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ハヤシライス。

"HSP勢"で"内向型人間"のオタクがお送りする「オタ語り」。

今回はずばり私の大好きな料理『ハヤシライス』の魅力について語っていきたいと思います。

※今回の記事は約4,500文字となっております。


HSPに「刺激物」は要注意

世間では圧倒的に「カレーライス」が人気ですが、"HSP"と"内向型人間"という特徴を持つ私は、マイナーなものに惹かれることが多く、断然「ハヤシライス」が好きです。

HSPの気質がある方なら、共感していただけると思いますが、私はとにかく「刺激」のあるものが苦手です。

先日、「激辛ポテトチップス」を食べた高校生が救急搬送されるというニュースが話題になりましたが。

私にしてみれば「香辛料」という文字が入っている食品を購入することは徹底的に避けるくらい、日常の食事では刺激物をできるだけ摂取しないように努めております。

香辛料に限らず、カフェインなどにも気を付けているので、コーヒーや紅茶も、ほとんど日常生活で飲まない生活を送っています。

最後にカレーを食べたのは何十年前だろうか…というレベルで、しばらくカレーを食していない気がします。

「刺激が無ければ人生つまらない」という人もいるかもしれませんが、過去を振り返ると、「スパイス」への欲望というものが、世界を植民地化し、戦争を引き起こしてきた一面もあるのです。

世界中から食べ物を踏んだくり、「刺激」を求めて"野蛮な国"を次々と植民地化していったのは、実は「外向型」の人たちであったという点は否めないと思います。

「争いが嫌い」な内向型人間がいることで、世の中の平和を保てている部分は大きいと、私は自負しています。

今でこそ、フェアトレードという言葉が少しずつ社会に浸透してきましたが、コーヒー豆だって、長らく先進国が途上国に対して「収奪」を繰り返してきたという歴史があります。

実は、世の中が刺激を求めるほど、弱い立場の人たちにしわ寄せが行く、というのが現代の社会構造の一面でもあります。

誰かの「刺激」を満たすために、立場の弱い人たちが犠牲になっている、ということについて、私はもっと関心を持ってもらいたいと思っています。

「ハヤシライスの本」は…ない!

カレーに比べて大いに過小評価されている、『ハヤシライス』。

でも実は、カレーライスよりも歴史が古いとされています。

とあるWebで「ハヤシライスはカレーのパクリ」とかいう発言を見て、私は心底不満に思っています。本当はハヤシの方が先なんですが!!

そんなハヤシライスなのに、世間に出回っている「ハヤシライスを扱った書籍」というのがほとんど見当たりません。

唯一AmazonのKindleストアで見かけた「ハヤシライス食べ歩き」という本がヒットしたくらいですが、私が欲しかったのはコレジャナイ。

世の中には様々な"カレー読本"があるのに、ハヤシライスをメインに扱った書籍が一冊もないなんて…悲しすぎる。

私は内向型人間で、基本的にほとんど外食をせず自炊派なので、「食べ歩き」の本はあまり興味がありません。

私が読みたかったのは、ハヤシライスにまつわる歴史や文化、レシピなどが掲載されている"ハヤシ読本"であって、さすがに一冊くらいあるだろうと思ったのですが…
(抱き合わせで他の洋食と一緒に載ってる本はいくつかありました)

"調味料"は自分で作れる

カレーに比べて、なぜハヤシライスがこんなにも人気がないのか、ちょっと自分としては納得がいかないところは多々あるのですが。

市販のルウを使わなくても、ケチャップとウスターソースでハヤシライスは作ることができます!

そして、せっかくレシピを掲載してくれたカゴメさんには申し訳ないのですが、私は市販のケチャップは使わないことも多いです。
(大体のケチャップには香辛料が原材料として入っていることもあり)

クラシルさんのレシピでも紹介されているように、ケチャップは酢と塩コショウ・砂糖のみでも十分美味しいです。

日本人は労働時間が長く忙しいのか、調味料は市販のものを使う方が多いのかもしれませんが、私は個人事業主として生計を立てており、自分の時間を比較的多く持つことができるので、調味料もDIYで作り置きしておくことにしています。

市販品は塩分や香辛料、化学調味料などが多く含まれていることもあり、HSPである私にとっては刺激物が気になるので、やはり自分に合ったものを用意しておきたいし、自分で作ることも楽しいので、慣れてしまうと意外とそこまで面倒くさくありません。

なお、「ウスターソース」ですが、こちらはスパイスを使うのが一般的のため、自宅で作るのが難しい一品でもあります。

私は、鳥居食品さんのソースを愛用しています。
一般的な量産品よりは確かにお値段は張りますが、木桶で熟成させていたり、手間をかけて作られているため、優しい味がします。

お子様にもやさしい野菜の風味

私どものソースづくりの話を聞いて「ソースって野菜から出来ているんだぁ」と驚かれるお客様が大勢いらっしゃいます。そもそも(ソースの)黒っぽい色から野菜を連想しろというのが無理難題な話かもしれませんが、このような感想が出るということは、日頃口にしているソースに野菜の味がしないことの裏返しかもしれません。

そこに私どものソースを味見していただくと「うわぁ野菜の味がする~」と違う意味で驚かれます。

私どものソースには野菜をふんだんに使っています。そのため、野菜の味がするのは自然な反応だと思っています。ソースの配合レシピは企業秘密の世界なのでそう簡単に他社と比較してどれだけ野菜が多く含まれているか表現することはできません。

