親よりお姉ちゃんに感情移入してしまう

Eテレで放送中の「ハロー!ちびっこモンスター」をよく見ている。

乳幼児の育児に奮闘する親(主にパパ)をモニタリングし、ピンチの瞬間に保育士インフルエンサーのてぃ先生がアドバイスする、という趣旨の育児情報番組だ。

そこでよく目にするのは
まだ幼い弟や妹(赤ちゃんのケースが多い)のために、上の子が我慢を強いられるシーン。
幼い弟妹が、悪気無く上の子の権利を侵害
→親が上の子の傷付きに気付かない
→親は上の子をケアをせず、弟妹をフォロー
→上の子が我慢の限界に達し、弟妹を攻撃orわがままで親を困らせる
→てぃ先生が上の子の心に寄り添うようアドバイス
→子育てが上手く回りだす
…というお決まりのパターン。

親の大変さは痛いくらい良く分かる。
一人でも大変なのに、子供が複数いたらなおさらだろう。

でも、親よりも上の子(特にお姉ちゃん)に感情移入してしまう。

てぃ先生のアドバイスを受けた親が
盾になって、下の子からお姉ちゃんを守るシーンを見た瞬間、涙が出てしまった

自分の幼児期を鮮明に覚えている訳では無いけど、自分にはこの経験が乏しいことをハッキリ感じた

あぁ、私もこういうふうにして貰いたかったんだなぁ、と。

親が自分の気持ちを理解し、守ってくれたら
わざわざ自分より弱い者をいじめる必要はない。わがままを言う必要もない。
これに早い段階で気付けた親子は幸いだ。

親が上の子の傷つきに気付かないまま
上の子を責め、下の子を庇い続けると

上の子は赤ちゃん返りしても無駄だと悟る

それでも親から愛されたくて
下の子よりも注目してもらいたくて

今度は親の顔色を伺い、良い子を演じ始める

それに味をしめた親は、条件付きの愛情を送り続け、「良い子」が強化される

そのうち親だけでなく、先生や大人全般の顔色も伺うようになり、しっかりものの優等生キャラの出来上がり。
そして大人の見えないところで、そのストレスを自分より弱い者にぶつける。


娘をいじめた優等生キャラの女の子達
やり方が巧妙で陰湿で、当時は憎くて憎くて仕方がなかった。けれどある時、
「これは昔の私の姿かもしれない」
と気付いてハッとした。
因果応報。世の中本当によく出来ている。

今思えば、自分は本当に嫌なヤツだった。

親や先生の前では要領よく振る舞っていた。
空気を読み、期待された通りにこなす。
それが出来ないやつは馬鹿だと思っていた。
「自分より下」と思う子を馬鹿にし、影で意地悪なことも言っていた。それを親は全く知らない。先生からも咎められたことは無かった。


全く共感されない話かもしれないけど
でも、こんな生育環境だった人も少なくないんじゃないかと思う。

自分が親となった今、当時の行いを深く反省し、後悔し、恥じている。

ただ一方で、母に対しちゃんと自己主張し、程よい距離感でお付き合いできている妹を見ると(私と妹は仲が良いにも関わらず)
「自分だけの力で今のポジションを獲得したと思うなよ」と心の中で思ってしまう自分がいる。



















いいなと思ったら応援しよう!