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浪江のこと②

ようやくたどり着いた浪江。 駅で私を迎えてくれたのは、 サンプラザの看板だった。 サンプラザは、小さめのデパートだった。今でいうショッピングセンターのような店だったと思う。震災後になくなったのに、看板は2023年の秋もそのままだった。 浪江駅に「おかえり」と言ってもらったような気がして、古びた看板が妙に愛おしく見えた。 子供の頃、家族でお正月に帰省した際、元旦か2日目に必ずお年玉を持って出かけたのがサンプラザだ。母が用意した正月用の新しい服を着て、サンプラザに行く。 最高

    • はじめてのnote 浪江のこと①

      はじめまして。 2024年初め、父が亡くなりました。次は一緒に父の故郷、福島県の浪江町に行こうと話した3ヶ月後の出来事でした。 書くことで少しずつ心を整理していけたらと思います。 まずは、2023年に旅した、父の愛した浪江のことを書きます。 読んでいただけたら嬉しいです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2023年10月 28年ぶりに見たヒマラヤスギは、随分立派になっていた。 ずっと来たかった、福島県双葉郡浪江町の権現堂。祖父母の家のあった場所だ。 10月