僕の味方は、どこにいる?
「僕は養子ではないかと思った1回目の出来事」
その日、兄にイジメられた僕は、泣きながら父の部屋に駆け込んだ。5歳の僕にとって、父は「最後の砦」ならぬ「最初で最後の砦」だ。
頼れるのは父しかいない!
父は僕の泣き顔を見るなり、少しだけ溜息をつきながらも、「何があった?」と聞いてくれた。そこで僕は意を決して、兄に虐められたと訴えた。父の表情が少し険しくなり、兄を呼び出して叱り始めたのだ。
父の低い声に、兄も無言で耐えながら、時折「はい、はい」と神妙な顔で頷いているようだった。
今この瞬間、僕には最強の味方がいる!
そう思わずにはいられなかった。
でも、それはほんの数分の喜びだった。
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