50年も生きられなかった明治時代の人と比べたら、いただいた時間は2倍もあります。どうせ長生きするなら、幸せの時間も2倍にするぞの意気込みでのぞもうではありませんか。(6)
<人気医師がやっている健康日課 イシハラクリニック 石原結實院長 58歳 >
<各界著名人のファンも多い独自の食事療法提唱>
・学生時代、パワーリフティングをやっていて九州の大会で優勝したことがあります。リフティングはずっと続けていて、今でも100キロのベンチプレスを持ち上げます。
・なぜ筋肉を鍛えるかって?筋肉を鍛えることは、体のあらゆる部分の健康を効率良く維持してくれるからです。
筋肉は、男性で45%、女性で36%と、人間の体重の4割前後を占めています。さらに、筋肉の75%以上が下半身についています。ですから、下半身の運動をするのが最も効率が良いのです。
また、筋肉を動かすと体温が上がります。体温が1度上がると免疫力が5倍になります。一方、体温が1度下がると免疫力が30数%下がります。
・他にもいいことはたくさんあります。筋肉を動かすと血管が拡張したり、収縮します。これにより心臓の働きが助けられて、循環器、高血圧、心臓系の疾病の予防になります。筋肉を動かすと骨も強化されるので、骨粗しょう症の予防になります。
さらに、筋肉の細胞から男性ホルモンが分泌されるから、自信が出てきてうつ病にも効果的です。その上、脳の血流が活発になって記憶中枢をつかさどる海馬を刺激し、認知症の予防にもなるのです。
・食事は、朝食は人参ジュース2杯と生姜紅茶1杯、昼食も生姜だけです。夕食は、たこ刺しを食べながらビールを飲んで、ご飯にみそ汁、納豆、明太子、イカの炒め物などを食べる。毎日これだけ。肉も魚も牛乳もとりませんけれど、こんなに元気。全身筋肉質でゼイ肉はありません。90歳までこの生活を続けるつもりです。
(=『日刊ゲンダイ』2006年10月6日掲載)
・WBCバンタム級元王者の辰吉丈一郎氏(37歳)の記事が載っていた。その中に「……“毎朝40分のロードワークをする”が、食事は“10年くらい1日1食”……」という件があった。体重は56㎏だそうだ。
このように、時には10時間以上に及ぶ長時間の手術を余儀なくされ、研究や部下や学生の指導に大忙しの、医大の教授や講師の先生、それに、激しい運動を強いられるボクサーが「1日1食」で、すこぶる健康で活躍されているのだから、我々人間は1日1食で十分に、元気に活動できるということの証左である。
・人類500万年の歴史のうち99万9900年以上は、飢餓の中で暮らしてきたのであるから、「空腹」の中で健康を保つ術は、体内に備っているが、食べすぎた場合、糖や脂肪、タンパク質などの栄養素をどう処理してよいかわからず、高血糖(糖尿病)、高脂血症(脂肪肝、動脈硬化)、高尿酸血症(痛風)、肥満等々、あらゆる栄養過剰病にかかっている、と言ってもよいだろう。
・四国の釜池豊秋医師のところで先に受診されたD氏は、「かまいけ式」という食事療法で、毎日36単位のインスリン注射を必要としていた「糖尿病」が、たった数ヶ月で、インスリン注射も必要なくなり、糖尿病も完治したと、私のクリニック受信時に、種々データを揃えて、説明された。
・昭和20年代に、日本には数百人しかいなかった糖尿病患者が、今や予備軍も含めて1620万人も存在する。軽い糖尿病なら、「1日2食の石原式基本食」で治るし、中等度以上の糖尿病でも、「1日2食の基本食」で少食の期間を過ごし、慣れた上で、さらに昼を人参・リンゴジュースや生姜紅茶にし、夕食のみ食べるという「1日1食」にすれば、必ず改善する、というのが、私の持論だ。
だから、D氏の実体験例を目のあたりにしても、別に驚きはしなかったし、むしろ、「我が意を得たり」ととても嬉しくなった「糖尿病の薬の服用やインスリンの注射を続けている時は、「1日1~3食」の断食は絶対しないこと! 食べないで、経口糖尿病薬を服用したり、インスリン注射したりすると、低血糖発作を起こし、取り返しのつかない事態に陥る可能性があるので」。
