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桜美林中学2024年度国語2月3日午後(大問二)とってもわかりやすい中学入試過去問の解説
※この解説は、私立中学校からの公認を受けたものではありません。
単なる一個人の見解であることをご承知おきください。
より正確な解説は、過去問題集などでご確認ください。
中学受験国語の成功の極意は、
①できるだけたくさんの過去問を解いて、
②正解の理由をよく理解して、
③何度も読み返して復習することです。
間違えた問題は、本文の正解の理由になる部分に色をつけると効果的です。色鉛筆で問題ごとに色を変えてみてください。
受験生の皆さんなら、一度は齋藤孝先生の本を読んだことがあるかと思います。ものすごい著作の数ですよね。
物事を理解するためには、知っている語彙の数が多い方がよいそうです。
こちらで日本語の語彙数がわかるらしいです。ご家族の皆様で測定してみてはいかがでしょうか?
問一1書き出しの部分に「語彙は、世界観を表すものでもある。個々人の思想や、社会の現状をどう見ているか、どういう社会を目指しているかによって変わってくる。それが増えるということは、その分だけ多くの視点や概念を持てるということだ。」とあります。その大切な語彙を「どうすれば語彙は増えるのか。」と話題が変わっています。
2少し下に「逆に」とありますので、逆説の接続詞を選びます。
3後ろの部分に「使われている語彙を理解できないからだ」と理由が書いてあります。(学校を休んだ。なぜなら風邪を引いたからだ。)
4前の部分に理由があります。「特定の経済理論や経営学やビジネスの仕組みがわからないのではなく、そこで飛び交っている言葉に馴染みがない」ので「そもそも脳内で漢字に変換することも、考えることもできない」訳です。(風邪を引いた。だから学校を休んだ。)
問二1「とっつきにくい」は「親しみがもてない、付き合いづらい、初めはなかなか慣れない」という意味です。
あの先生は怖そうな顔をしていて、ちょっととっつきにくい感じがするね。
2「心もとない」は「心細いこと、頼るものや自信がなくて不安なこと」です。
偏差値の高い中学を受験するのは、自分の学力では少し心もとない。
問三A「大前提」とは「それがなくては話にならないこと」です。
B「要領を得ない」とは「説明がへたで大事なことがうまく伝わらないこと」です。
C「容易に想像がつく」とは「すぐに思いつく」ということです。
問四13ページの前の方です。「言い換えるなら、書き言葉を訓練することが、話し言葉の密度を上げることにつながる。」のあとに、「多くの活字を読んできたり、あるいは多くの文章を書いてきた人は、原稿を朗読するように話すことができるのである。」と続きます。
たくさん本を読んだり文章を書く練習をすれば、話すことも上手になるということです。
問五直前に「たとえばニーチェの語彙がわかれば、その思想も理解できるようになる。」と書いてあります。ニーチェの使っている言葉の意味がよくわかってれば、ニーチェの言いたいこともはっきりとわかるということです。
プログラミング言語の意味がわかっていれば、プログラムの内容もわかるのと同じでしょうか。
問六すぐ後ろに「遠く平安時代から江戸時代にかけて、公式文書を男性が書く場合には漢文を使うという不自然とも言える伝統が受け継がれていた。」と書いてあります。
中国語をお手本にして日本でも漢字を使うようになったのですが、文字で書く時には中国語のように漢字だけにするという謎のルールがありました。
普段話している日本語と、文字に書かれた日本語の間にはとても大きな違いがあったのです。
問七次の段落に『特に日本語の場合、同音異義語がきわめて多い。「こうぎをする」と言っても、大学の「講義」なのか「抗議」なのかは、前後の文脈から聞き取ることになる。その際も、それぞれの漢字を知っているから判断できるのである。』と書いてあるように、音を聞いただけではどの意味の言葉なのかがわかりにくい特徴をもつ日本語でも、漢字を思い浮かべることでわかるようになるということです。
講演会の聴衆の皆さんも「漢字仮名まじり文」で話を聞いていると答えていますね。
問八15ページの後ろの方です。「そのことは、たとえ同年代でも、日常的に新聞や専門誌を読んでいる人とそうではない人を比較してみれば明らかだ。前者は活字から得た語彙を自然に使えるが、後者はそういうインプットがない分、少ない語彙で賄おうとするため、どうしても子どもっぽい話し方になってしまうのである。」
友達と普通にしゃべる場合、固い表現はまず使いませんね。
問九15ページの前半で、言葉のやり取りを「これはサッカーで言えば、基本中の基本であるパス回しのようなものだ。」と例えています。
高度で実践的なパス回しの練習をしてサッカーの技術を高めるように、普段から意識的に書き言葉の訓練をして語彙力を高めることがコミュニケーションの質を高めます。
問十少し後ろに「日本語についても同様だ。コミュニケーションは、いつも友人同士で気楽に雑談できるような場面ばかりとは限らない。むしろ社会人になれば、時間をはじめ、組織人としての責任、相手への気遣いなど、さまざまな制約条件が加わる。その中で、いかにうまく〝パス〟を出すかが求められるわけだ。」と書いてあります。
サッカーの練習で敵選手役を作って高度なパス練習をするように、どんな状況でも相手に正確に内容を伝えられるようになるには、「書き言葉の訓練によって漢字や熟語の運用能力を高めるしかない」のですね。
問十一すぐ前の「ところが日本語の場合、自分がどれだけの語彙を持っているのか、数千語なのか一万語を超えているのか、答えられる人は少ないだろう。慣れ親しんだ母国語という気安さもあって、考えたことすらないかもしれない。」をまとめます。
問十二この文章の小見出しは「語彙が増えれば世界が広がる」「書くように話せますか?」「漢字を知らなければ豊かな表現もできない」「語彙力の訓練で言葉のパス力を高める」「語彙力の個人差は意外に大きい」です。
「書き言葉にふれて語彙力を増やすことで豊かなコミュニケーションができるようになる」ということです。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
これからも頑張ってわかりやすい解説を書いていきます。
受験生の皆さんも問題の文章を繰り返し読んで読解力を身につけてください。
合格をお祈りします!
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