見出し画像

「悪口を言う人の心理」それ、実はあなたのせいじゃない

「なんであの人、私の悪口を言うんだろう…?」
「職場や学校で、知らないところで陰口を言われている気がする…」
「私、何か悪いことした?」

悪口を言われると、どうしても気になってしまいますよね。
でも、ちょっと待ってください。

実は、悪口を言う人の心理には、あなた自身は関係ないことがほとんど なんです。
今日は、心理学的な視点から、「悪口を言う人の本当の心理」 を解説しつつ、あなたがどう対処すればいいかをお伝えします。

① そもそも、なぜ人は悪口を言うのか?

心理学では、「悪口を言う行動」は 「自己防衛のため」 であることが多いとされています。

Baumeisterら(1996)の研究では、「自己評価が脅かされると、人は他者を攻撃することで自分の価値を守ろうとする」 ことが示されています。

✔ 自分の不安を隠したい
✔ 自分の立場を守りたい
✔ 他人を下げることで、自分の価値を高めたい

つまり、悪口を言う人は、実は「自分の問題」と戦っている んです。

たとえば、職場で「〇〇さんって仕事できないよね」と言っている人がいたとします。

この人は、
✔ 「自分も評価されていないかも」という不安を感じている
✔ 「自分はすごい」と思いたい
✔ 「誰かを下げることで、自分を上げようとしている」

こういう心理が働いている可能性が高いんです。

つまり、悪口のターゲットにされた人自身には、実は何の問題もない ことがほとんどなんです。

② 悪口を言う人の3つの心理タイプ

悪口を言う人には、大きく分けて3つのタイプがいます。

1. 「自信がない人」タイプ

Tajfel & Turner(1979)の「社会的アイデンティティ理論」によると、人は自分のグループや個人の価値を高めるために、他者を下げることがある とされています。

✔ 自分に自信がないから、他人を下げて安心したい
✔ 「自分はすごい」と思うために、誰かの悪口を言う

このタイプの人は、他人の成功や長所を受け入れられません。

たとえば、あなたが新しいことに挑戦しているとき、
「〇〇さん、なんか頑張ってるけど、大したことないよね」
なんて言う人がいたら、それは 「自分も挑戦したいけど、できない」 という劣等感の表れかもしれません。

✔ 対処法:スルーするのが最善
「この人、自分に自信がないんだな」と思うと、気持ちがラクになりますよ。

2. 「群れを作りたい人」タイプ

「悪口を言うことで仲間意識を高めようとする」現象は、Tajfel & Turner(1979)の「内集団バイアス」 で説明できます。

✔ 仲間意識を作るために、共通の「敵」を作りたがる
✔ 悪口を言うことで、自分の立場を確保しようとする

このタイプの人は、他人の悪口を言うことで、仲間意識を高めようとします。

たとえば、
「〇〇さん、最近調子乗ってない?」
「みんなもそう思うよね?」

みたいに、悪口を通じて味方を増やそうとする のが特徴です。

✔ 対処法:距離を置くのがベスト
こういう人は、悪口を一緒に言わないと 「敵」 にされることもあります。
でも、無理に関わるとストレスになるので、なるべく距離を取るのが◎。

3. 「攻撃的な性格の人」タイプ

Buss & Shackelford(1997)の研究では、「攻撃的な人は、他人をコントロールしたいという強い欲求を持つことが多い」 と指摘されています。

✔ 他人を攻撃することで、自分の力を誇示したい
✔ 相手をコントロールするために悪口を使う

このタイプの人は、他人を見下すことで自分を強く見せたい と思っています。

「〇〇さんって、本当に使えないよね」
「私がいなきゃ、この職場回らないわ」

こういう発言をする人は、支配欲が強く、周りをコントロールしようとしている ことが多いです。

✔ 対処法:毅然とした態度をとる
攻撃的な人には、「私はあなたの支配下にはいませんよ」という態度を見せるのが大切です。
曖昧な態度をとると、つけ込まれる可能性があるので注意しましょう。

③ 「悪口を言われたらどうすればいい?」

✔ 「自分のせいじゃない」と理解する(Baumeister, 1996)
→ 「この人は自分の問題で悪口を言ってるんだな」 と思うだけで、かなり気がラクになります。

✔ 「相手のフィールドに乗らない」
→ 「でもさ~」「そうは言ってもさ~」と返すと、余計に悪口がエスカレートすることも。
→ 「へえ、そうなんだね」くらいで受け流す のが最強です。

✔ 「悪口を言わない人とつながる」
→ 悪口を言う人といると、自分の心も汚れてしまいます。
→ できるだけ、ポジティブな人との関係を大切にしましょう。

④ まとめ:「悪口を言う人の問題に、あなたは巻き込まれなくていい」

悪口を言う人の多くは、「自分の問題」 を抱えています。

✔ 「自信がないから、他人を下げて安心したい」
✔ 「群れを作るために、共通の敵を作ろうとしている」
✔ 「攻撃的な性格で、相手をコントロールしようとしている」

でも、どれも あなたのせいではない んです。

だから、
✔ 「スルーする」
✔ 「距離を置く」
✔ 「悪口を言わない人とつながる」

これを意識するだけで、悪口のストレスから解放されますよ。

参考文献

  • Baumeister, R. F., et al. (1996). Relation of threatened egotism to violence and aggression. Psychological Review, 103(1), 5-33.

  • Tajfel, H., & Turner, J. C. (1979). An integrative theory of intergroup conflict. The Social Psychology of Intergroup Relations, 33(47), 74.

  • Buss, D. M., & Shackelford, T. K. (1997). Human aggression in evolutionary psychological perspective. Clinical Psychology Review, 17(6), 605-619.

いいなと思ったら応援しよう!