・愛媛県宇和島市でご開業の釜池豊秋先生は、京都大学医学部のご出身で60歳。もともと整形外科医であられたが、様々のご体験の後、独自の食事療法を確立された由。「かまいけ式」食事療法とは、朝食、昼食抜きの「1日1食」で、夕食は、できるだけ糖質を摂らないで、肉類と緑色野菜中心の食事療法(脂質とタンパク質の制限はない)のことである。1999年から、糖尿病の他、肥満や老化防止に対して、この食事療法を用い、多大な実績を上げておられる、という。
<食事と運動により3ヶ月で糖尿病を克服!>
<数々の病気が「1日1食」食事法で回復!>
<断食で出た大量の大便と小便>
・ひょっとしたら、食べないほうが体によいのかも? と思っている時、母は石原先生の著書『石原式 朝だけにんじんジュースダイエット』を買ってきてくれました。早速読むと、“断食”こそ、病気を治し、健康を増進する方法と書いてあるではありませんか。それ以後、朝には気分により、人参・リンゴジュースを飲んだり、生姜紅茶を飲むだけにし、固形食を摂らないようにしたところ、体調はよくなるわ、乳の出はよくなるわで、これまでの不調がうそのように消えてしまいました。
<現代人は食べすぎている>
<東洋医学的に「病気」とは?>
・東洋医学には、2000年も前から「万病一元、血液の汚れから生ず」という言葉がある。
血液の成分など、わかっていない時代に、現代の西洋医学的な血液の分野から見ても真理を言いあてているこの言葉には、敬服する。
<少食により大・小便の排泄がよくなる>
・人間の体の生理の鉄則として「吸収は排泄を阻害する」というのがある。
飲み、食いが多すぎると、その消化・吸収のために血液が胃腸に集まりすぎ、排泄臓器である大腸・腎臓・膀胱・汗腺……への血行が比較的悪くなり、大便、小便、汗などの排泄が低下する。
こうした排泄力の低下は、体内に余分な老廃物、余剰物、水分をため、後に述べる血液をよごし万病のもとになる。水分の排泄の低下は、即、「むくみ」や体重増加につながる。
よって、「少食」「朝だけ断食」などで、胃腸を休め、吸収に費やす力を少なくしてあげると、大小便・汗の排泄がよくなり、血液がキレイになり、健康が増進し、病気を治す力が、アップする。
<少食により体のだるさがとれる>
・不眠不休で、勉強や仕事をしている時は、結構頑張れるものだが、一段落ついて、食事をすると、ドーッと疲れが出てくることが多い。「食べていない」時は、胃腸に血液をたくさん供給する必要はなく、脳や手足の筋肉をはじめ種々の器官に血液が潤沢に回っているので、元気なのである。ところが、食べた途端に、消化のために血液が胃腸に集中するので、脳、手足、その他の器官への血行が悪くなり、疲れがドーッと出てくるのだ。
・よって1~2食抜くと、血液を胃腸へとほとんど供給しないですみ、その分、他の器官、臓器へ血液が十分に回るので、活力が出てくるのである。
・この社長さんのエピソードは、「朝食は食べるべきだ」という栄養学の一般的見解が間違っていたことを端的に示している。
<少食により頭脳が明晰になる>
・1~2食抜くと、胃腸への供給する血液が少なくてすむので、脳細胞への血流が増し、頭の回転がよくなるし、ボケの予防にもなる。
キリストやマホメッド、釈迦、孔子など聖人たちが“悟り”を開いた時に断食した理由がわかろうというものだ。
古代ギリシアの哲学者・数学者のピタゴラスは「人の病気は過食からくる。なるべく少なく食べよ。しからば、汝の体も丈夫になり、精神も立派になって、病の神も汝をどうすることもできなくなる」と言っている。
自身も黒パン、野菜、果物、ハチミツなどの粗食を1日2回食べ、長寿を全うした。ソクラテスも少食であったし、哲学者のベーコンも「僧侶や隠者が長寿なのは、少食に負うところ大である」と述べている。
・「睡眠」は昼間活動した臓器・器官や傷ついた細胞を休息させたり、修繕するために必要な行為である。とくに食べすぎた場合、胃腸はもちろん、胃腸に血液を大量に送る必要のある心臓、酸素を吸う肺、過食の結果、たくさんできる老廃物を解毒する肝臓・腎臓………などあらゆる臓器を十分に休息させる必要があるので、睡眠時間が長くなる。逆に、少食にすると、睡眠時間は短くてすむ。
