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'25共通テスト数ⅠA解いてみた

最終更新日:2025/1/26
今年の共通テストが終了して1週間が経過しました。

新課程になった数学ⅠAを解いてみました。これまでは「場合の数・確率」「整数」「図形の性質」の3題から2題を選択でしたが、今年から「整数」が範囲外になり選択問題がなくなりました。選択問題がなくなったのは良いですが、「整数」が扱われなくなるなんて。。私が受験生のときはかなり整数問題の勉強をしたのですが今後は出題されなくなるのでしょうか。

大学入試センターの中間報告によると数学ⅠAの平均点は56.66点のようです。

https://www.dnc.ac.jp/news/albums/abm.php?d=424&f=abm00005181.pdf&n=令和7年度大学入学共通テスト(本試験)平均点等一覧(中間集計).pdf

大問1〔1〕

因数分解についての問題と最後は命題についての問題でした。
与式の係数が複雑でまともに因数分解すると時間がかかりそうでしたが、問題文が勝手に因数分解してくれていて二次の係数と定数項だけに注目したら解けるようになっていました。

全体と通して言えることだと思いますが、この問題文が自然に話の流れや解き方を誘導してくれていてそれを利用する大局観が必要です。

共通テストの数学は(1)(2)のように設問が分けられていますが、その(1)とかの問題文を最後まで読み切ってから問題を解くようにすると良いと思います。そうすれば問題の流れが掴みやすく誘導にも乗りやすいでしょう。

大問1〔2〕

三角比に関する問題でしたがこれも誘導がないとかなり難しい問題だったと思います。が、誘導があるのでしっかりその流れを理解していきましょう。特に、(2)の花子さんのセリフ「(1)の$${R_1}$$の求め方を参考にすれば良さそうだね。」の一言から(1)でやった全ての流れを自力で$${R_2}$$に対して行うことで$${R_2}$$を求めて、$${R_1 = R_2 }$$を示す問題でした。

大問2〔1〕

問題のやってることは難しくないけど計算が煩雑でした。ここで時間を取られた受験生も多かったのではないでしょうか。

大問2〔2〕

データの分析。(1)はデータをみて計算して答えていく問題。四分位範囲の定義を忘れていて答えられませんでした汗

$$
\text{四分位範囲} = \text{第3四分位数} - \text{第1四分位数}
$$

四分位範囲の定義


要はデータの要素の上位25%と下位25%を除いたデータの最大値から最小値を引いた値ということですか。

調べたら、四分位範囲を2で割ったものを四分位偏差というらしいです。

$$
\text{四分位偏差} = \dfrac{\text{第3四分位数} - \text{第1四分位数}}{2}
$$

四分位偏差の定義

(2)はおそらく何らかのハイレベル知識としてまとめられそうなものでした。導出が勉強になったので記録します。


$${s_{z}^{2}}$$を$${s_{x}^{2}, s_{y}^{2}, s_{xy}}$$を用いて表すとどうなるか?という問題です。

$$
\begin{align*}
s_{z}^{2} &= \dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} (z_{i}-\bar{z})^2 \\
&= \dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} \{(x_{i}-\bar{x}) + (y_{i}-\bar{y})\}^2 \\
&= \dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} \{(x_{i}-\bar{x})^2 + (y_{i}-\bar{y})^2 + 2(x_{i}-\bar{x})(y_{i}-\bar{y})\} \\
&= \dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} (x_{i}-\bar{x})^2 + \dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} (y_{i}-\bar{y})^2 +  \dfrac{2}{n}\sum_{i=1}^{n} (x_{i}-\bar{x})(y_{i}-\bar{y}) \\
&= s_{x}^{2} + s_{y}^{2} + 2s_{xy} \\[10pt]
& \therefore  \bm{s_{z}^{2} = s_{x}^{2} + s_{y}^{2} + 2s_{xy}}
\end{align*}
$$


(3)は新課程で導入された仮設検定の問題ですね(私は初めて仮設検定の問題を解きました)。p値とかのやつですよね。有意差が〜みたいな。
単純な計算をしたら4.3%となり、5%未満なので帰無仮説は棄却されました。

大問3

図形の性質の大問。
これも(i)の問題文を全部読んで流れを頭に入れてから(i)を解く。(ii)の問題文を全部読んでから(ii)を解く。。というふうにするのがコツです。
それとベクトル含め図形全般に言えることですが、注目している断面だけの図を新たに描くのがポイントです。

大問4

確率の問題。これも新課程になり期待値などの内容が盛り込まれてきました。受験生に配慮してか確率分布の図を与えていたりしたのが良かったなと。

与えられた確率分布

全体まとめ

どの大問も全体の流れ、マクロ的視点、大局観を掴めているかが大きく左右すると感じました。センター試験の時代からそれは大問満点を取るために重要な意識でしたが、共通テストに入りさらに重要度が上がったと思います。よって、まずは問題に当たるたびにすぐ解くのではなく、まずはある程度まとまった問題文を読み切り、流れを頭に入れた上で問題に取り組むのが高得点を取るために必要な態度であると思われます。

また、番号を選択する問題は一連の中での問題が全て解けていないと正答にならないという条件がありました。これまで適当に番号を選んで正答になることもあったものがしっかり解けていないと点数がもらえないということです。これは私はずっとマーク式問題の問題点だと思っていたのでよく考えたなと思いました。

一つ前の問題が正解でないと選択した番号が当たっていても正答にならない。

他にも図や確率分布などは与えられているものも多く、またページを跨いだときには同じ図を再掲してくれたりなどの配慮も見られました。問題が進んだら新しい図に書き込めるし、必要以上に紙をペラペラすることがなくなったのでやりやすくなったのではないかと思います。

再掲された参考図


二次試験のような問題構成とはだいぶ異なるので今後も受験生は二次試験の数学と共通テストの数学をある程度切り分けて対策をする必要があるのかなと思いました。

いやーしかし、数学をしばらくやってないおかげで計算スピードは遅いし変なところで躓くし、基本知識は抜けてるしってな悲惨な状態でした泣

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