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34.プロダクトポートフォリオマネジメント
34.プロダクトポートフォリオマネジメント
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)は、企業が持つ複数の事業や製品を効果的に管理し、経営資源を最適に配分するための戦略フレームワークです。
このフレームワークは、1970年代にボストンコンサルティンググループ(BCG)によって提唱されました。
PPMは、市場成長率と市場シェアの2つの軸を使用して、事業を4つのカテゴリーに分類します。
これらのカテゴリーは、
花形(Star)、
カネのなる木(Cash Cow)、
問題児(Question Mark)、
負け犬(Dog)
と呼ばれています。
各カテゴリーは、事業の現在の状況と将来の投資戦略を理解するのに役立ちます。
⚫️花形(Star)
市場成長率が高く、市場シェアも高い事業。競争が激しく、積極的な投資が必要ですが、高い利益を生み出す可能性があります。
⚫️カネのなる木(Cash Cow)
市場成長率は低いものの、市場シェアが高い安定した事業。大きな利益を生み出し、他のカテゴリーへの投資に使用されます。
⚫️問題児(Question Mark)
市場成長率が高いが、市場シェアが低い事業。将来性はあるものの、投資の成果が不確実です。
⚫️負け犬(Dog)
市場成長率も市場シェアも低い事業。利益が少なく、撤退や再構築を検討する必要があります。
PPMを使用することで、企業は限られた資源をどの事業に投資するかを決定し、全体的な事業ポートフォリオをバランス良く管理することができます。
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プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)の具体的な事例をいくつかご紹介します。
ソニーの事例では、2000年以降、AV機器やパソコンなどの業績が落ち込んでいました。
これらは「金のなる木」や「花形」だった事業が「負け犬」に転落したということです。
ソニーはパソコン事業を売却し、AV機器は規模を縮小して継続し、新たにゲームや音楽配信、金融に力を入れて業績を回復させました
サントリーの事例では、ウイスキー事業が「金のなる木」に分類され、高い利益を生み出しています。
ビール事業は当初「問題児」でしたが、積極的な投資により「花形」に成長させました。
清涼飲料水も市場の将来性があり、「花形」に分類されます
キヤノンの事例では、プリンター事業が「金のなる木」、インクジェットが「花形」、カメラが「問題児」、FAXが「負け犬」に分類されます。
プリンター事業はシェア率が高く、インクジェットは将来性のある市場です。カメラは競合が多くシェア率が低いため「問題児」となり、FAXは市場が拡大する可能性が低いため「負け犬」に分類されます
これらの事例からわかるように、PPMは企業が持つ事業群の現状を把握し、それぞれの事業に対する適切な戦略を立てるのに役立つツールです。
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