<少食により性欲が強くなる>
・「バイアグラ」は血管を拡張して陰茎への血流をよくするぼっ起薬である。つまり、陰茎だけでなく、あらゆる臓器・器官の働きは、血行がよくなると活発になる。
食べすぎると、胃腸への血流が多くなり、陰茎への血流が比較的少なくなるので、中年以降では、食べすぎた時に、ぼっ起力が弱くなるという人も多いわけだ。
逆も真で、1~2食抜くと、胃腸への血流が減る分、陰茎への血流が多くなり、精力旺盛になる。もちろん、「少食」による若返り効果も相乗的に働くのだろうが……。
<少食によりストレスに強くなる>
・心身に負荷がかかると、それに対抗するために、体に種々の反応が表れることをストレスという。これは、自律神経のうち、緊張の神経といわれる交換神経が優位に働いているので、血圧上昇、脈拍増加………などの症状が表れる。これを鎮めるには、リラックスの神経とされる副交感神経を働かせばよい。それには、入浴、趣味に打ち込む、ウォーキング等々あるが、手っ取り早いのが、食べることだ。胃腸が働くと、副交感神経がよく働くからだ。よって、「ストレスのやけ食い」という現象が起こる。
しかし、もっともっと大きいストレスがかかると、食欲がなくなる。
・犬や猫を他家からもらってきても、はじめの数日は食べようとしない。
このように、野生の動物は、強いストレスがかかると「食べない」ことで、精神力を強めて、ストレスから逃れようとする。
よって、我々人間も、日頃食べすぎないことが脳幹を刺激し、精神力を高めることにつながるのである。
「断食する」は英語で「fast」である。これは、飛行機に乗った時にお目にかかる「fasten seat belt」(シートベルトをしっかり締めてください)の「fast」と同じだ。「-en」は動詞を作る語尾だから、「fast」に「強くする、堅固にする」という意味がある。究極の「少食」法が断食で、それにより心身ともしっかりするのだから、日頃少食にすると、「強く」なれるのである。
<少食により運命が開ける>
・江戸時代の観相家、水野南北は、「食を少なくすることこそが、健康長寿のみならず、富裕や立身出世をする道である」と言っている。南北がしたためた著の中の一文を紹介すると……。「それ、人、食を本とす。…………故に人の良薬は食なり。人を相するに、先ず、食の多少を聞き、是によって生涯の吉凶を弁ずるに万に一失なし。一箇年先に大難のある事を見極めしむると言えども、其の時より食を厳重に慎む者は、必ず是を免れ、返ってその年に当たり、思わず吉事来たる者多し。生涯貧窮の相ありと言えども、益々、食を慎しみ、是を用うる者は相応の福有と成って、今人に知れ、大いに用いらるる者多し。………故に富貴、貧賤、寿天、窮楽……皆、飲食の慎しみにあるべし」
<少食とガン>
・1960年代に既にドイツのガン学者・イセルス博士は、動物実験の結果、「食べたいだけの量の食物を与えられて育ったネズミは、2日おきに断食させられた動物よりも自然発生するガンが5.3倍も高い」と発表している。
米国のカリフォルニア大学・バークレー校のマーク・ヘラースタイン博士は、つい最近、「断食すると、体内の細胞に、抗ガン効果をもたらす」
「1日おきにネズミを断食させたところ、体細胞の分裂する速度が確実に減る」
「細胞分裂自体が遅くなれば、ガン発生の危険性を減らすことができる」
ことを実験で証明し、さらに「成長ホルモンやインスリン(たくさん食べると、分泌が促される)のような“細胞の成長を促すような”ホルモンは、細胞の分裂を促し、ガン細胞の増殖のプロセスに深くかかわる」と述べている。
つまり、今、日本人の死因の断トツ1位に居座りつづけているガンは、「食べすぎ病」と断言してよく、少食にすれば、その予防や再発の予防が可能であることをこの実験は示唆している。
・日本でも1998年、大阪府立大学農学部の中野長久教授らが、マウスの実験で「少食」が、ガンを抑制することを証明している。
同教授らは、150匹のマウスを50匹ずつ、
