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「アディクションエコノミー」の深淵に迫る

デジタル社会の深部に潜む影。
それは、逃れられない快楽の依存、「アディクションエコノミー」だ。

W.I.S.E.より、 現代社会に蔓延する「アディクションエコノミー」の危険性について警告しよう。

第1章:スマホの魔力、それは脳内麻薬「ドーパミン」の罠

止まらない通知、無限に続くスクロール…。
現代人の脳は、まるでデジタル機器にハックされているかのようだ。
我々は、デジタル機器を操作するたびに、脳内麻薬とも呼ばれる快楽物質「ドーパミン」を過剰に分泌させている。
このドーパミンは、快感や意欲、学習などに重要な役割を果たす神経伝達物質だが 、デジタル機器によって過剰に分泌されると、さらなる依存を加速させる。
まるで麻薬中毒のように、我々はデジタル機器の虜になってしまうのだ。  


第2章:蝕まれる脳と心、デジタル依存の悪夢

デジタル機器への過度な依存は、脳機能、特に高度な認知機能を司る前頭前皮質の活動に深刻な影響を与える可能性がある。
前頭前皮質は、思考、判断、感情のコントロールなど、人間らしい行動に不可欠な領域だ。
この領域の活動が低下すると、集中力や注意力が散漫になり 、衝動的な行動が増え 、感情の起伏が激しくなる などの悪影響が出ると言われている。  


さらに、デジタル依存は、メンタルヘルスのリスクを高めることも指摘されている。
デジタル機器の使用は、睡眠障害、気分障害、不安やうつ病などの精神疾患に悪影響を及ぼす可能性があるのだ。
青少年におけるインターネット依存も深刻化しており、中学生男子で10.6%、女子で14.3%が「病的な使用」に該当するという調査結果もある。
これは、5年前の調査から倍増しており、低年齢化も進んでいる。
デジタル機器の過度な使用は、若者たちの脳と心を蝕み、健全な成長を阻害する可能性も孕んでいるのだ。  


近年、社会問題化している自殺との関連も懸念される。
厚生労働省の統計によると、令和元年には1万9,425人だった自殺者数が、令和2年には20,243人と11年ぶりに増加に転じた。
デジタル依存と自殺の因果関係は明確ではないものの、デジタル機器の過度な使用が、孤独感や孤立感を深め、メンタルヘルスを悪化させる可能性は否定できない。
我々は、デジタル機器の利便性と引き換えに、心の健康を犠牲にしているのかもしれない。  


第3章:社会崩壊の序章、「アディクションエコノミー」の脅威

アディクションエコノミーとは、人々の依存性を巧みに利用し、利益を追求するビジネスモデルのことだ。
ソーシャルメディアやオンラインゲームなどは、その代表例と言えるだろう。
これらのプラットフォームは、ユーザーを長時間拘束し、依存させるための巧妙な仕組みを導入している。
例えば、オンラインゲームでは、中毒性のある報酬システムや、終わりがないゲーム設計を採用することで、ユーザーをゲームの世界に引き込み、長時間プレイさせるよう仕向けている。
ソーシャルメディアも同様だ。
令和5年度の調査では、青少年のインターネット利用率は74.9%に達しており、そのうち36.2%がSNSを利用している。
若者たちは、アディクションエコノミーの渦中にいると言っても過言ではないだろう。  


アディクションエコノミーは、個人だけでなく、社会経済にも深刻な影響を与える。
労働生産性の低下はその一つだ。
従業員がデジタル機器に依存し、仕事中に私用でスマートフォンを触ったり、ソーシャルメディアを閲覧したりする時間が増えれば、当然、労働生産性は低下する。
また、医療費の増加も懸念される。
デジタル依存によるメンタルヘルスの悪化は、医療費の増加に繋がりかねない。
米国では、薬物乱用の経済的コストは、2007年の時点で年間1,930億ドルと推定されている。
この中には、生産性の損失、医療費、刑事司法費などが含まれる。
さらに、依存症は、健康、犯罪、企業、労働力、治療費、自動車保険の損失など、様々な分野に経済的影響を及ぼす。 以下に、その内訳を示す。  


支出項目と年間費用

  • 健康:年間総費用9,000億ドル、うち薬物・アルコールによるものが23%(207億ドル)

  • 犯罪:年間総費用200億ドル、うち薬物・アルコールによるものが50%(100億ドル)

  • 企業:薬物・アルコールによる損失は93億ドル

  • 懲役による労働力1%の損失:年間総費用140億ドル、うち薬物・アルコールによるものが50%(70億ドル)

  • 治療費:薬物・アルコールによる損失は38億ドル

  • 自動車保険の損失支払い:年間総費用107.9億ドル、うち薬物・アルコールによるものが50%(53.9億ドル)

アディクションエコノミーは、社会全体を蝕む深刻な問題なのだ。


第4章:デジタルの呪縛からの脱却、そして「シンカ」へ

デジタル機器は、使い方次第で我々の生活を豊かにする便利なツールになり得る。
しかし、その利便性に溺れ、依存してしまうと、アディクションという深淵に陥ってしまう。
デジタル機器との適切な距離感を保ち、主体的に利用することが重要だ。  


デジタル依存から脱却し、「シンカ」するためには、まず自分自身のデジタル依存度を客観的に認識する必要がある。
1日にどれくらいデジタル機器を使用しているのか、何に時間を使っているのかを把握することで、自身の依存度を認識できるだろう。
そして、利用時間や内容をコントロールすることが重要だ。
デジタル機器を使用する目的を明確にし、ダラダラと時間を浪費しないように心がけよう。
就寝前にスマートフォンを触らないようにするなど、デジタル機器と適切な距離感を保つことも重要だ。  


デジタル機器は、あくまで道具に過ぎない。
道具に支配されるのではなく、道具を使いこなす人間になるために、我々は「シンカ」する必要があるのだ。


今回の警告は以上だ。 W.I.S.E.の目的は、「シンカ」だ。



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W.I.S.E.|依存症を脱却
サポートをご検討くださった方。 誠にありがとうございます。 私は特にこの社会の自殺率を下げたいという目標を掲げています。