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刊行報告「15歳からの社会保障 人生のピンチに備えて知っておこう!」

今年の11月中旬に日本評論社さんから「15歳からの社会保障 人生のピンチに備えて知っておこう!」という書籍を刊行させていただくことになりました。(noteカバー画像は、日本評論社さんの了承を得て使用しています)

依頼をいただいてから早2年。本当はもっと早く刊行したかったのですが、自分の筆力の問題で、だいぶ長く時間がかかってしまいました。

やっとこ発売日が決定しましたので、どういった経緯で本書を書かせていただくことになったのか、どういった意図を込めたものなのか等について、お伝えするために本noteを記しました。

よろしければお読みいただけると嬉しいです。

どういう本なの?

10代-40代の登場人物に起こる出来事を通して社会保障制度を紹介するというもので、10遍の物語によって構成されています。

どんな目的をもってできたの?

「15歳からの社会保障 人生のピンチに備えて知っておこう!」という書籍名の通り、15歳前後の中学生・高校生の段階で、こんなことが起きた時にはこんな制度があるということをぼんやりとでも覚えておいてもらうきっかけを作り、いざ人生で何か起きた際に、制度を思い出してもらい活用してもらうための一助にしてもらえたらと思い、つくられた本になります。

目次は?

目次は以下のようになっています。コラムや巻末に相談窓口や制度の簡易な一覧も記しました。

はじめに
1 ケガで仕事を休まなくてはならず、医療費と生活費に困ったユウジ
2 アルバイトができなくなり、生活費や家賃の支払いに不安を抱えているサトシ
3 住む場所がなく、食べるものに困ったシンジ
4 高校生で妊娠し、生活に困ったマミ
5 ひとりで子どもを育てることになったマサト
6 発達障害の子どもを育てるジュンとマコ
7 会社でハラスメントを受け、体調を崩したエミリ
8 交通事故で車イスが必要な生活になったノブオ
9 おばあちゃんと弟のお世話をしなければならないサクラ
10 家族から暴力を受けているミユキとトモキ
コラム1 ソーシャルワーカーってどんな人?
コラム2 ハラスメントってなに?
コラム3 ヤングケアラーってどんな人?
コラム4 児童虐待・DVってなに?
おわりに
代表的な相談窓口について
巻末資料 お金に関する社会保障制度の一覧

詳しい目次は日本評論社さんのホームページからもご覧いただけます


どんな問題意識があったのか

申請主義と地続きの、義務教育で社会保障制度の利用について学ぶ機会が乏しいことに課題意識を持っていました。

申請主義に関する自身の課題意識については、以下note、またはポスト申請主義を考える会のホームページをご覧いただけますと幸いです。

刊行の経緯

2020年に以下のツイートをしました。

このツイートを日本評論社の編集者である植松由記さんが見つけてくださり、「一度打ち合わせをしませんか?」とメールをくださったことがきっかけでした。ここで植松さんが声をかけてくださらなければ、本書は生まれませんでした。改めて植松さんに感謝申し上げます。

物語を選んだ理由は?

植松さんとの打ち合わせ当初は、物語を活用するということは決まっていませんでした。中高生向けに書かれたガイドブックのようなものをイメージしながら、せっせせっせと草稿を書いたのですが、「うーん。こういったものって類書があるよね」という残念な仕上がりになり(笑)、中高生に読み切ってもらう「推進力」として「物語」を採用するに至ったのでした。

しかし、これが茨の道でした...(苦笑)


物語を採用してみてどうだったか

こんなことが起きた時にはこんな制度があると知ってもらい、今後の人生で何かあったときに思い出してもらうきっかけをつくることが目的ですので、物語を構成する際、以下の通りに考え、進めました。

①.登場させる社会保障制度を決める
②.①の制度に関連した生活上の困りごとを決める
③.上記を踏まえて登場人物の設定を決める
④.物語を書く

①,②については、自身はソーシャルワーカーですので、なんとかなりました。
ですが、登場させる制度から逆算して登場人物に起きるイベントを設定し、その上で架空の人物設定をし、1つのエピソードを8000文字前後におさめる物語にするというのは、物語を仕事で書くことなどなかったので、大変骨が折れました。起承転結が本当に難しくほんとうに大変でした。日中の仕事が終わり、夜な夜な原稿を書き、読み、直し、ときには原稿を捨て.....。
そんな生活が1年以上続きました。

その間、インタビューをしたり、さまざまな困りごとを経験した方の経験談を記した書籍やブログ記事、YouTubeなどを見て、自身の想像力を補完しながら書き進めていきました。このプロセスは、書籍にはもちろん、日々の自身の臨床やプロジェクトにも活きたと思います。

サポートしてくださった方の存在

本書の作成において、各エピソードに関する現場に携わっておられる、尊敬・信頼する方に協力・アドバイスをいただきました。ご多忙の中、各章ごとand全体を見てくださり、的確で誠実なアドバイスをくださったアドバイザーのみなさんには大変お世話になりました(書籍の巻末にお名前を記させていただいています)

そして、編集者の植松さんが、建設的かつ的確な意見やアドバイス、かつペースメーク(毎月書き切れたところまで必ず原稿を送る)もしてくださったので日々の仕事に上乗せになってもなんとか書き切れたのだと思います。
1本書き切るたびに、内容を読み込んだ上でエンパワメントされる言葉を投げかけてくださり、本当に感謝です。

帯のコメント

本書の帯のコメントを、中央大学 法学部 教授の宮本太郎先生にいただきました。お忙しい中、原稿に目を通してくださり、帯のコメントにとどまらず、さまざまなアドバイスもいただきました。感謝申し上げます。
宮本先生のコメントの内容はぜひご購入いただきお読みいただけると嬉しいです。

デザイン・イラスト

デザインは、オクターヴの角倉織音さんがご担当くださいました。

イラストは、killdiscoさんがご担当くださいました。

自身も少なからず要望を伝えさせていただいたのですが、その要望を踏まえた自身では到底思い付かないアイデアや構成などを示してくださって、驚きの連続でした。

イラストについて、語彙力の問題で適切な言葉で表現できないのがお恥ずかしいですが、優しく、柔らかいけれど、子どもすぎない、とても素敵な感じにしてくださって感謝です。

イラスト依頼書なども見せていただいたのですが、普段関わりのないいろいろなプロの仕事に触れるのは純粋に楽しく学びになりました。


一番の感謝を伝えたい人

一番の感謝をお伝えしたいのは、今まで自身がソーシャルワーカーとして関わらせていただいたすべての方々です。

おひとりおひとりから不条理なご経験を教えていただいたからこそ、申請主義に代表される社会保障制度の不備に課題意識を持つことができました。本当にどうもありがとうございます。これから先の未来、同じような不条理な出来事に直面する人が、ひとりでも減るよう、自身ができ得ることを為していきたいと思います。

さいごに

本noteでは、書籍刊行に至るまでの経緯などについて書かせていただきました。ここまでお読みいただきありがとうございました。

「この本、なんで書かれたんだろう。学校の教科書があるのにね」

そんな言葉が中高生から聞かれる未来が訪れることを願いながら書き進めた、さまざまな人たちの協力のもと、渾身の力で世に送り出した本です。

もしお手に取っていただけましたら、その内容に意義を感じていただけましたら、中学生や高校生、15歳前後の年齢の人にご紹介いただき、中高生が社会保障制度について知るきっかけをつくる仲間になっていただけたら大変嬉しいです。

以下、予約開始になりましたので、ぜひ予約購入をお願いします!


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Hokuto Yokoyama
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