小さな家来の反乱

「その写真を見るたびに自分の存在がわからなくなる」

我が家では、兄はまさに「王子」の待遇を受けていた。
何をしても褒められ、どんなわがままを言ってもは母優しく微笑んで
首を縦に振る。兄の言葉はまるで家族にとっては神託?絶対の掟のようだった。あるいは絶対的な父親とか。

6歳の王子である彼は、絶対的な権力を握っていた。
まあ、僕が兄と決別するまでずっとだけど・・・
それはまた別の話になるので、今は当時の話をしよう。

僕はというと、当然ながら逆らわないーーーーいや逆らえない。
何せ、僕はまだ3歳の弟、つまり小さな家来なのだから!

毎日が家来としての修行だった。王子が「水をもってこい」と命じれば、僕はおもちゃを置いて水を運び、「これを持っていろ」と言われれば良いと言われるまで持っていたり。
「まるで、どこかの古びた映画に出てくる従者のようだな」
なんて今なら皮肉をこめた気持ちで笑えるが、当時の僕にはそれが日常だったので疑問すら浮かばなかった。家族とはそういうものだと思って言いたし、何より母は、そんな僕を「それが当然でしょう?」とでもの言いたげな目で見ていた。ここでは、僕がなんでもするのは「当たり前」らしかった。

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