1. 食事制限なし
2. 食事を80%程度に制限する
3. 食事を60%程度に制限する
の3つのグループに分けて飼育した。
5週目にすべてのマウスの腹部にガン細胞を注入して、毎週ガンの進行状態を調べた。その結果、(1)(2)のグループは、ガン細胞注入後2~3週間で、腹部に、平均約11gの腫瘍ができ、4週目には、ほとんどのマウスが死亡した。
(3)の「腹六分」のマウスは、ガン細胞注入後2~3週間で、腫瘍の大きさは平均7gと、(1)(2)のグループの腫瘍の3分の2程度と小さく、しかも、ほとんどのマウスが7週間目まで生存した。
また、「腹六分」のマウスは、(1)の「飽食」マウスに比べて、免疫力に重要な役割を果たすインターフェロンの量が2倍もあり、免疫細胞のT細胞(リンパ球の一種)の量も約2倍もあったという。
・1985年、ニューヨークのマウントサイナイ医大のグロス教授は、ある量の放射線を満腹ネズミに照射したところ100%発ガンしたのに対し、腹五分程度の空腹ネズミに同量の放射線を照射しても、わずか0.7%しか発ガンしなかったと実験結果を発表している。
・同じく米国の、エモリー大学病院のS・ハイムスフィールド博士が、平均年齢50歳で同じ程度の進行ガン患者100人を無作為に抽出して、A群の50人には病院のふつう食を、B群の50人には、特別の栄養素を存分に入れたスープを加えた高栄養食を与えたところ、A群の平均生存日数は300日、B群は75日だったという。こうした諸事実より我々人間がガンになった時に、食欲がなくなるのは、免疫力をあげて、ガンを治そう、延命しようとする反応であると考えてよい。せっかくの「食欲不振」を一般の人はもちろん、医師たちまでもが、「体力をつけるために少しでも食べよ」とガン患者に食を強制することが多いようだが、いかがなものか。
<少食と免疫力>
・米国ポートランドのオレゴン健康大学ワクチン遺伝子治療研究所のJ・ニコリク・ズーネック博士らは、「18年間、30%のカロリー制限を行ったアカゲザルは、ふつう食を与えられたアカゲザルに比べて、年をとってもT細胞のレベルが高く(免疫力が旺盛)、細胞が若く、病気になりにくい」との研究結果を発表している。
<免疫と白血球について>
・疫=病気を免れるための力を免疫力といい、血液1㎟中に4000~8000個(全血液が4~5ℓとすると、数百億個)存在する白血球が、その中心的な働きをしている。
細菌やウイルスなどの病原体が体内に侵入してくると、マクロファージや好中球が出動して、病原体を貪食・殺菌して処理する。しかし、自分達の手に負えないほど敵(病原体)が多かったり、その力が強い場合、マクロファージがヘルパーT細胞に、その旨を知らせる。連絡を受けたヘルパーT細胞は、B細胞に抗体(免疫グロブリン)を作るよう指示すると同時に、キラー細胞を出動させて病原体を攻撃させる。B細胞から作られた抗体は、ミサイルのごとく、病原体を進撃してやっつける。
一匹狼的なNK細胞は、ウイルスや細菌にのっとられた(感染を受けた)細胞を殺傷して消滅させると同時に、マクロファージと共に病原体を攻撃する。
また、体内にガン細胞(のような異物)が発生すると、キラーT細胞やNK細胞がガン細胞を攻撃して消滅させる。
<少食と加齢関連疾患>
・人間の体内・細胞では、無限の化学反応が行われており、その反応を助ける働きをしているのが、酵素である。
年齢とともに、活性が低下した酵素や、酸化されたタンパク質(異常タンパク質)が増加してくる。
つまり、若い時には存在しなかった異常タンパク質が、種々の細胞内に蓄積し、アルツハイマー病(脳細胞の周辺にアミロイドという異常タンパクの沈着あり)や白内障などの「加齢病」を引き起こし、種々の生体機能も低下していく。
自由摂食動物に比べ、60%(腹六分)にカロリーを抑えた「少食」動物は「脳における異常酵素は2ヶ月後に、肝臓の細胞の中の異常酵素は1ヶ月後に、それぞれ若い動物のレベルになる」ことが証明されている。
