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ヒンズー教の祭典 クンブ・メーラ

クンブ・メーラ



クンブ・メーラ (ヒンディー語: कुम्भ मेला "kumbh mēlā", マラーティー語: कुंभमेळा)はヒンドゥー教徒が集まり聖なる川で沐浴を行う大規模なヒンドゥー教の宗教行事、巡礼である。


概要

クンブ・メーラ」は世界最大の平和的な集会と考えられており、2013年にイラーハーバードで開催されたマハー・クンブ・メーラでは期間中に一億人の人出が期待されていた。クンブ・メーラは3年ごとにハリドワールイラーハーバード(Prayaga)、ナシクウッジャイン の4か所を持ち回るかたちで開催される。したがってそれぞれの場所では12年ごとに開催されることになる。アーダ・クンブ・メーラ(Ardhaはhalfの意)はハリドワールとイラーハーバードの2か所で6年おきに開催される。沐浴が行われる川はそれぞれ、ハリドワールではガンジス川、イラーハーバードではガンジス川、ヤムナー川、神話上のサラスヴァティー川の三河川の合流地点(Triveni Sangam)、ナシクではゴーダーヴァリ川、ウジャインではシプラ川(Shipra)、そしてネパールのチャタラダム(Chataradham)ではコシ川(Sapta-kausiki)となっている。

クンブ・メーラの「クンブ」はサンスクリットで「水がめ」を意味するクンバ(कुम्भ kumbha)に由来し、「メーラ」(मेल mela)はサンスクリットで「集まり」を意味する。祭りはそれぞれの地にておよそひと月半にわたって開催される。クンブ・メーラの執り行われる4か所は神話の中、乳海攪拌の後、神が不死の妙薬をたたえた水がめを運ぶ際にそのしずくが滴った場所としてヒンドゥー教徒の間で信じられている。2001年の開催時には「世界最大の巡礼者の集会」と銘打たれた。参加した巡礼者の数を正確に数えるすべはなく推計にもばらつきがあるが、2013年開催時のもっとも縁起の良い日とされた2月14日にはおよそ8000万人が参加したとされている。

伝統的にマウニ・アナバシャ(Mauni Amavasya、開催期間中の新月)の日に最も人を集める。2013年イラーハーバードの開催でも2月10日には13のアカダ(Akhara、道場のようなもの)が沐浴(Shahi Snanam)を行い期間中の一番と二番の沐浴者数を記録した。この年はマハー・クンブ・メーラということもあり過去最多の人出を記録。一日に平和的な目的で人が集まった人数の最多記録ではないかともいわれており、3000万人を超える信者、苦行者がマウニ・アナバシャの聖なる川に身を浸した。

クンブ・メーラに関する最初の記録は中国の僧、玄奘の記述に見ることができる。玄奘は629年 - 645年にハルシャ・ヴァルダナの治世下にインドを訪れたが、このような川で行われる祭りは何世紀も以前に形作られていたようである。中世まで下ると神学の中でその祭りの起源を神話、すなわちもっともポピュラーなプラーナである『バーガヴァタ・プラーナ』と結びつける記録がでてくる。乳海攪拌の挿話がそれであり、『バーガヴァタ・プラーナ』、『ヴィシュヌ・プラーナ』、『マハーバーラタ』、『ラーマーヤナ』のそれぞれで触れられている。

ドゥルヴァーサ(Durväsä Muni)の呪いにより力を失ったデーヴァは呪いを解くためにシヴァブラフマーに接触する。一行は半神を引き連れてヴィシュヌの元へと赴く[8]。一行が祈りをささげるとヴィシュヌはアムリタを受け取るために乳の海(Ksheera Sagara)をかき混ぜるようにと説く。そしてアムリタの半分を分け与えるという条件で宿敵アスラ達の協力を得て目的を達成した[9]。しかしながらアムリタの満たされた水がめをめぐってアスラとの間に争いが起きる。12日と12晩(人にとっての12年)にわたりデーヴァとアスラは水がめをめぐって空で争い、その最中に水がめを抱えたヴィシュヌがアムリタのしずくを5か所にこぼしたとされる。すなわちイラーハーバード、ハリドワール、ウジャイン、ナシクとチャタラダムの5か所である。

儀式




ナーガ・サドゥー(Naga Sadhus)の行進。1998年、クンブ・メーラ。

開催地のそれぞれの川、すなわちハリドワールではガンジス川、ナシクではゴーダーヴァリ川、ウジャインではシプラ川、イラーハーバードではガンジス川とヤムナー川、神話上のサラスヴァティー川、これら三河川の合流地点(Triveni Sangam)で行われる沐浴が最大の目的となっている。ナシックは沐浴への最多参加者数を7500万人としている。その他宗教的な議論、ヒンドゥー聖歌の詠唱、僧侶や苦行者などの聖人と貧困者が参加する大規模な炊き出し、教義をめぐる討論と解釈の共有のための集会などが行われる。クンブ・メーラはもっとも神聖な巡礼であると考えられている。僧侶や苦行者なども含む広い意味での聖人が何千人も一堂に会することもまた、この祭りを特別なものとしている。いたるところでビブーティ(Vibhuti、聖なる灰)を体中に塗りたくって黄色い布に身を包んでいるサドゥーを見ることができる。なかでもナーガ・サドゥー(naga sanyasis)と呼ばれる人々は厳しい冬でさえいかなる衣服も身につけない。

Wikipedia参照


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