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「何のため」のマナー?

うちの就労移行支援事業所では、月に1回程度の頻度なんですけど、座学をしています。
月に1回とはいえほぼ2時間くらいの講義なんですけどね。
 
 
一応、ビジネスマナー講座と銘打って、利用者さんが社会に出ていく上でのポイント、みたいな話を少し具体的に話をしていく、というカタチのものです。
ビジネスマナー、といいつつも、自己管理に触れたり、職場での人付き合い、みたいな話をしたりして必ずしも一般的なビジネスマナーのカテゴリにははまっていないかも知れない話をしています。
 
 
今年度入られた利用者さん向けに今日マナー講座をさせていただきました。
毎回全16回くらいの一応シリーズものとしてほぼ同じテーマでやっているんですが、今日はその第一回目でした。
 
 
毎回この第1回目の講義がもっとも大事に話しているところなんですが、そもそもビジネスマナーって一体何なんでしょうか?何のために身に付けないといけないんでしょうか?
 
 
確かに言葉遣いやあいさつ、報連相や所作などの「手段としてのビジネスマナー」は結構皆さんご存知です。
でも、ほとんどの方が、ビジネスマナーって「何のため」にあるのか、と質問すると明確には答えられません。
何のためにあいさつをするのか
何のために正しい言葉遣いが必要なのか
何のために報連相が必要なのか、という「意味」や「目的」です。
 
 

おそらくほとんどの人がそうじゃないかと思うんですが、挨拶って「挨拶すること」が目的じゃありませんよね。丁寧な言葉づかいって、「丁寧な言葉づかいをすること」が目的じゃないですよね。
 
 
「あいさつはきちんとしなきゃいけません」とだけ言われて目的も分からないままあいさつをすることは気が乗りません。カタチだけ覚えてもそのうち社会に出てやらなくなるでしょう。
 
 
 
もちろん「手段としてのビジネスマナー」は必要です。しかしそこにきちんと目的や意味が付随されていなかったら 必ず形骸化します。
じゃあ僕らが利用者さんにお伝えすべきことはなんなのか、という話です。

 
僕はこの最初の講座で「ビジネスマナーとはなんのためにあるのか」ということを一番に、そして何度も繰り返しお伝えしています。
僕なりに解釈したものではありますが、こんな感じです。
 
 
 
【社会に出ればお互い知らない者同士。でもその知らない者同士が一緒に仕事をしたり、社会生活を送るために協力したりしなきゃならないのが社会です。
ビジネスマナーというのは、そんな社会の中で、「お互いが不愉快にならず気持ちよく関われる」ように、そして信頼関係を崩さないようにするためにお互いを尊敬・尊重していることを示すために生まれた「相手への思いやりの表現」です。】
 
 
と教えています。
 
 
 
この「そもそも何のために」を軽んじてしまうと、本人たちには場合によっては「カタチだけ守っておけばいいのがビジネスマナーなんだ」というインプットになってしまうことだってあり得ます。
それは全く実用性のない「型」です。だからご本人に定着しません。
 
 
ビジネスマナー、というものの定義をお伝えし、目的や意味を明確にしておくから、ご本人たちの認識としてビジネスマナーを習得することの必要性や重要性が伝わるんだと思います。
 
 
今回入られた利用者さんにどこまで伝わっているのか分かりませんが、これからも繰り返しこれをお伝えし続けていこうと考えています。

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