サステイナブルな東海道行脚記録【静岡編】①<箱根宿~由比宿>
こちらの記事の続きです。
東海道をじわじわ行脚するお散歩記録。
【計画・目標(おさらい)】
・東京の日本橋から出発して、徒歩で京都の三条大橋まで辿り着く。
・一回で踏破するなんて到底できないので、無理のない距離を歩く。
歩き終わったら一旦セーブして帰宅。
次回はセーブ地点からまた歩き始める。
・Q.何の意味があるの?
A.とくにないです。歩くのが好きだから……。
【静岡編(前半)】
・前回から1年半。かかりすぎ。
・東京住みなので、静岡県への移動は新幹線がほぼ必須。ここまで来るともはや言い逃れできないレベルの「旅行」だ。言い逃れってなんだよ。
・したがってこの先は、日跨ぎの行脚がメインになってくる。行って、歩いて、ビジホで寝て、起きて、歩いて、帰る。もちろん観光なんてする余裕はない(近場にある城とかは寄ったりするけど)。
金の無駄だと思われるかもしれないが、考え方を変えれば、旅行の中で最も安上がりなプランを立てているとも言える。言えるよね?
箱根宿~三島宿(14.4km)
・さて、半年ぶりに箱根でリスポーン。
・去年辿り着いた時は霧の中だった。あれもあれで風情あったけど、やっぱ快晴の下だと映えるね。
・ここから山をちょっとだけ上り、その後一気に下っていきます。
・街道は早々に終わりを告げ、足元の微妙な山道へ。
・とにかく坂を上る。石畳だったり土の道だったり、舗装された道は当然少ない。付いてる名前もなんだか物騒だ。
・たまに車道と徒歩コースが交わり、渡ることになる。
・が、もちろんこんな山の上を歩きで通る人間など少なく、信号機なんて設置されていない。自動車は人通りなんか無考慮でビュンビュン飛ばしてくるので、ここを突っ切るのはけっこう怖かった。山特有のくねくね道のせいで、それほど遠くまで見通せるわけでもなかったし。
・激流渡りの試練を何とか乗り越えると、ようやく峠に到達。
・ここから海抜0mまで一気に下っていきます。
・静岡県到達!
いよいよ引き返せないところまで来ちまったぜ。
・道中、パックの日本酒がお供えされている謎のお墓が。
・由緒書きがあったので読んでみたら、結構めちゃくちゃなことが書いて面白かった。こんな変なこと市が書いていいんだ。
・こういう「いい話……か?」みたいな反応に困るエピソード、江戸時代あたりに多がち。東海道では随所でこれに類するものを読むことができるので飽きない。
・「山中城跡」という城跡が道中にあった。ところどころ真っ平なだけの林だった。
・唐突に現れるアスレチック。たのしそう。子どものころ親の車でこれの前通ったら絶対行きたがっただろうな。
・有名な三島スカイウォークを尻目に、下へ下へ。
・景色はマジのマジで最高なんだけど、本当にただひたすら下り坂なのでここら辺りから足に違和感が生じてきた。
・「上りより下りの方が足へのダメージは大きいらしいよ」みたいなよくある言説、すみません、アレ正直信じてませんでした。「ハァ?」って思ってた。上りの方がキツいに決まってんだろって。
・ようやく身に沁みました。一歩一歩すすむごとに、全体重が足の裏にドシンとのしかかる。増して大半はアスファルト舗装の良い道じゃなくて石畳だったわけで、まあしんどい。
・そんなこんな言いつつ、ようやく麓っぽい場所まで降りてきた模様。
・道中に三嶋大社も。なぜか大量の鹿が飼われている神社です(前来た時に見たので今回はほぼ見なかった)。
・そこから街の中を歩き……
・三島宿到達!
・けっこう街中で、あんまりそれらしい建物は残っていなかった。宿場町が商店街になっているのはけっこう定番だ。
・足は既にかなりの悲鳴を上げていたが、あいにく予約した宿は沼津駅の近く。選択肢は前進しか無い。踏ん張るぞ!
三島宿~沼津宿(6.2km)
・街並みを歩いていく。正直なところ、ちゃんと舗装されているだけでかなり嬉しい。
・あ! 避妊具の自動販売機!
・実物を初めて見た。地味に感動だ。
・立派な一里塚が立っていた。うれしいね。
・神奈川編でも書いたとおり、主要な道のすぐ脇にこんもりと築かれた一里塚は、開発という観点から見るとかなり邪魔で、山中でもなければ明治時代の時点で撤去されて殆ど跡形もなくなっていることが多い。ところがここの一里塚はお寺の敷地内にあるらしく、ほぼそのままの姿を維持できたようだ(昭和に一度復元はあったらしいが)。
・一里塚の妙なオブジェクト感はけっこう好きなので、どうにか末永く残っていてほしい。
・ここでちょっとだけ寄り道して、湧き水で有名な柿田川公園へ。
・なんかめっちゃ青い湧き水が見られるらしい。なんだそれ?
・けっこう広い公園の中に、けっこう広い池?沼?がある。そこを覗く展望台みたいなところに行くと、まんまるい井戸を見ることができた。
・青っ!
