ストーリー作り|学びの記録.02 焦点を絞る
人間の脳は、何かに集中しているときに、不要な情報を無意識にふるい落とします。ですので、読者の注意を引きつけるためには、物語から不要な情報を排除し、焦点を明確にすることが大切です。
今回は、物語の焦点を保つための方法を勉強しました。
物語は、最初から最後まで、その物語を貫く1つの答えに到達するために作られます。
読者が知る必要のない情報で溢れている物語は、もはや物語ではなく、単なる出来事の寄せ集めに過ぎません。
焦点が定まらない物語は、結局何も伝えられずに終わってしまいます。もし2〜3行で内容をまとめられない物語であれば、まとめられるまで全体を書き直すしかありません。
焦点を明確にしよう
焦点がないということは、物語のさまざまな要素の意味を解釈する手がかりがないということです。焦点が曖昧な物語では、物事を判断する基準が見えません。
では、この「焦点」とは具体的に何なのでしょうか?
ここでの焦点とは、物語を展開するために機能する、次の3つの要素が統合されたものと定義します。
①主人公が直面する課題
物語というのは、主人公が最終的に目標に到達できるかどうかだけを描くものではありません。主人公がその目標にたどり着くために、内面的にどんな課題を乗り越えなければならないのかを描くものです。これが物語を進行させるエネルギー源となります。
②テーマ
物語が人間の本質について伝える内容です。登場人物の関わり方に反映され、物語の世界で何が可能かを決定します。主人公の努力が成功するか失敗するかも、テーマによって左右されることが多いです。
③プロット
プロットは、主人公が目標に向かう過程で、避けたいと思っている問題に何度も直面させられる出来事のことです。これにより、主人公が逃げずにその問題に向き合わざるを得なくなります。
これら3つの要素が結びつくことで、物語の焦点が定まり、読者に内容を伝えつつ、展開や意味を理解させ、物語の方向性を予測させることができます。
焦点の絞り方
登場人物も読者と同じく日々の生活を送っています。食事をしたり、眠ったり、買い物に出かけたり、美容院の予約を思い出したりする日常があるわけですが、こうしたすべてを物語に盛り込む必要はありません。
そのかわりに、作者は物語のゴールに関連する出来事を選び出し、それらが連続して主人公に試練を与えるように構成します(つまりップロット)。
物語に含める情報を、主人公の人生の特定の側面に絞ることで、物語の焦点が明確になります。
主人公の問題とプロットの関係
プロットは、主人公の能力を試し、次第に難易度が増していく障害を設定するものです。主人公が成功に近づくためには、これらの障害を乗り越えていく必要があります。
しかし、プロットの本質的な役割は、単に主人公が成功できるかどうかを示すだけではありません。主人公の成功を妨げている根本的な内面の問題にも直面させることが重要です。
内面の問題とは、主人公が抱える「決定的な弱点」であり、深く根付いた恐れや誤解、問題のある性格などです。これらを克服しない限り、主人公は最終的な障害に対して立ち向かうことができません。
したがって、プロットを作る際は、単に障害を並べるだけでなく、主人公の感情の浮き沈み(感情曲線)を意識して取り入れることが大切です。
読者の注意をとらえるためのチェックポイント
①物語の要点は何か
読み終わった後に、読者にどんなことを考えてもらいたいのか? 彼らの視点や世界観がどう変わったら嬉しいかを考えてみましょう。
②主人公の描写がテーマに合っているか
主人公の行動や扱われ方が、自分が設定したテーマを反映しているか? また、プロットの展開や意外な展開が、主人公が内面の問題や自分を制約する要因に向き合うように導いているかを確認すること。
③プロットとテーマは物語の答えに結びついているか
読者の心の中には常に物語の答えがある(答えを求めている)ことを忘れないでください。テーマが織り込まれた各出来事が、その答えを支える役割を果たしているかどうかが重要です。
④物語を一言で要約できるか
自分の物語が何について語っているのか、短い一節で簡潔に説明できますか? テーマがプロットをどう形作っているかを確認するための一つの方法です。
物語を作る上で「焦点を明確にすること」の重要性を学びました。
読者の興味を引き続けるためには、自分の書きたいことを全て書くのではなく、物語のゴールに関わる重要な場面に絞るべきですね。
主人公の内面的な成長や課題に沿ってプロットを構築することも重要ですね。テーマ、プロット、主人公の感情を意識し、読者が物語に没入できるような構成を心がけていきたいです。