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その「伝え方」は「伝わって」る?

人に何かを伝える時に、ほとんどの方が言葉を用いて伝えます。
話したり、書いたり、表現手段はその時々で違うと思いますが、「伝える」と聞くとやっぱり言葉を1番に思い浮かべます。


じゃあちょっと逆の立場になってみて想像してみて下さい。
相手が何かを伝えようとしている時、あなたは相手の「言葉」だけでキャッチしていますか?



例えば嬉しい時に嬉しさを表現する時に、言葉でどのように伝えるか考えるでしょうか?
自分が怒っていることを伝えるときに言葉でどのように伝えるかを考えますか?

どっちかというと態度とか表情とかリアクションで表現しませんか?
あるいは声のトーンや大きさで表しませんか?



はい、そうです。
「伝える」というのは、言葉だけじゃなくて態度、表情、リアクション、声のトーン、大きさ、テンション全てが「伝える」ための手段です。


ただし、「意識していようがしていまいが」です。



支援をする時に、当たり前だけど僕らは利用者さんを支援する際に度々コミュニケーションを図ります。
日常の会話をする時、報告を受ける時、傾聴する時、相談を受ける時、指導をする時、関係性を築く時、注意などをする時…など。


その時々で僕らは言葉を選びます。「どう伝えたら良いか」って。
でも、日常の会話の時の表情やテンション、声のトーンにまで気を払っているでしょうか?
注意をする時の表情やリアクション、声の大きさにまで意識や意図をこらしているでしょうか?


支援者として僕らが理解しておかないといけないのは、僕らが意図していないものが利用者さんに「伝わって」しまっていないか、ということです。


精神的にしんどさを抱えている利用者さんは、話している文脈よりも「単語」に反応し、その時の僕らの雰囲気をキャッチし、声のトーンや表情で本音を推し測ろうとします。
発達面に生きづらさを抱えている利用者さんは、人によってはむしろ表情や声のトーン、語気では何も伝わらず、言葉しかキャッチしない方もいます。逆に視覚に残るもの、表情や態度の方で伝わって言葉は全く入らない人もいます。
知的能力に生きづらさがある方は、そもそも言葉で伝える情報は相当に噛み砕かないて、単文節で伝えないとそもそも理解が伴わない上に、顔色を見ていたり、態度でキャッチしているもののほうが大きかったりして、むしろ非言語の方が圧倒的に伝わる情報量が大きかったりするんです。



何が言いたいかというと、僕ら支援者は本当に伝えないといけないことを伝えるために「伝え方」をきちんと相手にアジャストできているか、ってことです。
自分の伝え方の工夫を「言葉」しかこらしていなくって、それ以外の非言語の部分は変えていないことで、伝えるつもりのないことが伝わって、伝えたいことは伝わっていない、ということが正直少なくないんじゃないかな、と思います。


支援者って、僕は「コミュニケーションのプロフェッショナル」だと思っています。
いろんな個性を持たれた方に自分の「伝え方」を上手くフィットさせながら関係性を築き上げるプロでありたいと思います。


「自分は伝えたつもりなんだけど伝わっていない」という事がもしあったとしたら、それは僕らの伝え方を今一度見直すのが先なんだと思います。
そうやって身体の隅々まで「伝える手段」になっていることが意識できるようになることが、支援者としてのスキルコード(ドレスコードみたいな意味)なんじゃないかと思います。


伝え方、一度見直してみて下さい。
言葉選びばかり考えていないか
自分の感情をそのまま表情や態度に出していないか
自分の感情をそのまま声のトーンや大きさに反映させていないか
自分のリアクションや目の動きまで利用者さんには「伝わる手段」になっていることを意識できているかどうか。


僕らが認識している以上に、いろんなものが利用者さんに「伝わって」いないか
逆に伝えたいことが「伝わる」ような「伝え方」ができているか。

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