つまり、食事制限により、異常タンパク質の分解・除去が亢進し、タンパク質が“若返り”、細胞を若い頃の状態にリセットする、というわけである。
また、食事制限により、活性酵素の主な発生源とされている細胞内のミトコンドリア内での活性酵素の発生が抑えられ、酸化された異常タンパクの生成が減少することも細胞の若返りの要因である由。
米国シカゴ大学のC・M・チャイルド教授は「ある種の昆虫では、十分な食物を与えると3~4週間で生命が終わる。しかし、食物をかなり減らすか、断食を強いられた昆虫は、その活動性と若さを、少なくとも3年くらい保ち続ける」ことを発見し、「断食しているものは、まるで老年期から胎生期へ戻ったかのような若返りを見せる」と述べている。
(2018/5/28)
『やって良かった!1日1食』 病気にならない生き方
船瀬俊介 フォレスト出版 2018/4/20
<身体は疲れず、仕事は軽く2~3倍>
・少食ブームは終わらない!やってみればわかる、1日1食の効果。長生きしたけりゃ、食べるのを減らしなさい!
・「自然な生き方をすれば、120歳まで生きることができるだろう」これは、古代ギリシャの医聖ヒポクラテスの言葉です。
・ヨガの教えがあります。「一生に食べる食物の量は決まっている」つまり、大飯食らいは、食いおさめが、早くきます。少なく食べる人ほど、長く生きるのです。
・有名なヨガ指導者、沖正弘導師は若い頃インドで。152歳のヨガ行者に出会い、その指導を受けています。
行者の食事は、すべて生菜食で、1日の量は、まさに手のひらに載るほど少量だったのです。私の1日1食の暮しは、このような超人的暮らしには及びませんが、根本はベジタリアンの食事です。すべて自炊で。
・3年以上になりますが、こなせる仕事量が2~3倍になりました。かつて、1日の原稿ノルマは400字詰め、30枚。今は、軽く60~80枚をこなしています。そして、疲れない。1日101枚の最高記録も達成。単行本は1冊4日のペースで書けるようになりました。かつてより頭もシャープになっているんです。
<1日1食で若返ったビートたけし>
・「オイラは1日1食しか食べないよ。朝は野菜ジュースだけ」ビートたけしさんが、さらっと語っています。
・それは「朝起きたらまず、野菜ジュースをタップリ飲んで、その後は晩飯まで何も食わない」「軍団のヤツラやら、付き人を連れて焼き肉を食いにいくこともあるけど、オイラは肉をサンチュに巻いてちょこちょこ食って終わりだよ」「まァオイラは自分のリズムに合うからってことで1日1食にしている……」
たけしさんの知人の話も面白い。「60代になってまるでぜい肉がついていないオイラの知り合いは、いつも『腹3分』にしてるっていってた。常に、食いたい量の4分の1しか腹に入れないんだって」
・カロリー制限すると長寿遺伝子がオンになって、若さを保てる。それはもはやだれもが知っている医学の常識です。
もう一つの理由は禁煙です。
<30年以上、1日1食のタモリ流>
・もう一人の有名な1日1食主義者が、タモリさんです。
「オレ1日1食しか食べない」ギネスブックにも登録された長寿番組「笑っていいとも!」内でのコメント。
・身近な関係者の話によれば、「タモリさんはイグアナ芸でデビューしたときから1日1食」といいます。そして、夜8時を過ぎると一切、食べない」。その節制ぶりに脱帽です。
「その少食主義のライフスタイルを見習って、芸能界にファスティング(断食)が広がっていった」とのことです。
<日曜日は24時間の完全断食>
・「笑っていいとも!」通算8054回のうち欠席したのは、わずか12日。休んだ理由も船舶試験、ゴルフ中の事故など。「風邪などの体調不良で休んだことは一度もない」(テレビ局関係者)。これはスゴイ。「いいとも!」生放送でも「1日3食は食べすぎ」と断言。
・さらに中居さんが尋ねます。「1週間に1回、断食しているんですって?」。これにも、さらっと「完全に24時間食べない!」と涼しい顔で答えている。
<何事にも「感謝」を忘れず>
・タモリさんの生き方で感心することがあります。それは何事にも「感謝する」ことです。