・めちゃくちゃ青い。なんか怪しい化学物質が解けてるとしか思えない。
・しかもなんか、下の方の砂がボコボコうごめいている。人工的なポンプが埋め込まれているようにしか見えないのだけど、これも自然によるものらしい。自然ってすげえー。
・そんな感じでちゃんとした観光地も抑えつつ、歩行再開。
・背景に本邦最高峰がいるとやっぱり映えるな~。
・狩野川を横目に見ながら海へ海へ。
・だんだんと街並みが発展してくる。
・沼津宿到着!
・箱根の峠から一気に下り、ついに海沿いの港町へ到達。達成感はあったけど、わりと足はズタズタだ。
・そそくさと予約していたビジネスホテルへ。今は一刻も早く腰を落ち着けたい……
・とってたホテルがこうなっていた。
・別に狙って予約したわけではない(そもそもラブライブあんまり知らないし)。沼津という街全体が「こう」なのだ。
・商店街の街頭一つ一つにキャラクターののぼりが垂れていたし、連なる店舗の至る所にも彼女たちがポーズをとっていた。ラブライブの人気絶頂期って10年近く前なのに、未だにこの推され方なのはすごいな。
・そんなこんなで、ホテルのベッドに倒れ込み眠る。
明日には足のダメージが回復していることを祈って………。
沼津宿~原宿(6.1km)
・全然回復しなかった。
・これは散歩旅行を数回繰り返して分かった逆説だが、足へのダメージは、休まず歩き続けている限り何とかなる。ただ、一度腰を下ろして体重から解放してしまうと、もうそれ以上の刺激への耐久力を失ってしまうのだ。つまり、日跨ぎで散歩したいならば、二日目より一日目に本気を出した方が歩行距離を伸ばしやすい。
・このときはそんなこと知らなかったので、普通に二日目も一日目と同じくらい歩こうとしていた。まだ痛いけどまあ歩いてくうちに慣れるやろ! と甘すぎる見通しを発揮し、ホテルをチェックアウト。
・原宿到着! ここが竹下通りですか?
・体力ゲージは赤だけど、まだ今日は6キロしか歩いていない。ここで諦めるわけにはいかない……!
原宿~吉原宿(9.0km)
・続いて吉原宿へ。ひぃひぃ。
・ひぃひぃ……
・ひぃひぃ………
・まずい。さすがに足が痛すぎる。
・まだ次の宿までは結構あるけど、なんか骨っぽい痛みまで出てきていよいよ本格的に危険信号な気がしてきた。このままでは絶たれる。選手生命が。
・二度と散歩できない身体にはなりたくないので、さすがに行脚敢行は諦め、帰宅することにした。捕獲可能段階のリオレウスみたいな歩き方でなんとか吉原駅へ。ひぃひぃ。
・ということで一時中断。東海道行脚、初の敗北———
~数か月後~
・夏の猛暑期を挟んで、2023年9月。ようやく歩ける気候になってきたのでリスポーン。
・改めて歩いていくぞ!
・「東海道を江戸から京に上るときは、富士山はいつも進行右側に見えるが、この地では街道が逆行するような形になっているために左側に見えるので、「左富士」といわれている」らしい(「人力」より引用)。
富士山の見え方が場所そのもののアイデンティティになっているの、面白い。
・「平家越」の碑。富士川の合戦が行われたのがこの辺りなんだそう。
・吉原宿到着!
・駅前にある東海道の宿場町って、どこもかなり似ている。屋根付きの商店街で歩道が広く、そしてほぼほぼシャッター街になっている。歴史あるお店が多いのだろう。頑張ってほしいね。
吉原宿~蒲原宿(11.1km)
・天気もいいし足の調子もよい。西進西進!
・静岡に何本か流れているデカい川。の中でも特に有名な富士川です。
・でかいな~。東京住みなので多摩川や荒川にはなじみがあるけど、そこら辺よりも流れが激しい気がする。幅はどっこいどっこいか?
・長い長い橋を渡って富士川越えを達成し、引き続き歩行。
・超でかいパイプが突如出現したのでびっくりした。水力発電所らしい。迫力がある。
・東海道を歩いていると、さっきまで海沿いの道だったのにもう山沿いだったりする。いかに人々が海と山の間隙を縫うように暮らしているかが分かるな。
・ということで蒲原宿到着!
・あまり写真を撮ってなかったけど、この辺の街並みはかなり良い。東海道は総じて木造の歴史的な建物が多くていいんだけど、特にね。
蒲原宿~由比宿(5.4km)
・引き続き由比宿へ。5キロちょっとの短い宿間。
・もう着いてしまった。由比宿到着!
・あんまり写真撮ってなかったな。油断していた。
・正雪紺屋というのがあった。江戸時代初期から続いている染物屋らしい。
・もしかして由比正雪の正雪? と思ったら、本当にそうっぽい。由比宿ってそうなんだ。
・ということで、由比駅まで進んでセーブ。
・長くなりそうなので一旦切ります。
>>静岡編②へ続く…