『怨霊が棲む屋敷 呪われた旧家に嫁いだ花嫁』 第21話
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第3章 多佳子の逆襲4 多佳子の影
「なんてこった!」
伊瀬毅が山で事故をおこして死んでから、五日が経とうとしていた。
その間ずっと、波木多郎は落ち着かない毎日を過ごしていた。
「誰よりも山に詳しかった毅があんな事故を起こすなんてありえねえ。ありゃ、事故なんかじゃねえ。あれは多佳子に殺された。そうだ、そうに決まってる!」
『おまえら、ゆるさない』
納屋で多佳子が口にした怨みの声が頭から離れなかった。
多郎は手にした酒瓶をじかに口をつけ、一気