・前著『3日食べなきゃ、7割治る!』(ビジネス社)で、私は、“病気治し”と“健康”の秘訣を5つあげています。
「少食」「笑い」「感謝」「長息」「筋トレ」です。
タモリさんの自然体の芸と若さの秘密は「少食」「笑い」「感謝」で解き明かせます。
<水谷豊も千葉真一も1日1食>
・人気刑事ドラマ「相棒」の水谷豊さんも1日1食主義です。1952年生まれ。65歳。
・アクション俳優の千葉真一さんも若い。1939年生まれの79歳。ハリウッド映画でも活躍。
・驚くべきは年齢とは裏腹の若さ。髪も口ヒゲも黒々として、とても80代目前とは思えない。顔の肌のハリ、ツヤもよく、どうみても50代前半。
・若さの秘密を尋ねられ、即答しています。
「一つは『食べないこと』。正確には1日1食しか食べない。体を飢餓状態にすることで、抗老化遺伝子といわれるサーチュイン遺伝子を目覚めさせ、体の細胞を若返らせているのです」
<芸能界は少食・断食ブーム!?>
・芸能人は、身体と若さが資本です。だから、体調管理には、万全を期すのも当然でしょう。
歌手で俳優でもある福山雅治さんも1日1食だといいます。他にも、女優・藤原紀香さんなどもファスティング指導を受けています。
・その他、意外な顔ぶれが1日1食主義です。
「僕は1日1食しか食べない。だから食べ物には、ものすごくこだわる」(ミュージシャン、GACKT)
「1日1食で若いころの体系を維持、いつでも美剣士ができる」(俳優、京本政樹)
「ピンク・レディーの殺人スケジュールを乗り切ったのも、今もミニでステージに立てるのも、1日1食のおかげ」(タレント、未唯mie)
「年2回ペースで断食。採るのは水と酵素ジュースだけ」(歌手、美川憲一)
「ふだんは1日1食、腸内洗浄を毎日」(俳優、故・阿藤快)
「プチ断食を10年以上。野菜果物ジュース約2ℓしか口にしない」(女優、木村多江)
<冴えた状態をつくるには食べないこと>
・作曲家の三枝成彰さん(75歳)も20年ほど前にお会いしたとき、その青年のような若さに驚いたものです。彼も当時から1日1食しか食べない。まさに、文化人の一食主義のさきがけかもしれません。現在の写真も髪は真っ黒で、やはり若々しい。
・「僕たちの場合で言えば、これしかないです。食べれば眠くなるし、頭がボケる」「太りたくないという最大の要因は、もしかしたらそれかもしれない。事実、太っているときに書いた曲って、よくないんだよね」
<活躍の源はファスティングパワー>
・女子プロゴルファーの横峯さくらさん。「活躍を支えた食事」とさくらパパこと横峯良郎氏は証言します。
「スタミナ・持久力となると、これは肉食じゃダメなんだよ。なぜかというと、脂っこいものは消化エネルギーをたくさん使ってしまうから、それだけスタミナをとられてしまうわけ。だから、トーナメントウィークにさくらは一切、肉類は口にしない。代わりにタンパク源は納豆、豆腐、魚から摂るようにしている。それだけじゃないぞ。主食の米は発芽玄米だ。これはね、腹持ちもいいし、ビタミンBとマグネシウムが豊富だから、筋肉を動かすためには必要な栄養が豊富に入っている」
・大リーガー、シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手も「超節制アスリート食事術」で知られます。「食事も鶏肉中心に、雑穀米やゆで卵をとるなどストイックに制限。甘いものは大好きなのに一切食べない。味は二の次。家では、栄養学や生理学の本を読んでいて、その姿は“健康マニア”ですよ」
・アスリートで断食実践派は多いのです。陸上の為末大選手も、「ヒザ痛を治すため断食。頭がすっきりし、感覚も研ぎ澄まされ、病み付きになり、年一度1~3日ほど断食する」といいます。
・プロ野球の常勝軍団ジャイアンツは球団丸ごとファスティング指導を受けているという事実も驚きです。さらに横綱・白鵬も厳密な食事指導をして優勝を重ねているのです。
まさに、食を制するものは、人生を制するといえます。
<煙草、酒、焼き肉、暴力………松田優作>
