+自由英作演習をしながら強化してくれる類書のない本ですので、対象者には全力でおすすめできます!

ここから先は、共通テストの過去問・対策本、各志望大学の赤本、英検準1級過去問に取り組み、苦手なところがあれば強化していきましょう。特に共通テスト:リーディングは時間内に情報を処理する英語力とは別の要素も少なからずあるので、模試などで得点が安定するまでは解き方を意識した演習が必要と思います。個人的にはモリテツ先生・斉藤健一先生の『1ヶ月で攻略 大学入学共通テストリーディング』が良いと思いますが、最新年度版がまだ出ていないので、それが発売されたら以下にAmazonリンクを追加します。(2024/09/04/追記)

少し長くなりましたが、以上となります。

「総合英語(黄リー教)-ハノン-テオリア」の根幹トレーニングに学校授業の有効活用、後は進路に合わせてお好みのものをどうぞというのがまとめとなります。読んでいただいた方の英語学習に資するところがあったならば幸いです。

また大学入学後、英検準1級取得後にさらなる高みの英検1級を目指される方は、以下の私のマガジンも合わせてご参照いただけると嬉しいです。


TO THE HAPPY FEW!

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