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【詩】無・じゅう・りょく4

前が静かだ 明るく晩秋 誰かがどこかで引くピアノ 足先に響く

風に丸く切り取られた場所で枯れ葉が目論んでいるフェイント
分かっている やってみなよ でも通り過ぎて次の時間
急に冷たくマフラーを忘れたことが寝不足以上に悔やまれるのは
 悔やまれるって繰り返すことが悔やまれるって

 ふ ふ 震えているね 追いかけてくる風にそう言われても隠せない
クリックしても消えないんだ この状況 
軽いズムでいけば 同じ時間に同じ加速しておまけに無抵抗だから
駅でもどこでもカフェでもいつでも行きたいところに行けるんだ

 は は 腹が減った じゃなくて 喉が渇いた
チリンチリンと扉を開ける
恋しくて焦点の合わないテーブルの背景がパンして
カップから湯気の干渉と直後のあのかちりとお皿と触れ合う音がして
何かが始まるような何かが失われるような 間 
それは公式行事の時だけです ノスタルジーより

 ここはもっと軽い紙コップで 軽いずむなんだ BGM和音がジャジーです
それはどうでもよくて まず一口 エムピー 今が胃まで満たす茶色
ああ 幸せ 苦いズム む む 無がいい 無が 
いい 無がいいな 無が いい無我夢中 無に夢中だ
無が 無が 無が 無噛むガムが あればいいな 
もっと カジュアル もっと シリアル
もっとまてりある 
        じゃなくって
無重力なら もともと無で もともと自由で 
無 アンド じゆう で
無・じゅう・りょくなら もっと自由で
もともともっとむで もっとじゆうで ゆうで 有でなくて 優で
優でなくて 遊でなくて 悠でもなくて
ずっとむで 無で ムで デニムでい い・た・いーー   

痛くないから


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