・このように俳優や文化人で、若さを保っている人に共通するのは、少食であること、断食を実行していることです。逆に暴飲暴食の俳優は、命を縮めているようです。
たとえば、私と同年輩の松田優作さん。
・享年40という若さでした。彼は生前からヘビースモーカーで、常にウォッカのボトルを抱いて、ラッパ飲み。「肉食おう!」が口癖だった。それに、口より先に拳が飛んだ。煙草と酒と焼き肉と暴力………。
<「食べ間違い」は「生き間違い」>
<長年の持病が消えた!>
・「食」という漢字は「人」を「良」くする、と読めます。「良く生きる」ことは「良く食べる」ことです。逆に言えば「食べ間違い」は「生き間違い」となります。
・なお、ひと言に「断食」といっても「1日1食」「半日断食」「水だけ断食」から本格的な長期間断食までさまざまです。本書では、これらを総称して「断食(ファスティング)」と表記しています。
<素晴らしい1日1食!「効能」16大ポイント>
<持病がいつの間にか消えていく>
1. 持病が消えていく
糖尿病など、長年の悩みの種の病気が、ウソのように消えていきます。万病は、身体の中にたまった毒素(体毒)で起こります。ファスティングの排毒効果で病気が消えていくのです。
2. 病気にかかりにくくなる
「風邪を引かなくなった」「インフルエンザにもかからない」
そんな体験者もいます。1日1食で体毒を速やかに排出するので、病気を寄せつけなくなるのです。
3. 身体が軽くなる
体験者が皆、口を揃えていいます。だから、朝も寝起きがよくなり、床離れよく、でもサッサと率先して動けるようになります。
1. 疲れにくくなる
身体が軽いので仕事をしていても疲れない。私は6時間くらいぶっ通しで原稿を書いても平気です。気づいたら、それくらい時間が経っているのです。
1. 睡眠時間が短くなる
これも1日1食で、皆、体感することです。ただし、夜10時には布団に入りたい。10時から夜中の2時の間は生命が入れ替わるゴールデンタイムだそうです。寝つきもよくなります。そして朝4時頃にピタリと目覚めます。それから仕事をするので、1日がじつに有意義に使えます。
1. 肌が若返る
これはファスティングによるデトックス効果です。知らないうちに、体内にさまざまな毒素がたまっているのですが。これらを排出します。「肌は内臓の鏡」ともいわれます。身体がきれいに浄化されると、肌もきれいになるのです。女性の場合、皆から「きれいになった!」「若くなった!」といわれます。
1. 頭が冴えてくる
これも体験者が口々にいいます。脳内のデトックス効果によるものでしょう。記憶力、直感力などが冴えてくるのです。
1. 仕事がはかどる
身体が軽く、疲れにくく、頭が冴えるのだから、当然です。企業なども社内でファスティングや1日1食などを指導すれば、それだけ従業員は健康になり、医療費も節約でき、生産性も上がるのです。
1. 生き方が前向きになる
食べ過ぎで身体が重いときは、何事にも億劫になります。しかし、心身ともに軽くなると、あれこれ考える前に身体が動くようになります。それまで嫌だったことが、嫌でなくなり、楽しくなるのです。
1. 身体が引き締まる
1日1食で、確実にダイエットは成功します。それも、余計な部分が落ちて、健康的なプロポ-ションになります。「ヒップアップした」という女性もいます。
1. 不妊症が治る
「まさか!」と思われるでしょうが本当です。「空腹感」は生殖能力のスイッチをオンするのです。「貧乏人の子だくさん」とは、カロリー制限するほど、子宝に恵まれることの証明です。昔から「痩せの絶倫」といわれます。SEXも驚くほど強壮になることを保証します。
1. 寿命が延びる
カロリー制限で長寿遺伝子がオンになるのです。だから、当たり前です。世界の秘境の長寿村では150歳とか160歳の超老人もいるそうです。人間の寿命の可能性は、私たちの想像をはるかに超えているのかもしれません。
1. 食費が3分の1
朝・昼・晩で各々500円をかけていたとします。朝昼抜いて1日1食にすると、1000円の節約になります。「つもり貯金」で貯金箱にチャリンと入れる習慣をつけましょう!