出典 https://www.torii-sauce.jp/products/detail/4

香辛料にしても、甘みのある成分を中心に使用しているため、刺激物が苦手な方にもおすすめです。

粉末ではない原形香辛料

トリイソースは、シナモンやナツメグ、クローブなど、甘さを引き立てる香辛料を多く使っています。

出典 https://www.torii-sauce.jp/products/detail/4

ハヤシライス同盟

世の中に一冊はあると思っていた「ハヤシライス関連の書籍」の存在が確認できなかったり。

世の中においても、カレーと比較してかなり人気に水をあけられているハヤシライスですが、自分の人生の中においても、三本の指に入るほど好きな料理でありまして。

ハヤシライスを愛してやまない人たちによる「ハヤシライス同盟」的な活動がもし、世の中にあるのならば、所属してみたい今日この頃です。

(と言っても、外食はしない人なので、お店で作られているハヤシライスについては、ほとんど詳しくないのですが)

ただ、書店の「丸善」の創業者の方が考案したという説が有力なので、店舗に併設されているカフェで提供されている"元祖"ハヤシライスには、ちょっと興味があったりします。

考えてみると、ハヤシライスって、カレーよりもなんか「文学的な香り」がする気がしませんか?

「キャンプ」で作られることが多いイメージのカレーに対して、ハヤシライスは、あまり野外で食べるシーンは少ない印象。
インドア派である内向型人間の私にとっても、相性が良いような気がしていたのですが、これはきっと「書店の創業者が考えたレシピ」だからかもしれません。

人混みが苦手なので、相変わらず都心に行くのは気が引ける私ですが、東京から人が少なくなるお盆あたり、密かに丸善カフェに足を運んでみようかと毎年のように画策している私です。(実行に移せる日は来るのだろうか)

環境にも優しいハヤシライス

様々な食が溢れる日本ですが、一方で、「食のエンタメ化」によって、フードロスの問題は深刻で、より「刺激的なもの」を求める傾向が強くなっている気がします。

英国生まれの「ハッシュドビーフ」は、ハヤシライスと似てはいますが、ベースとなっているのはデミグラスソースの濃い味わい。

一方、日本生まれの「ハヤシライス」は、トマトがベースの、酸味のある味わいが特徴。

そして、材料も、国産のもので作ることができます。
メインとなる材料は、トマト・牛肉・玉ねぎ。

そして驚くなかれ、なんとマッシュルームの生産量日本一は千葉県!
(私が居住する地元でもあります)

また、あまり知られていませんが、実は千葉県は日本の酪農発祥の地でもあります

※豆知識:水の代わりに牛乳を使うことで、ハヤシライスはまろやかな味になります。

また、調味料に使う赤ワイン、みりんや醤油といったものも、千葉県では多く生産されています。

フードマイレージ」という言葉が注目されていますが、食料というものは、遠い国から運ばれてくるほど、環境負荷というのは一般的に高くなります。

石油価格が高騰し、輸入食材の価格が少しずつ高くなっている昨今ですが、私はずいぶん前から、この「フードマイレージ」というものを意識してきました。

「地産地消」と呼ばれるように、地元で収穫された作物などを積極的に利用することは、環境への負荷を少なくすることができるし、地元の農家を応援することにもなるなど、様々なメリットがあります。

「ハヤシライス」は、材料がシンプルな分、地元の食材を中心に作ることができて、しかも刺激物が少ないので味も優しい。

「美味しい」とか「インスタ映え」がもてはやされる現代の日本の食事情ですが、やっぱり、自分が食べるものが、どこでどのようにして作られているか、にも関心を持ってほしいと思っています。

"囃子"ライス

日本では古くからお祭りや能といった伝統芸能において、「お囃子」といわれる音楽が奏でられます。

辞書によると、この「囃子」には、「気分を出すために奏する音楽」という解説があります。

はやし【囃子/囃】

《動詞「はや(囃)す」の連用形から》
能・狂言・歌舞伎・長唄・寄席演芸など各種の芸能で、拍子をとり、または気分を出すために奏する音楽。主に打楽器管楽器とを用いるが、芸能によって唄や三味線が加わることもある。
能の略式演奏形式の一。1曲の主要部分(または全曲)を特に囃子を入れて演奏するもの。番囃子舞囃子居囃子素囃子がある。

デジタル大辞泉 「囃子」より引用

私は、ここでピンときました。

「ハヤシライス」を食べると、私は気分がアガるのです!

例えば大事な試合や試験の前などに、ゲン担ぎや気合を入れるために「勝負メシ」と呼ばれるものを食する習慣を持っている人も多いことでしょう。

将棋の《藤井聡太》さんが対局時に注文していたグルメなどがメディアに注目されたこともありました。

※私はオタクなので、「グルメ系コミック」なども良くチェックしています。

私にとって、「ハヤシライス」は、気分が上がる、まさに「"囃子"ライス」なのでありまして。

"HSP"で"内向型人間"の自分にとっては、この上なく生きにくいこの日本社会において、優しく包み込んでくれるハヤシライスの「上品な甘さ」が、なんとも有難い存在なのであります。

刺激物ばかりを求める世の中において、ハヤシライスはカレーに比べて非常に残念な扱いを受けていると言えますが。

しかし、私にとっては、かけがえのない、人生において極めて重要なレシピなのだと力説したところで、記事の締めくくりに代えさせていただきます。

ちなみに、ハヤシライスにお味噌を入れるとコクが出るのですが、入れすぎてしまうと、失敗談になってしまうかも…
※「ウ〇娘」【ライスシャワー】の中の人談

せっかくなので先日筆者が作ったハヤシライス写真を置いておきます。

柳宗理さんデザインのスプーンがお気に入り

ルウを使わないので、とろみが出づらいのが難点ですが…

ライスちゃんがお礼を言いたいようです


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