1. 買い物、料理も楽
買い物の量も料理の手間も、3分の1になります。お茶碗を洗うのも3分の1で済む。お金だけでなく、家事からも解放されるのです。空いた時間を、趣味や運動などを有意義に活用しましょう。
1. 趣味を楽しめる
浮いた食費を趣味に回せば、存分に温泉旅行や海外旅行、さらに絵画教室など、好きな趣味を存分に楽しみましょう。
1. 感性が豊かになる
デトックス効果で直感力が増し、何事にも深く感動する感性が磨かれます。それは、芸術や創作、学問、哲学などに深い啓示を与えて、人間性の幅と奥行きを広げ、人生を豊かにしてくれるんです。
以上、16大メリットを体感して理解する人たちが続出しています。
講演会などで「1日1食、やっている方?」と尋ねると、100人中7~8人の手があがります。
<激しい運動でも心配なし>
<―—体験者の声❶極真空手の師範代>
<ためしてみました、超快調!>
・一人目の証言者。廣岡雅弘さん【36歳、身長178センチ、体重58キロ】は、極真空手の師範代。フルコンタクト(直接攻撃)の極真空手を20歳のときからやっています。
・『3日食べなきゃ、7割治る!』がファスティング開眼のきっかけになったそうで、久しぶりに会って、肌が驚くほどきれいになっていることにビックリ。断食のデトックス効果を目の当たりにしました。彼の体験は、初心者の方に大いに役立つでしょう。
<自宅で1週間断食にチャレンジ>
廣岡:1日1食にしたのは、5月末くらい、それまで、2食でした。今は1週間の断食明けです。始めたきっかけは『3日たべなきゃ、7割治る!』で、「これはやってみよう!」と。この本はバイブルです。この本をきっかけに甲田光雄先生を知り、またそれをきっかけに1日青汁1杯の森美智子さんに、昨日お会いしてきたばかりです。
・1週間の断食にチャレンジしてみました。体調の変化は、最初はつらかったけど、終わってからものすごく身体が軽くなった。すごく頭がスッキリしましたね。あと、肌が若返りました。
・肌が本当にきれいになりましたネ。女性だったら、もっときれいになると思いますよ(笑)
いかに知らないうちに毒をためているか。自分では1日2食、玄米などを食べて気をつけていたけど、やっぱり脂肪などに毒がたまっていたんですね。断食じゃないと落ちないみたいですね。本当にデトックス効果だと思います。やってみてわかりました。まわりの人もびっくりしてました。3日断食でも肌はきれいになったけど、1週間断食の後は、より実感しましたね。
<梅干し、野菜ジュース、すまし汁>
・断食は、すべて自宅でやりました。口にしたのは、朝昼晩で梅干しと野菜ジュースとすまし汁とみそ汁(具なし)の4種類だけ。
<不思議と直感が冴える>
・僕はとくに持病などはなかったです。ただ、身体が軽くなった。頭がスッキリした。そして、不思議と直感が冴えるようになりました。
・「食べなくて体力持つの?」と心配する方へ、廣岡さんのような「空手」の師範代でも、断食をしているほうが身体が軽いといいます。激しい運動をするスポーツ選手ほど、本当は食べてはいけないのです。プロレスラーの力道山は試合前日から一切、食べなかったのは知る人ぞ知るエピソードです。「食べると力が出ない」が理由でした。
断食のスタミナ効果は、ボクシング選手が一番よく知っているはずです。厳しい減量で、試合前はまさに断食状態。それで厳しいトレーニングを重ねて臨み、10ラウンド以上の打ち合いの死闘を繰り広げるのです。断食中はスタミナがなくなるどころか、逆にパワーアップするようなのです。